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神様からの贈り物・アッシュ材を知る

2019.3.27

アッシュ材とは


家具材として、また、床材や建築や楽器などの文化物にも幅広い用途のあるアッシュ材。

無垢材だけではなく、突板などに加工しての用途もあって高い人気を誇ります。

このいわば「アッシュの仲間」は日本のタモやシオジ、ヨーロッパのトネリコなども含め、北方地域に生息しています。

おおよその場合「アッシュ材」といわれる場合は家具蔵でも使用する「ホワイトアッシュ」です。

北米地域に生息することから「ノーザンアッシュ」といったり、タモやトネリコの仲間であることから「アメリカタモ」「アメリカトネリコ」とも。

いわゆる北米産の広葉樹の中でも、アルダー材などと並び安定した高い人気を誇るホワイトアッシュ。

オーク、マホガニー、ウォールナットと並ぶ四大銘木としても知られています。

古来より人間の暮らしと関係が深い木でもあります。

北方系の民族であるネイティヴ・アメリカンやアイヌ民族、スカンジナビアの各種族は樹皮の繊維から衣類を、材から弓や矢などの道具を作り出して、苛酷な環境を生き抜いてきました。

河川や渓谷に沿った湿潤な土壌に、他の広葉樹を圧倒するほど大きく聳え立っているのがホワイトアッシュの特徴です。

 

ホワイトアッシュ その特徴と生き方を知る


このアッシュの仲間たちは、材としても精神的な拠り所としても各地域とも同じ扱われ方をしています。

海を隔てた異なる土地で共通の文化性があることはしばしばありますが、今回もそんなひとつです。

人類の発想や自然に対する畏敬の念というのは、地域や人種が違っても変わらないという証でしょうか。

アッシュの仲間と人間との関係は、人の歴史のなかで切っても切れないものがあります。

決して土壌が良くはない、ぬかるみがちな湿地帯にしっかりと深く根を張るアッシュ材の仲間たち。

ほぼ真っ直ぐに、大きく天を目指して生長するその立ち姿は見る者を圧倒します。

まさに「生命の力強さと偉大さ」を実感させてくれる木です。

そうしたアッシュの圧倒的な力強さは材となっても顕箸に現れます。

農耕具や馬車などの車輪、住宅建材、そして家具材に。

主に耐久性と衝撃強度の必要なものに使用され、人間の生活の向上・発展に多大な恩恵を与えてきました。

そのことからでしょうか。

その歴史のなかで「人知を超越した存在」として、つまり「神秘性」をもって語られることも多い木です。

ヨーロッパをみると、有名なワーグナーの「ニーベルングの指輪」ではホワイトアッシュの仲間であるトネリコの大木がシンボルとして描かれています。

この戯曲は北欧神話がモチーフですが、北方民族にとってアッシュの仲間は、自分たちの世界と地下の世界・天上の世界をも支える神樹でした。

また、アメリカのほうに目を向けるとネイティヴ・アメリカン達は開墾の際にホワイトアッシュを四方に残し、村を作り上げていました

使用性の高いアッシュの大木は武器や農工具といった暮らしに必要なものであり、見張り番を立てることもできます。

夜行性であり、よく通る鳴き声で(人にとっては)外敵の侵入を知らせる役目を持っていたミミズク。

そのことから森の守り神として崇められていましたが、彼らが巣をつくることから「神が宿る木」といわれていました。

一方、日本ではアッシュの仲間であるタモが、ホワイトアッシュなどと同様にその加工性をもって、特にアイヌ民族の間で神様と同義に扱われてきた歴史があります。

つまり、アッシュ材の家具を住まいに迎えることは「神様を家に招き入れる」ことと同義なのかもしれません。

インテリアである以上、家具材の外見・組み合わせなどはもちろん重要です。

しかし、それだけではなく、こうした数々のエピソードや背景を知ることで買い物自体にもストーリーが生まれ、やがてそれが愛着になっていく。

私たちはそう考えます。

 

アッシュ材の主な用途と家具材としての魅力


河川や渓谷に沿った湿潤な土壌に、他の広葉樹を圧倒するほどの大きく聳え立つ木。

それがホワイトアッシュです。

家具蔵で使用するアッシュ材はこの「ホワイトアッシュ」となります。

えもいわれぬ美しい白の木肌に、鮮やかで力強い木目が特徴です。

使い込むうちに、徐々にこの木肌は黄味を増し、木目もより鮮やかに。

「木を使った空間」を演出しやすく、且つ爽やかで清潔感のある雰囲気を演出してくれます。

高く真っすぐ生長し、しなりも良いことから家具材とする際にはその作業性・歩留まりは数ある広葉樹の中でも最高峰といえるでしょう。

海外の木材でありながら、和の雰囲気にも良く合う万能性も持ち合わせています。

一方で、何よりも我々がイメージし易い最も有名なアッシュ材の活用は、野球のバットかもしれません。

にアメリカのメジャーリーグ中継を見る際に、機会があればバットに注目してみてください。

そこには独特の鮮やかな木目をたたえた白い木肌のバットが映っているはず。

固く、反発力のあるハードメープルも定番のバット材ですが、このホワイトアッシュも数々の筋書きのないドラマを支える「陰の主役」として堂々と君臨しています。

家具蔵のホワイトアッシュ材の家具はすべて原木仕入れ。

自社管理での製材ののち、これをじっくりと時間をかけた天然乾燥と機械乾燥の繰り返しで日本の気候に馴染むよう管理・保管します。

そして、その鮮やかな木目が最大限「デザイン」となり、且つ日本のインテリアに生えるように熟練の職人たちが木取りを行ってひとつひとつのパーツに仕上げるのです。

そうして生まれた無垢材家具たちは、今日も多くのお客様のお住まいで「家族の風景」の一部となって空間を彩っています。

 

さらなるホワイトアッシュの解説はこちら

ホワイトアッシュ材の無垢材家具を使用した事例を参考にするならこちら

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