無垢材家具は「無着色」で活きる
2020.1.20
「無垢」という言葉自体、日常の生活であまり使わない言葉ではないでしょうか。
言葉を直訳すると「垢が無い」となります。
意味を聞かれてちゃんと答えられる人は少ないかもしれません。
一般的に使うとしたら、例えば「純粋無垢」という言葉があります。
これは、心身が汚れていないこと。
うぶで世間ずれしていないということです。
それが「無垢材」となると、いわゆる「木そのもの」という意味を持ちます。
つまり「無垢材家具」は植わっていた木を伐採し、 それを製材したままの材でできている家具ということです。
何十年、何百年生き抜いた木は自然からの貴重な贈り物です。
そんな貴重な木を木材として余すことなく活かすためには「無着色」であることが、無垢材家具を作る上での大きな条件となります。
無垢材家具が無着色であることの良さは、一体どんなことでしょうか。
無垢材・無着色家具の魅力をみていきましょう。
経年変化
経年変化とは長年使いこんだモノが色合いを深め味が出てくるといった、新品にはない魅力が増してくることをいいます。
様々な要因により色の変化が生じますが、最も大きな要因は光と言われています。
直射日光に当たることはなくても、時間の経過とともに少しずつその影響が現われてきます。
特に紫外線の影響は強く、木の成分のひとつであるリグニンと呼ばれる成分はとても敏感で光を吸収、分解します。
そのことが経年変化のひとつの要因です。
経年変化は木の種類によって様々です。
例えばアメリカンブラックチェリーは、初めは赤みをおさえた優しい色合いですが徐々に飴色に、そして赤褐色へと変化していきます。
その経年変化は美しく、色の移り変わりと共に光沢が強まり艶やかで高級感のある雰囲気を演出してくれます。
またモダンで落ち着いた印象のアメリカンブラックウォールナットは、はじめは濃い茶色、そして時間の経過とともに
明るくまろやかな茶色へと変化していきます。
無着色であると木目の美しさを活かし、家具としてだけではなくインテリアとしても長く愛用することができます。
メンテナンス
無着色の対義語は「着色」です。
なぜ着色をするかと言うと、着色を施したうえで生産される木の家具は大量に、そしてランダムに木材を買い付けます。木材の木目や色味がバラバラになってしまうので、上から色を塗り同じものであるように加工し、そのバラつきを隠しているのです。
そのため着色家具は使う年数が長くなればなるほど色が褪せ、傷がつけば地の色が見えてしまいます。
傷を付けないように暮らすのはそう簡単なことではないため、そこには相当なストレスがかかります。
またこう言った家具は、傷をきれいにする削り直しなどのメンテナンスが出来ないため、その劣化を防ぐことができません。
一方、無垢材・無着色家具であれば木材の持つ色をそのまま活かしているため、傷がついてしまってもその傷は目立ちにくく、削り直しなどのメンテナンスをすることも可能です。
傷がつくことに気をつけながら使うのではなく、その傷も思い出のひとつとして時間と共に歩んでいける。
それが無垢材・無着色家具の良さの一つです。
木目・木肌の温もり
無垢材・無着色の木材は、視覚的にも優しさをもたらします。
原木から製材された板の断面は、表情が一つとして同じものがありません。
木目の模様や、木肌の色の濃淡などには「1/fゆらぎ」と呼ばれる動きのパターン(自然界に普遍的にみられる現象で、人の心拍数や脳波の変化、浜辺に打ち寄せる波、そよ風など、あらゆる自然現象の動きの元となる)があります。
これが人の目に心地良い刺激を与え、リラックスさせてくれます。
更に木材の表面にあるミクロの凹凸は、太陽や照明などの強い光を分散し、人の目に最も良いとされる反射率50%~60%にまで抑えてくれます。
パソコンやスマホの画面などで疲れやすくなった目には、この木の穏やかな反射率が落ち着きをもたらしてくれます。
鉄やコンクリートなどは触れた際にヒンヤリとした感じがありますよね。
これは、物質に人間の対応が伝わり、触れた箇所から熱が急速に逃げていくためです。
これに対して、無垢材には、触れることで感じる温かさがあります。
木の優れた断熱性は、私たちの体から必要以上に熱を奪うことがありません。
私たちの身近にある木にはこれ以外にもたくさんの魅力があります。
木の家具を見て私たちがほっと安心するのも頷けるはずです。
そしてさらに無着色であることがその木材を最大限に活かすことができ、素材感などの風合いを楽しむことが
できます。
私たち家具蔵では無垢材・無着色にこだわった家具づくりを行っています。
皆さんも、家具蔵各店にて無垢材家具の風合いや色合いの変化など体感しにご来店下さい。
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