無垢材家具を使うことはエコロジーにつながる
2019.8.2
使い捨てから長く使えるものへの意識の変化
自然の木で製作された無垢材家具は、エコロジーに繋がります。
日本のみならず、世界中の家具市場は比較的安価で手に入る、大量生産された家具であふれています。
コスト重視の為、強度に直結する製造工程や素材の選定は簡略化され、長く使用することを目的としたものとはなりません。
長年、世界規模で直面している問題に「環境問題」があります。
このような大量生産体制はこの問題を解決するうえでも、すぐにでも見直さなければならない状況が迫っています。
使い捨てで資源を湯水のごとく使う時代から、良いものを長く使うことで限りある資源を無駄に捨てないという考え方を持った時代への変革の時期であり、このような認識は、日本のみならず国際的にも標準化してきました。
家具についていえば、ひと昔前までは「都度、家具を買い替える」という考え方が主流となっていました。
家族のライフスタイルに合わせて、買い替えていく。
それが当たり前と思われていたのです。
日本と西洋においては、家具への考え方は異なっています。
例えば、日本では家の装飾、つまりインテリアを変える時「家具を変える」ことから始めます。
一方、デンマークやフィンランド、ドイツなど“暮らし”を大切にし、楽しむ文化を有している国々の人々は、家具そのものは、良質で長く使えるものを本当に気に入るまでじっくり選び、周辺のインテリアで変化を付けて楽しんでいます。
好みのファブリックでテーブルランナーやクロスを作るなど、既存のものに変化を加え楽しむという、インテリアが持つ本来の楽しみ方を理解しています。
簡単に家具を使い捨てたり、変えたりするのではなく、良いものを使い続ける文化が浸透した暮らし。
環境面や心の豊かさを考えれば、やはり後者の方が良いと言えないでしょうか?
木材の廃棄においては、再生利用という選択肢以外はおおよそ焼却処分となります。
その際に発生する二酸化炭素や燃焼によるダイオキシン類が大きな問題となっています。
「10年で買い替え」が起こる家具では、廃棄の際に大多数が焼却処分になります。
また、近年、アウトレット店や市町が運営するリサイクルセンターが不要品として回収し、二次販売をするケースもありますが、10年以上使われて劣化の激しいものは基本的には取引の対象外となってしまいます。
このような背景を考慮するとやはり、廃棄処分=焼却処分になるという流れは否めません。
大量消費社会において、買い換えサイクルを早めることは、地球温暖化に加担することに繋がってしまいます。
「一生もの」と言われる無垢材家具とは
私たちの暮らしに欠かすことができない家具という存在。
安く、量産されたものが気軽に手に入る今だからこそ、長く使いたくなる家具が求められてきます。
熟練の職人が一つひとつ手作りしたものや、オーダーものにはそれ相応の価値があります。
そしてそれを厳選した無垢材でつくること。
無垢材とは無垢の木、切られた木を製材して、そのまま使われる木材のことです。
無垢材は木そのもの、つまり生きているので「木のぬくもり」をダイレクトに感じることができます。
なんとも言葉にしがたい「あ、気持ちいい」という感覚。
これを享受できるのが無垢材です。
これが「長く使うことのできる」「長く使いたくなる」家具となるのです。
そのうえで使用している素材や美しいフォルム・心地よい手触り、細部にまでこだわりを感じることが出来る作り。
すべてが使う人のことを考えて作られている、まさに一生モノの存在です。
そして何よりも熟練の職人が手掛けたもの、本物の木工家具は丈夫で長持ちです。
無着色で仕上げたものは経年での表情の変化を楽しむことができ、キズでさえ味になる。
勿論、メンテナンスも可能です。
無垢材家具は人と同じで、年月に応じて使うほどに“想い”が詰まっていきます。
父親から譲り受けた時計、初任給で購入したビジネスバック、大切な人からもらった指輪、このようなものは自身に
とっての“宝もの”になります。
それはそこにモノとしての価値以外に、“想い”という付加価値が備わっているからです。
無垢材家具も、使い続けていく中で、想いが増してきます。
キズや傷みですら「記憶の証」。
だからこそ、愛着を持って長きにわたり、使い続けることができるのです。
無垢材家具はエコロジーに寄与する
現在、地球規模で環境を守る動きが活発化しています。
一方で、ゴミの排出量は年々増え続けています。
ごみが増えた原因はいろいろ考えられますが、耐久消費財の頻繁な買換え、使い捨て型の商品や容器の普及、あるいはオフィスのOA化に伴う紙ごみの増加などがあげられます。
人の日常生活に伴って生じる家庭系ゴミ、事業系ゴミなどゴミの種類は生活の多様化に伴って増え続けており、不要になった大型の家庭用品など適正処理が困難なゴミが問題になってきています。
また、産業廃棄物などの増加に伴い、埋立地の不足や不法投棄などによる環境汚染も深刻な問題です。
地球規模のマクロな問題ではあるもの、地球に存在する一人ひとりに起因すると考えればミクロで身近な問題です。
使い捨てという手軽さではなく、良質で耐久性のあるものを、愛着を持って使い繋げていく。
これもまた、一人ひとりが出来ることだと思います。
自然の木で製作された無垢材家具は、エコロジーに繋がります。
無垢材は、エコマテリアルなのです。
簡単に捨てずにメンテナンスしながら使い続けることは「唯一無二のエコロジー」と言えるのではないでしょうか。
長く使う無垢材家具だからこそ、専門のプロに話を聞き、ご自身にとっての一生を共にする相棒を見つけたいものです。
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