キッチン形状の特徴を知る その1
2020.2.16
マンションに限らず戸建ての場合でも、オープンキッチンがLDKの中心的存在となっているプランは、家具のお打合せの際に拝見する平面図の中でも定番の間取りとなっています。
実際、家にいる時にどこで多くの時間を過ごしているかと問われれば、リビング・ダイニングという方が大半で、更に家族のコミュニケーションを考えたとき、この結果になるのは必然なのかもしれません。
しかし、キッチンに対する考え方やそこでの過ごし方は実に様々です。
「設計の際にはオープンキッチンを勧められたけど、実際には料理の際のニオイや煙、油ハネが気になっていて本当は独立したキッチンにしたい」
という本音を伺うこともあります。
キッチンを作る時の基本の『キ』ともいえる「キッチンの形状」について、改めて考えてみることで、流行りや定番に流されない『自分のスタイル』を見つけて頂ければ幸いです。
キッチンのスタイルとは?
「アイランドキッチン」や「I型キッチン」というキーワードはなんとなく皆さん耳にしたことがあると思いますが、キッチン・作業台の形やレイアウトによってこうしたスタイルの名称がつけられています。
下の図はキッチンスタイルを大まかにまとめたものです。
これをベースに、
1.対面にするかどうか
2.オープンにするかどうか
3.ダイニング側とどういう関係のレイアウトにするか
という3つのポイントで考えていくことで、希望のスタイルに近づいていきます。
たくさん種類がありすぎて迷ってしまうという場合には、まずは一つずつステップを踏んで考えていくことが大切です。
1.対面にするかどうか
共働きで家にいる時間はできるだけ家族と顔を合わせられるように。
お客様がいらっしゃる頻度が高いので、キッチンにいても会話ができるように。
料理は臭いや油を気にせず集中してキッチンに立ちたい。
このようにキッチンに対する考え方は、それぞれのライフスタイルや考え方で大きく変わってきます。
まずは、対面キッチンにするかどうかという2択について、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上での判断が大切です。
対面式の特徴
・空間のつながりや統一感が得られる。
・スペースが広く見える。
・明るく視界が良い。
・キッチンからリビング・ダイニングが見えるため、家族の様子がわかり会話もしやすい。
・カウンターが広く料理の準備や片付けがスムーズ。
・常に見えるので、キレイにしておく習慣ができる。
・来客時も会話をしながらおもてなしの準備ができる。
・リビング・ダイニングからいつも見えてしまう。
・料理のニオイ・煙・音が広がる。
・ダイニング側への水ハネ・油ハネが気になる。
非対面式の特徴
・家族の生活時間帯が違っても、料理の音・ニオイが気になりにくい。
・料理や片付けに集中できるため、時短になる。
・水ハネ・油ハネを気にせず料理ができる。
・配置によってキッチンが、見えにくくできるため急な来客時でもあわてなくて済む。
・家族の様子が見えづらい。
・LDと離れたり背を向けたりすることになるので、家族とのコミュニケーションが取りづらい。
・集中できる反面、孤立感を感じることがある。
このようにそれぞれに良いところ・そうでないところがあります。
自分のライフスタイルを振り返りながら、これから新しい暮らしをどのようにアレンジしてきたいか、まずはイメージを作ることがファーストステップです。
2.「オープン」にするかどうか
対面式のキッチンの中でも、大きく分けていわゆるオープンキッチンというものと、セミオープンキッチンがあります。
オープンキッチンは名前のとおり、キッチンとリビング・ダイニングがシームレスに繋がるタイプ、そしてセミオープンキッチンの方はキッチンとダイニングの間に腰壁や一段高くなったカウンターなどがあるタイプです。
更にその中でも細分化されており、オープンキッチンの中でも、キッチン本体のどの面も壁についていないアイランドキッチンか片側が半島のように壁についているペニンシュラキッチンにカテゴライズされています。
また、セミオープンの中でもキッチン本体がI型のタイプとL型のタイプがあり、お部屋の間取りや広さキッチンを使う家族の人数によってもその使い易さが代わってきます。
I型のセミオープンタイプはマンションの間取りの中でも最も多くみられるタイプで、今の時代のライフスタイルの中で一番使いやすいと考えられているのかもしれません。
対面式のキッチンが主流となっているこの頃ですが、中には「料理中はあまり他の情報が目に入らないようにしたい」とか「水ハネや油ハネがどうしても気になってしまうから」という理由で、非対面式のキッチンを希望される方もいます。
この「非対面式」と呼ばれるものには、完全に部屋が分かれている「クローズドキッチン」とリビング・ダイニングと同じ空間にキッチンはあるけれども、反対側の壁を向いて設置する「壁付けキッチン」があります。
「キッチンを他の人に見られるのは抵抗がある」とか「揚げ物のニオイが部屋に残るのがどうしても気になる」という方は、完全に部屋が独立したタイプが向いています。
このようにキッチンを形状別に分けてみると、大まかに6タイプに分かれてきます。
次回はこの6タイプについて、それぞれの特徴と選ぶ際の注意点についてお話を進めていきましょう。
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