デスクワークをもっと快適に 「差尺」と「パーソナルスペース」を知る
2020.6.29
現代人は1日の約60%を座って過ごす、といわれています。
特に日本人は座る時間が長いといわれており、シドニー大学が行った調査では世界20カ国の平均が1日約5時間であるのに対し、日本人は約7時間と座っている時間が非常に長いことが話題になりました。
これは、畳の文化だった日本人の生活様式の変化や、「働きすぎ」と言われるほどの国民性がゆえにこのような結果がでているのでしょう。
また、業種、働き方、ワークスペースの多様化に伴い「デスクワーク」をする機会が以前に比べ、増えているためともいわれています。
いわゆる「在宅勤務」をする機会も増え、自宅のワークスペースを見直す方が確実に増えてきました。
そこで今回は、デスクワークをもっと快適にするためのポイントとなる「差尺」と「パーソナルスペース」についてお話ししていきます。
差尺とは
長時間のデスクワークにより、肩こりや腰痛に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
立っているときは、ひざや股関節、足首などの関節がクッションの役割をし、負担が分散されているのですが、座っているときは腰に上半身の体重や負荷が全てかかる為、腰への負担が非常に大きくなります。
普通に座っているだけで、身体への負担は立っている時より約40%も増加し、背中や腰を丸めるようないわゆる「猫背」のような座り方になると、約95%も増加するといわれているのです。
そこで、デスクや椅子を選ぶ際には、重要になってくるのが「差尺」です。
差尺とは、「デスクの天板の高さ」と「椅子の座面の高さ」の垂直距離のことを指します。
差尺が小さすぎる=チェアの座面高に対してテーブルが低い、と足回りが窮屈なうえに、肩からデスクまでの距離が遠くなるため、前かがみになってしまいます。
その時、背中は椅子の背もたれから離れ腰への負担は計り知れないものとなってしまいます。
差尺が大きすぎる、つまりチェアの座面高に対してテーブルが低い場合は肩からデスクまでの距離が近すぎ、腕や肩が常に持ち上がったような状態になってしまいます。
これでは常に肩に力が入り、肩こりの原因にもなってしまいます。
つまり差尺が適正でないデスクや椅子を使用すると、どんなに良い椅子を使っても仕事がしづらく作業効率が低下するだけでなく、肩こりや腰痛など、体への負担も大きくなってしまうのです。
では、デスクワークに最適な差尺とはどのようなものなのでしょうか。
最適な差尺とは
一般的に、日本人の差尺の理想的な間隔は「28~30センチ程度」といわれています。
しっかりと椅子に座り、テーブルの上に腕を置いた時、肘が直角になる状態です。
座面の高さが42センチの椅子なら、デスクの高さは「70~72センチ」になります。
適した差尺は姿勢を保つことができ、体への負担を軽減させることができるのです。
パーソナルスペースとは
パーソナルスペースは、個人を意味する「パーソナル」と、空間を意味する「スペース」を組み合わせた言葉です。
つまり、パーソナルスペースは「個人の心理的な安全が確保できる空間」を意味しています。
パーソナルスペースが確保できないと、作業スペースの支障のほか、集中出来なかったり、落ち着かなかったりと作業効率を落としてしまうことになるのです。
例えば、満員電車などの人口密度が高い場所でイライラするのは、パーソナルスペースが侵害されるため。
ストレスを軽減して仕事をするためにも、パーソナルスペースの確保は重要なのです。
では、パーソナルスペースとは、どのくらいの範囲が適切なのでしょうか。
最適なパーソナルスペースとは
仕事におけるパーソナルスペースの範囲は、1m以上、3m以内の距離と言われています。
互いに声をかければ届く距離ですが、自由な視線が確保できることが快適なワークスペースといわれています。
また、対面にいる人とパソコン越しに目が合うと、気になってストレスになる人も多いかもしれません。
対面の人の視線を感じると、視界が不自由になり、捉えられたような気持ちになってしまいます。
対面は、緊張や圧力を抱きやすく、いわば「反論したくなる」席配置でもあります。
ただし、対立してでも議論をしたい場合は対面が向いており、むしろビジネスシーンでは一般的な配置です。
一方、横並びに座ると、視界は自由でありながら、目を合わせることもできます。
リラックスできて、相手に共感的になる配置です。
その為、親密になって、仲を深めたいときは隣に座るのが一番です。
そして、直角になる90度の位置に座ると、相談がしやすく、お互いを尊重しやすい傾向にあるといわれます。
カウンセリングの現場でも、多く用いられる配置になります。
急速に広まった「在宅勤務」は新しい働き方のスタイルとして定着しつつあります。
落ち着いてデスクワークできる空間がご自宅にある。
これは、日々の生活において大きなアドバンテージになるのではないでしょうか。
快適な暮らしを実現するためには、デスクとチェアの高さの関係はとても重要です。
人それぞれ身長や体格、そこでの過ごし方は異なります。
そのため、デスクやチェアの座面の高さを1cm単位で調整出来る、そんな家具店がお勧めです。
また、デスクとチェアの高さの重要性をしっかりと説明してくれて、お店で様々な高さが実際に体感できる家具店だと、より安心です。
家具はすぐに買い替えるものではなく、自分に合ったものを長く使う選び方に変わってきています。
家具蔵では経験豊富なスタッフがお客様一人一人の事情に合ったデスクやチェアのご案内を丁寧に行います。
在宅ワークの効率化を図るなら、お近くの家具蔵各店へお声がけください。
自分の体にフィットする!家具の選び方無料相談会のご案内はこちらから
関連する記事
最近の投稿
- ベッドフレームの「選び方」とは? 2024年10月29日
- キッチン収納の変遷の歴史を知る 2024年10月27日
- オーダーキッチンをキッチンリフォームにとり入れたい! 2024年10月25日
- よく耳にする「突板」とは何か?無垢材との違いは? 2024年10月23日
- 【吉祥寺店 定休日常設のお知らせ】 2024年10月21日
- ラウンドテーブルのサイズはどう決めるのか? 2024年10月19日
- ソファの張地は「布」と「革」どちらがよいのか? 2024年10月17日
- リビング学習の整備には部屋の環境の整理から! 2024年10月15日
- 「庭木」はどう選ぶ? 2024年10月13日
- 椅子は「座面に角度があるもの」を選ぶ理由とは? 2024年10月11日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,564)
- インテリア&住宅情報 (637)
- 人と木と文化 (396)
- ニュース&インフォメーション (439)
- オーダーキッチン関連 (405)
- 一枚板関連 (631)
- オーダー収納関連 (611)