KAGURA OFFICIAL BLOG

家具以外のハードメープルの用途とは

2019.10.10

ハードメープルとはこんな木


ハードメープルは北米大陸の東部が主な産地の材木です。

その葉「メープルリーフ」と呼ばれ、カナダ国旗のデザインにも使われています。

また、ハードメープルは「砂糖楓(サトウカエデ)」も呼ばれており、その樹液は皆さんもご存知のメープルシロップとして市場に流通しています。

木質は硬く衝撃に強いので、テレビボードやダイニングテーブルといった家具や建材にもよく利用されています。

真珠とも形容される艶やかで滑らかな白い木肌が特徴で、比較的やさしい、おだやかな木目感が特徴です。

しかし稀に、鳥の目のような「鳥眼杢(ちょうがんもく)」が現れるものもあります。

鳥眼杢が出たハードメープルは、「バーズアイ・メープル」と呼ばれ、通常の数十倍以上の価格で取引をされます。

色も明るく、家具にすればどんな空間にもマッチするハードメープル。

その材質を生かして家具以外の用途にも使われています。

一方で、「ハード」とわざわざ呼ばれるのはその反対の「ソフト」があるためです。

ハードメープルの他に「ソフトメープル」と呼ばれるものがあり、その名の通り、ハードメープルを少し軟らかくしたような樹種です。

別名レッドメープル、スカーレットメープル、ウォーターメープルなどとも呼ばれています。

木肌はハードメープルと同じく灰白色をしており、経年変化により黄褐色へと変化します。

ハードメープルよりも軟らかいので手道具や機械でも加工は容易です。

ただ、強度においてはハードメープルが勝るため、長く使うことが大前提となり、荷重を考慮する家具などにはハードメープルの方がより適しているのです。

 

ボウリングのレーン


有名なのがボウリングのレーンです。

ボウリングのボールは重く、投げ方によってはゴツンとレーンにぶつかることがあります。

柔らかい木材であれば、この衝撃であっという間に表面が凹んでしまいます。

しかし、ハードメープルは硬いので、そうそうレーンがダメになることはないのです。

実は、レーンのほかにもボウリングのある道具にハードメープルが使われています。

それは、ボウリングのピンです。

白く塗られているため、プラスチック製と勘違いしてしまいそうですが、ピンは木製なのです。

ボウリングのピンには明確な規定が設けられており、高さ381ミリ、最大径121ミリ、重さは1417~1644グラムと定められています。

また、競技規定の重さにするために内部を空洞にして調整が行われています。

また、空洞を設けることでピンが倒れた際に小気味のいい音が立つようになるのです。

ボウリング場の縁の下の力持ちと言える丈夫なハードメープルですが、長い間使い続ければ、さすがにレーンにダメージが蓄積されていきます。

そのため、木製レーンを使っているボウリング場ではレーンの歪みや傷を修復するために「リサーフェイス」という修復作業が定期的に行われています。

リサーフェイスはどのくらいのサイクルで行われるのでしょうか?

答えはおよそ10年に一度です。

何ポンドもある硬いボウリング玉を毎日のように受け続けても、補修作業はたったの10年に一度。

この数字からハードメープルの頑丈さがよくわかります。

 

野球のバット


ハードメープルは、ボウリング以外のスポーツでも用具の素材として利用されています。

野球のバットは日本ではアオダモ、アメリカでもホワイトアッシュ材のものが有名ですがハードメープルを使ったものもあります。

ハードメープルのバットを使う選手はそれほど多くなかったのですが、ある選手の活躍を境に注目されるようになりました。

その選手がバリー・ボンズです。

いまもメジャーリーグ史に燦然と輝く年間73本のホームランを打ったシーズン、ボンズはハードメープルでつくられたバットを使用していました。

メープルバットは固さがある一方、適度なしなりがあるため、強烈な打球を飛ばすことができます。

折れにくく、球を痛烈にとらえても傷がつきにくいので経済的なバットでもあります。

このボンズにならって、ハードメープルのバットに乗り換える選手も続々増えました。

 

楽器の素材としても


楽器材としてもハードメープルは多く使われています。

ハードメープルはただ丈夫なだけではなく、木目の美しさも魅力的な木材です。

その美しい表情はピアノ、ヴァイオリン、ギターといった楽器に優れた容貌をもたらしてくれます。

もちろん、見た目だけでハードメープルが楽器材に使われているわけではありません。

音は何か物にぶつかると反射します。

そのときにぶつかったものが柔らかい素材なら、音が吸収されて反射した時には音量が落ちています。

逆に硬い素材であれば音は勢いよく跳ね返るので、失われる音はごく少しで済みます。

ハードメープルが楽器材に選ばれるのは、硬くて音を響かせることのできる力を備えているためでもあるからです。

ハードメープルだけを使った楽器というものは極めて稀で、ギターの場合だとボディトップやネック、ピアノではリムやアクション、ヴァイオリンだと背板という具合に一部のパーツのみに使用されることがほとんどです。

これは楽器を重くしないための工夫です。

それに適切な箇所にハードメープルを使うだけでその効果は十分得られます。

たとえばギターでは、柔らかい音を出すマホガニー製のボディの上にハードメープル材を被せれば、力強い音を出すギターに早変わりします。

 

床材にもハードメープル


頑強さと美しさを兼ね揃えているハードメープルは、床材に使われることも多いです。

ハードメープルのその白い木肌はフローリングに使用した際に、明るいイメージの住まい空間を演出することが可能です。

爽やかで清潔な雰囲気は現代の住宅でもたいへん人気です。

さらに、ハードメープルは摩耗にも耐性があり、床に付き物の擦り傷が付きにくいというメリットがあります。

光沢のあるきれいな見た目で、傷もつきにくいということから、一般住宅だけではなく、ダンス教室の床材としてもハードメープルは活用されています。

このようにハードメープルは、住まい、娯楽、スポーツなどで、人の役に立っているのです。

家具蔵では、無垢材家具をオーダーする際に世界各国の銘木をお選びいただけますが、このハードメープルももちろんラインナップしています。

時間を経るごとに美しく色づく表情と、宝石にもたとえられるような美しい木肌。

この素晴らしい銘木を使った無垢材家具、毎日の暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。

ハードメープル材の無垢材家具がある暮らしの事例はこちら


最近の投稿

カテゴリー

月別アーカイブ

  • [—]2024 (168)
  • [+]2023 (366)
  • [+]2022 (364)
  • [+]2021 (365)
  • [+]2020 (368)
  • [+]2019 (366)
  • [+]2018 (85)
  • [+]2017 (65)
  • [+]2016 (69)
  • [+]2015 (44)
  • [+]2014 (32)
  • [+]2013 (62)
  • [+]2012 (130)
copyright AIDA Co,.Ltd. All Rights Reserved.