ハードメープル材を活用したインテリアコーディネート
2022.1.12
メープルの特徴は
メープルの木は日本だと「楓」の木になりますが、日本原産のものはカエデ材と呼ばれる別物で、北米から輸入したカエデ材をメープル材と呼ぶ傾向にあります。
北米地域の厳しい気候に鍛えられたメープル材は衝撃や摩擦に強い事で知られ、材質は重く硬い事が特徴です。
カナダや北米では、古くから現地の人々により生活家具や床材など生活に密接したシーンで使われてきました。
木目が穏やかで明るい乳白色の木肌が特徴で、経過年数と共に味わい深い琥珀色に変化していきます。
特にメープル材は触り心地も良く、硬質でつるつるとした木肌が特徴で、上品な質感を活かしたシンプルなインテリアを好む層に不動の人気を保っています。
メープルにはメープルシロップの採れる「ハードメープル」「ソフトメープル」と呼ばれるものがあり、前者はシュガーメープル、後者はレッドメープル、スカーレットメープル、ウォーターメープルなどとも呼ばれています。
強度においてはハードメープルが勝るため、長く使うことが大前提となり、荷重を考慮する家具などにはハードメープルの方がより適しています。
ハードメープルは北米大陸の東部が主な産地の材木です。
その葉は「メープルリーフ」と呼ばれ、カナダ国旗のデザインにも使われています。
木質は硬く衝撃に強いので、テレビボードやダイニングテーブルといった家具や建材にもよく利用されています。
真珠とも形容される艶やかで滑らかな白い木肌が特徴で、比較的やさしい、おだやかな木目感が特徴です。
しかし稀に、鳥の目のような「鳥眼杢(ちょうがんもく)」が現れるものもあります。
鳥眼杢が出たハードメープルは、「バーズアイ・メープル」と呼ばれ、通常の数十倍以上の価格で取引をされます。
メープル材と人の暮らし
メープルと人との付き合いはかなり古く、古代から道具の一つとして活用されてきたことが報告されています。
古代エジプトではメープルの木から採れるシロップや根を薬としたり、葉を冷却湿布としたりして使われていたと言われています。
また、中世ヨーロッパではメープルの木は土壌を酸性にせず良質な腐葉土を作ることから、牧場や農場の近くに植えられ、葉は家畜の飼料となりました。
メープル材の一番の特徴は、散孔材ならではのおとなしい木目と、きめが細かく光沢のある木肌です。
粘りがあり、割れにくいので曲木にも適しています。
メープル材は、楽器材としても多く使用されています。
構造的に負荷のかかるピアノ部材をはじめ、バイオリンなど弦楽器の背板、エレキギターのネックなど、さまざまな楽器に使用されています。
メープル材を使用した楽器は、サスティン(減衰音の持続性)が少なく、硬質なサウンドで実音が聞き取りやすいといった特徴があるそうです。
さらに、後述する意匠的に美しい「杢」があるものはトップ材としても使用され、数多くの名器に華を添えています。
メープル材が使われる家具とおすすめコーディネート
メープル材をインテリアに使用する場合、木目が穏やかで、淡くやさしい色味のため、シンプルかつ清潔感のある印象になります。
また、近年ではインターネットの普及から、オフィスと住まいのボーダレス化が進み、自宅で仕事をする人たちも増加しています。
同じ空間で長時間滞在する人々にとって、居心地のよいインテリアは重要です。
また、一般的なオフィス環境も、家のようにリラックスできる空間であることが求められる傾向にあり、手法として光や風、緑を積極的に取り込むインテリアが増えています。
人気の北欧インテリアにおいてポイントとされている「長時間いても居心地の良いこと」が、オフィス空間においても求められるようになってきています。
そこで注目されているのが、メープル(ハードメープル)なのです。
ハードメープル材で作られる家具は、テレビボード、キャビネット、ダイニングテーブル、ダイニングチェアなど様々です。
基本的に乳白材の明るい素材なので、寒色系や黒などを取り入れたモダン系な空間を演出する事で、木のぬくもりを引き立たせることができるコーディネートがおすすめです。
また、オーク材やブナ材などの同色系の明るい素材の家具を合わせたり、他の無垢材を合わせるとナチュラルモダンな落ち着いた雰囲気を演出できるでしょう。
ハードメープル材の家具は寝室でも人気
白い木肌が日差しを受けて艶やかに輝き、年数の違いによる風合いの変化も実際に体感出来るメープル材は明るく反射するので空間を広く見せる効果もあります。
さらに寝室でもその効果が高まります。
メープルの温もりと存在感がありながら、他のインテリアの存在を妨げない特徴から落ち着きと、上質な眠りを誘う寝室の演出も人気です。
太古の昔から我々の先達たちの生活の身近に存在し、幅広い用途で使用されてきたメープル。
抜群の強度を持ちながらも、そのことを意気揚々と主張することなく、周囲のバランスをしっかり保ちながら、多用途にインテリアの主として取り入れることが可能です。
私たちの生活を豊かに彩るメープル材をお部屋のメインにしてみては如何でしょうか。
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