作業しやすいキッチンのレイアウトとは
2019.11.14
キッチンでの作業を効率よく行うことができるようにするためには、キッチンそのもののレイアウトが重要になります。
キッチンに配置する機器の位置やシステムキッチンの寸法などによって大きく作業性が左右されるため、よりキッチンに立つ人に合っている仕様に仕上げることが肝心です。
配置や寸法などを決定する上では一般的に知られている基準があるので参考にしましょう。
シンク、コンロ、冷蔵庫の関係性
キッチンで作業をする上でシンク、コンロ、冷蔵庫は欠かせないものです。
他にも作業台や電子レンジ、食器棚や食器洗い乾燥機などの様々なものがキッチンにはありますが、レイアウトを考えるときにはこの三つに着眼するのが基本とされています。
「キッチントライアングル」と呼ばれる基準が設けられていて、互いの距離が以下の範囲に収まるようにすると使いやすいというのが一般的です。
シンクとコンロの間:1200ミリ〜1800ミリ
シンクと冷蔵庫の間:1200ミリ〜2100ミリ
コンロと冷蔵庫の間:1200ミリ〜2700ミリ
また、この三点からなる三角形の各辺の長さの合計が5100ミリ以内にするとコンパクトで使い勝手が良いとされています。
このようにすると調理をするときの動線が短くなり、無駄な動きをせずに済むのが理由です。
背面収納とキッチンの間隔は
動線となる背面収納とキッチンの間にある通路をどのくらいの幅にするかも重要な点です。
この幅は通常作業する人が1人だけか2人以上になるかによって決めるのが適切とされています。
引き出しや棚の扉などを開けたときに後ろにぶつからない程度の間隔にするのが基本で、1人で作業をするなら900ミリ前後が使いやすいでしょう。
2人以上の場合にはキッチンと背面収納の間に2人いる状況で引き出しを開けても大丈夫になるように1200ミリ前後の幅にしておくのが無難です。
これを起点として、食器棚を作業台やコンロから使いやすい場所に配置し、電子レンジを調理に使用するならそのシーンを想定して作業台の近くにするといった形でレイアウトを決めていけば使いやすくなります。
作業スペースの割り付けは
作業スペースなどの寸法をどのくらいにするかもキッチンを決めるときには判断しておかなければなりません。
まずキッチンの奥行きについては650ミリが標準になっています。
アイランド式のキッチンの場合には両側で作業するので900ミリ前後が標準的です。
(ダイニング側に収納が無い場合は720~750ミリ程度の場合も)
間口の幅についてはコンロとシンク、作業スペースを含めて1650ミリ〜3600ミリのものを選びます。
おおよそ多いのは「2250」「2400」「2550」「2700」ミリといったあたりです。
コンロの幅は600ミリなのが普通ですが、450ミリ〜900ミリの範囲で決めることが可能です。
これは機器の大きさによっても変わってくることがあります。
シンクは一般的には600ミリ〜1200ミリで、標準的には750ミリとなっています。
作業スペースは狭いものでは450ミリ程度からあるものの、使い勝手を考えると600ミリ〜1200ミリ程度は確保しておくのが妥当です。
コンロ、シンク、作業スペースの位置関係もキッチンの設計によって異なるため、調理するときの動線を考えて適切な並びのものを選びましょう。
キッチンの高さ
キッチンの作業性を高めるためにはキッチンの高さを適切にする必要があります。
高いと肩が疲れてしまいがちに、低いと腰に負担が掛かります。
あまりに低いと腰を屈めなければならず、吊り戸棚に頭をぶつけるリスクもあるでしょう。
適切な高さとして、作業をする人の身長に基づく基準が知られています。
身長を2で割った高さに50ミリを加えたものというのが基準で、身長が160センチの人なら850ミリ、170センチの人なら900ミリです。
一般的にはキッチンの高さは50ミリおきで選ぶことが多く、概算して適切なものを選びましょう。
(その中で一般的なのは850ミリのもの)
ただし、この基準は一般的な女性の体型に合わせて考えられたもので、個人の体型を反映しているわけではありません。実際には決める前に同じ高さのキッチンの前に立ってみて、ちょうど良い高さかどうかを確認した方が安心です。
このようなキッチンの配置や寸法に関する基準はありますが、最終的にはキッチンに立つ人が使いやすい最適な設計に落とし込むことが重要になります。
単純に一般的な仕様を採用しても必ずしも快適で作業性が高くなるとは限らず、個人の癖も考慮してレイアウトをするのが肝心です。
その際に参考になるのが今まで使用してきたキッチンの配置や寸法です。
今までのキッチンにどんな不満があったかを考えてみると、これからレイアウトを決める上で役に立ちます。
例えば、作業台の高さが低かったという印象があるなら、今の作業台の上に50ミリの板を置いて作業してみるとワークトップを高くすると良いかどうかを判断できます。
逆に高すぎると思っていたなら50ミリの足台に乗って作業をしてみるとわかるでしょう。
冷蔵庫と作業スペースの間が遠かった、背面収納とキッチンの間が狭かったなどの不満点は改善するようにレイアウトすれば問題ありません。
また、上に挙げた様々な項目について確認した際に特に不満がなかったところはそのまま同じ設計にしても大丈夫です。
その配置や寸法が一般的な基準から離れていても、自分にとっては使いやすいものだということなら問題ないでしょう。
そのうえで心配な場合には一般的な仕様のキッチンにも立ってみて、どちらの方がより良いかを判断し、プロの判断を仰ぐのも手です。
家具蔵でも表参道・吉祥寺・横浜元町の3店舗にキッチンスタジオを設け、無垢材キッチンの質感を味わっていただくと同時に、今までのキッチンの悩みなどをお伺いしながら、一人ひとりの「最適解答」を導き出していくお手伝いをしています。
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