ソファのクッションの種類を知る
2019.8.17
リビングにおける代表的な家具といえばいわゆる「ソファ」でしょう
ソファでの過ごし方はゆっくりと寛ぎながら、テレビを見たり、会話をしたり人それぞれ。
そんなソファを選ぶ際には何を重要視するのが良いでしょうか。
フレームや張地といった見た目は当然のことながら、価格やサイズも忘れることはできない要素です。
また、メンテナンス性といった観点もたいへん重要なことはこのコラムでも以前にご案内しました。
ここでもうひとつ大事な点を挙げるとするならば「クッションの構造」です。
いくらデザインが良くても、価格が適正でも、耐久性の大きな肝となるこのクッションの構造が良いものでなければ、ソファ選びは失敗で終わってしまいます。
そこで今回はソファを選ぶ際に一番大切になるクッションの種類にどんなものがあるかをみていきます。
座り心地の土台となる衝撃吸収材の種類
●ウェービングテープ
金属ではなく布製のクッション材です。
糸状に巻いた細いゴムを編んだもので、交互に貼り付けることでテープがスプリングの役割を果たします。
コイルスプリングやSバネと異なり、金属を使用しないことで「軽い・音がしない・かさばらない」などの利点があります。
ヨーロッパの高級ブランドソファでも見られるほか、家具蔵の無垢材ソファもこの構造を採用。
格子が密に張り巡らされている方がより耐久性に優れています。
●Sバネ
S字状のバネ(鋼線)を波上に加工したコイルです。
多くのソファで使われている、一般的なものといって差し支えないでしょう。
コイルの特性上厚みが少ないため、座面の薄いソファなどに向いています。
また、座面を薄くでき軽量化しやすい構造になりますので、デザインの幅が大きく広がります。
座面の耐久性・弾力性向上の為に膨らませるように山型に張っているものもあり、そういったものは座面中央にかけて膨らみがあり、端の方は中央と比べ硬く感じることがあります。
また、バネの構造上、反発力を出しにくく、ポケットコイルやコイルスプリングに比べると弾力性に劣るものが多くあることは否めません。
●コイルスプリング
弾力性にとんだ螺旋状のスプリングをフレームの上に並べて、それぞれを鉄線で連結させています。
面でしっかりと身体を受け止めるので「底づき感」のないクッション性が得られます。
コイルが連結されることによって、バネへの負担が一点に集中することがなく、全体に分散されます。
その為、木枠への局所負担も減り、バネ自体も耐久性が高いと言えます。
クッション性を出す為に一定のコイルの長さが必要となる為、座面にボリュームのあるデザインになりやすい傾向があります。
●ポケットコイル
コイルスプリングがひとつひとつ袋に入っていて、荷重が加わるとひとつひとつのスプリングが独立して荷重を支えます。
最近ではベッドマットレスなどにも多く使われるコイルです。
コイルが独立しているので、人の体形や座り方に合わせて「点」で支えており、弾力性が良く体にフィットした座り心地を実感できるのが特徴です。
座り心地に直接影響するクッションの種類
衝撃吸収材の上にあり、着座の際に座り心地を一番に感じる部分がクッション。
この中身によってその座り心地は大きく変わります。
昔は綿だけのものもありましたが、最近は多くのソファが「ウレタンフォーム」を使っています。
平面なウレタンだけでなく、硬さを変えたウレタンを組み合わせる、ウレタンの上に羽毛(フェザー、ダウン)やポリエステル綿をプラスする、フィット感を感じられる…。
様々な考え方で座面を支えるウレタンを各メーカーは選びます。
天然羽毛より低コストの「シリコンフィル」というポリエステル綿にシリコン加工を施して弾力性と耐久性をアップさせた素材も最近では多く使われるようになっています。
ソファに欠かせないクッション材、どんなクッションの種類があるかみていきましょう。
●カットウレタン
一般的なウレタンフォームです。大きな塊から、ソファに合わせて切り出して使用します。
密度の異なるウレタンを部位によって組み合わせて使い分けることが多く、さまざまなフィット感をつくりだせます。
●モールドウレタン
つくりたい形状の鋳物を作成し、その型に合わせ発砲させ形成したウレタンフォームです。
型崩れしにくく、耐久性、弾力性に富んでいるほか、特殊な形の成型も可能です。
●チップウレタン
ウレタンを細かく砕いたチップを接着剤で固めて成型したものになります。
沈み込みが少なく劣化も少ないのが魅力です。
●低反発ウレタン
衝撃吸収性、制振性、体圧分散性、吸音性、断熱性に優れたウレタンフォームです。
身体の形や動きにフィットして沈み込み、体圧を分散させます。
●ファイバーボール
ポリエステルの繊維をボール状に丸めたもので、羽毛の代わりに使用されることが多いです。
羽毛ほどの復元能力はないですがコストが抑えられます。
●羽毛(フェザー、ダウン)
「ふわっ」とした柔らかいフィット感を叶えるためにかかせない素材です。
型崩れが気になったときは、クッションをたたいて空気を取り込むと復元します。
良いクッションを選ぶには?
ソファの良し悪しを判断する際に、使われている素材や構造を知ることはとても重要です。
実際に家具店やショップに行ってソファを検討する際にはその内部構造についても遠慮なくその場のスタッフに確認しましょう。
また、ソファの座り心地は複合的な要素で作られます。
ひとつの観点だけでなく、素材や構造などの組み合わせを見て総合的に判断するのが良いでしょう。
そのうえで、できるだけ「長い時間」座ってみることは重要です。
つくりがしっかりしていないものやデザイン偏重で不適切な設計のものは、体に負担が掛かり長く座ってはいられません。
あまり長く座るとお店の人の目が気になる?
そんな人は座りながら接客を受けてみてください。
気になる内部構造やメンテナンス性、張地のバリエーションなど気になること、聞いてみたいことはたくさんあるはずです。
ソファ選びは座ってみることから始まります。
ソファについてもっと詳しく聞いてみたいと思った方、家具蔵のプロスタッフが「選び方のコツ」をお教えします。
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