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テーブルの「構造」を知る

2021.10.18

 

 

テーブルには、様々な素材が存在しています。

同時にまた、その構造にも様々なものが存在します。

構造はテーブル自体の強度だけでなくインテリアエレメントとしての見え方・使い勝手など様々な要素に影響を与えるものです。

テーブルそれぞれの製作工程においても、オートメーション化により安価に大量生産することを選んだメーカーもあれば、職人の手仕事による1点1点の精度を重視した、きめ細やかな仕事で長く使うことができるものをつくる企業もあります。

世の中には様々なテーブルがありますが、今回は特にその構造の部分にフォーカスしてお話していきましょう。

 

 

 

テーブルの「天板」とは?その違いは?


 

 

この天板はテーブルで最も重要とされる部分。

様々な材料が用いられますが、天板は人が常に触れる場所であるため、「触覚・触感」などに対して重要な要素を持ちます。

構造を知るにあたっては、普段聞きなれない木工の専門用語を知らなければなりません。

以下に、木製のテーブルづくりで使用される専門用語の解説を列記していきます。

使用する素材によってその工程や製法は様々ですが、無垢材テーブルにおける接合方法は以下のようなものがあります。

●芋矧ぎ、平矧ぎ

単純に木端と木端を付き合わせる方法。

強度において脆弱であり、幕板等で支えられる場合のみに使用されます。

実際には強度から見てビスケット実などを入れて矧ぐ場合が多くなります。

●相互矧ぎ

木端に同形になるような本実と溝を加工して矧ぐ方法です。

加工機械の普及によって最近多く使われる接合方法で、長手方向に接合するフィンガージョイントを幅方向に応用したものです。

●雇い実(ざね)矧ぎ

両木端に共通の溝をつくり、別材の実で雇って接合します。

テーブルトップとしては最もポピュラーな矧ぎ方となります。

●ビスケット実矧ぎ

雇い実と同じ働きをする楕円形の実で矧ぎます。

円形の刃を使用する加工機械の普及により生みだされ、雇い実より加工が簡単なことが特徴です。

●端ばみ

無垢板の反りや狂いを防ぐため、板の繊維方向に対して直交するように、同じ板厚にした棒状の部材を木口にはめ込んで取り付ける方法。

●千切り(バタフライジョイント)

接合部分を補強する技法です。

蟻形、ひょうたん形など両端が太い千切りを勾配を付けた穴に埋め込んで締め付ける力が働くようにします。

割れを防ぎ、死節を隠しつつ、装飾も兼ねることが出来ます。

●フィンガージョイント

木材を長手方向に接合する方法の一つで、「相互矧ぎ」と同じ原理で木口を指の形の様にジグザグに加工し、接着面積を増やします。

●駒止金具

甲板に無垢の材料を使用する場合など、反りや収縮、膨張を防ぐために使用する金具のこと。

●貫(ぬき)

前後左右などの横の揺れを防ぐために補強する材料であり、水平な構造補強材のことです。

木製テーブルでは多くの場合、脚にほぞで差し込まれます。

●幕板

テーブルの甲板の下にあって、脚と脚を連結する横長の板のこと。

この部分に装飾したり、目隠しとして扱うことや、より強い構造にすることが目的ですが、一般的にはその両方を兼ねていることが多いパーツです。

●隅木

脚と幕板が交差するコーナーで脚と幕板を固定し、強度を補強する木製や金属製の補強材です。

無垢テーブルの多くは、隅木以外にも甲板の反りを抑制するために天板裏に「反り止め」が施されているものが殆どです。

●吸い付き桟

蟻形に掘ったホゾ穴に桟を差し込んで無垢板の反りを防止する技法。

裏桟の一種で蟻桟(ありざん)または吸付き蟻桟とも言います。

●反り止め金具

一般的に多く使用される反り止めの対処法で、天板裏妻手方向に溝を掘り、金属の板で補強する方法。

吸い付き桟よりも作業工程が簡単で、コストも低く抑えることが可能です。

 

 

テーブル天板の材質の違い


 

 

前段ではテーブル天板の構造部分の専門名称を列記しました。

そのうえでテーブルは天板と脚という2つのパーツで成り立っていて、それぞれの作りや構造に色々な名称があるということなのです。

様々な素材があるなかで、木でできたテーブルの天板は大きく分けると「無垢材」か「木質系加工材料」かに分かれます。

●無垢材

芋矧ぎ、相互矧ぎ、雇い実矧ぎなどの用語は、この無垢材においての板の合わせ方の名称です。

無垢材とは、天然木そのもののことをいいます。

「木そのまま、木そのもの」なのです。

わかり易く言うと原木から伐り出した板材のことです。

無垢材は乾燥・加工に時間と手間がかかります。

木を知り尽くし、木を扱える熟練の職人でなければ、木の動きを読むことができません。

従って、扱いが非常に難しく、かつ現存する保有数からも極めて希少性の高い材料です。

●木質系材料

大量生産が可能で扱い易く、同じものを安価に作ることを目的としています。

例えばその代表格である合板とはベニヤ(木材から薄く剥かれた「単板」のこと)を何枚か積層して接着したものこのことです。

その表面に化粧シートや、突板を圧着し加工した工業製品を指します。

無垢材と比べローコストで製作することはできますが、傷んだ箇所から表面が剥がれてくるなど、長期間の使用には適していません。

 

テーブル脚の構造


 

 

テーブルの脚の構造は簡単に分けて二つあります。

「固定する」か「乗せるだけ」の二通りです。

家具店としてのお薦めは、やはり天板としっかり固定されたものです。

昔から「地震が起きた時にはテーブルの下に」と言われるように、甲板と脚がしっかりと固定されたテーブルには安心感があります。

テーブルと脚を別々に作り、後から乗せるだけというのは、コストカットにはつながりますが、やはり不安に感じるのではないでしょうか。

 

テーブルの選び方


 

 

私たち家具蔵が店舗にいらしていただいたお客様にお伝えするのは、テーブルを選ぶときは必ず天板の裏を触り、触ってみて下さい、ということです。

どんなテーブルでも天板の表面は綺麗なはず。

天板の裏にこそ、それぞれのメーカーのこだわりが詰まっています。

徹底した乾燥と管理、熟練の職人技による「使いやすさ」を追求しながら高品質であるテーブル天板は、幕板などの補強材を必要としません。

また、天板の表面と側面、裏面の6面を同様な仕上げにすることにより、耐久性と快適性を高めています。

シンプルで使いやすく、それによって生じるスペースの無駄などを排除しているのです。

そのうえで、他のメーカーと比べても圧倒的に深いフィンガージョイントは上からの加重やパーツのズレ、段差を防いでくれる抜群の強度を持つものとなります。

そのうえで無着色で仕上げられたテーブルは、時間の経過とともに深みや味わいを増し、使うほどに愛着を感じることができます。

着色した家具や表面材を芯材に貼りつけた家具は、購入した時が一番良い状態です。

それからは着色した部分に傷がつくと芯材が見え、表面材が剥がれていきます。

お届け後からともに時を重ね、傷も味わいの一つになりながら世界に1枚だけのテーブルに育ちます。

 

ご興味ある方は家具蔵各店にお越し頂いて、丁寧に仕上げられたテーブルと、その裏面や側面の裏を触ってみて下さい。

職人の手仕事が生きた最高の手触りと、無駄をそぎ落としたシンプルな構造をご覧いただけます。

スタッフ一同、ご来店をお待ちしております。

 

家具蔵の無垢材テーブルのラインナップはこちらから

 

家具蔵の無垢材テーブルのある暮らしの事例はこちらから

 

 

 


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