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知られざる銘木「ボセ」とは?

2020.5.11

 

世界中には様々な種類の木があります。

その中でも流通量が少なく、また希少で美しい表情も持ち合わせるものを「銘木」と呼び、昔から洋の東西を問わず人々を魅了しています。

誰でも知っているような「超メジャー」なものから知られざるものまで幅広く存在しますが、今回ご紹介する木は、どちらかというと「知られざる」に属するであろう、遠くアフリカ大陸に育つ銘木「ボセ」についてお話していきます。

 

 

資源の宝庫・アフリカ大陸


「アフリカ」というと、どのようなイメージが浮かぶでしょうか。

「地球最後のフロンティア」とも呼ばれるアフリカ大陸には、様々な資源の宝庫です。

それがいわゆる西側諸国からの搾取の対象ともなった一因でもありますが、現在も多くの分野で世界中から注目をされている場所となっています。

急速に発展をしつつある地域では(削除)あり、まだインフラ整備もままならない所もありますが、木材の他にも鉱物やエネルギー資源などの流通システムが徐々に開拓されつつあります。

その為アフリカ原産の資源は今や世界中から注目を集めているのです。

 

アフリカ原産の木材、その背景


アフリカ大陸は広大で、面積の広いサバンナ林や熱帯雨林地域帯に属する場所だけではなく、山地林、亜熱帯林、針葉樹と広葉樹の混交林や地中海に面した地域では地中海性樹林も見られます。

特に良質なアフリカ産の原木は中央アフリカから西アフリカに掛けて多く存在します。

丁度この地域は「サバナ気候」にあたり、乾季と雨季を繰り返す厳しい環境の中で生育している樹木です。

乾季に於いては降水量が少なく、根を張る地面の中で木同士が水争いを行い勝ったものだけが生き残ることが出来るという生存競争があります。

そのため密生して生えることもなく、木同士はある程度の間隔をおいた育ち方をしていくのです。

その過酷な競争を生き抜いた木は、材としての力強さも併せ持つ素材として欧州を中心に非常に人気の高いものとなっているのです。

日本での知名度は低くとも良質で大径木な原木が多く、色調も非常に豊かな樹木が生育しています。

 

「ボセ」という木


今回紹介する「ボセ」、いったいどんな木材なのでしょうか。

アフリカンチェリーという別名が示すように、その赤味を強く帯びた色あいが最大の特徴と言えます。

辺材と芯材ははっきりと区別され、この芯材がチェリー材とよく似ています。(ちなみに辺材=白太とのコントラストもその要素です)

このことからアフリカンチェリー、またはピンクマホガニー等とも呼ばれます。

 

アフリカ産の木は地域によって呼び名も変わります。

ボセという木は、他にもグアレア、ディアンビ、エバンベンバ、オボボなどが地域によって様々な異なる呼称が存在します。

元々ボセとはフランス語で「瘤(こぶ)」を意味する言葉で、この木の材面には「瘤杢」と呼ばれる非常に意匠性の高い杢が出ることがあります。

この瘤杢があるボセ材は特に希少な材として、非常に人気の高いものとなるのです。

樹高が30~50メートルとビル10~20階分の大きさに育つ木で、その大きさにも驚きます。

比較的湿った土壌成分のある場所を好んで生育する為、海岸平野や河岸の雑木林でも生育の報告があります。

先に述べた瘤杢以外にも波状杢理が出ることも多く、光の反射で立体的に浮かび上がる模様は、多くの人を魅了する木となります。

現地では高級家具材として使われるだけではなく、楽器の素材として用いたり、またその耐久性からボートの内装材にも使われています。

 

彫刻家も愛した木


20世紀のイギリス彫刻界を代表する彫刻家であるバーバラ・ヘップワース。

木や石に直接ノミをあてて彫る彼女の彫刻は、滑らかな優美な曲線を持ち、自然の情景を人間のフォルムの様に造形する作品が多く、モダニズム彫刻の先駆者として知られている芸術家です。

そんな彼女がボセの木肌と色合いを愛し、6点の作品を残しています。

代表的なものが1954年にヘップワースがギリシャから帰国した際に作られたコリントスという作品。

コリントスとは古代ギリシャの都市の名前から由来し、ギリシャの光と風景、また古代の芸術や建築といったものからインスピレーションを受け生まれた作品です。

ボセの丸太を二重らせん形状に掘り出してトンネル状にし、内部を白く塗装して外部とのコントラストを見事に表現しています。

この様にバーバラ・ヘップワースを筆頭にボセの持つ素材としての魅力は、ヨーロッパの多くのアーティストをも魅了してきました。

 

ボセのある空間


前述のようにアフリカンチェリーやピンクマホガニーと呼ばれるボセの風合いは、経年変化で少しずつ色の深みを増していきます。

アフリカ原産の木に特有な、雄大な表情を持ちつつも、どこか穏やかな木肌が無垢材家具に仕立てた時にも優しい風合いを表現してくれます。

同一空間にチェリー材(アメリカンブラックチェリー材)とボセ材を並べても、すんなりと溶け込んでしまう程の適応力は当然のことながら、ウォールナット(アメリカンブラックウォールナット)などの「黒」の度合いが強いものとも絶妙なコントラストを描きます。

ワイルドさと優しさが絶妙に混ざり合う表情を持ったボセ材。

欧州のみならず、これからは日本の住まいの中でも注目をされていく銘木です。

家具蔵でも様々なサイズでこの「ボセ」の無垢材テーブル天板をラインナップしています。

家具蔵各店にてお待ちしております。

 

銘木「ボセ」の一枚板についてのラインナップはこちらから

 

 

 

 


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