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「神様の棲む木・ホワイトアッシュ」

2016.7.17

皆さん、こんにちは。

空梅雨などと言われていながら、通勤時や帰宅時に雨が多いイメージのある今年の梅雨。

早く梅雨も明け、夏本番を迎えたいところですが、関東の梅雨明け時期は年々遅くなっているそうです。
ちなみに今年の関東の梅雨明け時期は7月下旬とのこと。

青く晴れた空と燦々と輝く太陽が待ち遠しいところですね。

数回に分けてお届けしてきた、家具蔵で扱う銘木のご紹介も今回でひとまず一区切り。

最後を飾るのは北米産の広葉樹の中でも、安定した高い人気を誇るホワイトアッシュ。

オーク、マホガニー、ウォールナットと並ぶ四大銘木としても知られています。

 

清潔感のある白系の色合いは、爽やかなインテリア空間を演出するにもってこい。

外国生まれの木材でありながら、和の雰囲気にも良く合う万能性を持ち合わせています。

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古来より人間の暮らしと関係が深く、北方系の民族であるネイティヴ・アメリカンやアイヌ民族、スカンジナビアの各種族は樹皮の繊維から衣類を、材から弓や矢などの道具を作り出して、苛酷な環境を生き抜いてきました。

河川や渓谷に沿った湿潤な土壌に、他の広葉樹を圧倒するほど大きく聳え立っているのがホワイトアッシュの特徴です。

決して土壌の安定性が良くはない、どちらかというとぬかるみがちな土壌の地にしっかりと深く深く根を張り、ほぼ真っ直ぐに天を目指して生長するその立ち姿は見る者を圧倒し、生命の力強さと偉大さを実感させてくれます。

そのことからでしょうか。

精神面においても、深い恩恵を授けてくれる「心の拠り所」として敬われてきた歴史があります。

 

北欧神話を題材にした、有名なワーグナーの「ニーベルングの指輪」の中ではホワイトアッシュの仲間であるトネリコの大木がシンボルとして描かれているように、北方民族にとってアッシュの仲間は、自分たちの世界の他に地下の世界・天上の世界をも合わせ持っている大きな世界を作り上げる樹であると信じていました。

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また、ネイティヴ・アメリカン達は、ホワイトアッシュを四方に残して森を開墾し、村を作り上げていたそうです。

他の樹より大きく育つアッシュの大木を周囲に残すことで、見張り番を立てたり、枝打ちした枝を弓などの武器にしたり、畑仕事の鍬の柄にしたりと様々な用途でアッシュを活用していました。

更には夜になると森の守り神として崇められていたミミヅクがアッシュのてっぺんに留まり、ホーホーという泣き声で魔物や外敵の侵入を防いでいたと信じられています。

家具材や生活道具以外にも野球のバットやテニスのラケットなどにも他分野で使用されるホワイトアッシュ。

材としての機能性もさることながら、我々も本能的にその神棲性を精神的な拠り所にしているのかもしれませんね。

 

ホワイトアッシュにまつわるお話し、いかがでしたか?

インテリアである以上、見た目の相性やその組み合わせはとても大事です。

しかし、見た目だけではない、それぞれの木や素材にまつわる、こうしたよもやま話を知ることでその家具に愛着が湧き、やがてその空間そのものが掛け替えのないものになっていくと私たちは考えます。

 

木の家具を使いたくなったら、是非こうした話を聞きにお店へお立ち寄りになってみてください。

スタッフ一同、お待ち申し上げております。

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