ダイニングテーブルの奥行きの基準は?
2020.8.30
ダイニングテーブルは、暮らしの中心となり家の「顔」としての役割をも持つ重要な家具です。
それだけに家具を選ぶ時には、デザインだけでなく、サイズについても十分に検討したうえで決定する必要があります。
そのサイズを検討する際、幅のサイズはしっかりと検討されているものの、奥行のサイズはなんとなく選んでしまっていることはありませんか。
ダイニングテーブルの奥行には一定の基準があります。
その基準を理解したうえで検討されることが、失敗のない家具選びに繋がります。
今回はダイニングテーブルの奥行にフォーカスしてお話ししていきます。
「奥行が狭い」テーブル
ダイニングテーブルを設置する空間の中で、テーブルの奥行きを狭くすると壁までの距離や収納との間隔が空くため、部屋を広く見せることができます。
つまり、チェアの引きしろ(出し引きに必要なスペース)に余裕が確保できる利点があります。
しかし、この「奥行き」は「極端に狭いサイズにしない」ことが、使い易いテーブルのポイントなのです。
食事やPCなどの作業をする場合、個人の快適な作業性を高めるのに奥行き400ミリが必要です。
これを2人分にすると800ミリとなるのですが、基本的にはここを目安に極端に狭くしないことをお勧めします。
オーダー家具店では1㎝刻みで奥行きも変更できますが、4人以上が常時使うダイニングテーブルではおおよそ800~900、広いモノで1000ミリの奥行きが標準になっています。
当然、「長方形としての美しいバランス」も考慮されたものですが、それ以上に「使い勝手」や「距離感」が重要視されています。
向かい合った際の距離感が近くなりすぎてしまうことを避け、向かい合う人同士の足がテーブル下で干渉せず、安全性にも配慮された「根拠」があります。
互いの間に大皿を置く際の余裕も、この奥行きを適正なものにすることで叶います。
家具は暮らしの道具であると同時にインテリアであり、常に「見る」ものです。
あまりアンバランスなものはやはり見栄えが良くありません。
奥行きは向かい合う人が余裕を持って使用できるものを、そのうえで美しく見えるものを選ぶのが鉄則です。
奥行が「広すぎる」テーブル
奥行が広すぎると対面で座ると当然遠くなるため、会話がしづらくなります。
ダイニングテーブルは食事をする用途だけでなく、日常会話をするコミュニケーションの場です。
家族が集まり、会話がしやすい場所にしたいと思う人も多いのではないでしょうか。
また、奥行が広すぎるとテーブルの中央に料理を置いた時、腕を伸ばしても手が届かず椅子から少し立ち上がらなくてはなりません。
ダイニングテーブルを選ぶ上で最初に押さえておくべきポイントは食事をするときに必要な1人分のスペースです。
通常、横500ミリ×縦350ミリのランチョンマットの上に大小のお皿2枚、ボウル1つ、グラス1個の1人分の食事のセットを置くことが出来ます。
腕を動かすスペースやゆとりを考えると1人分の食事に必要なスペースは、幅500~700ミリ、奥行き350~500ミリです。
この基本的なサイズを把握しておきましょう。
椅子の引きしろや空間とのバランス
テーブルのサイズを考える際に、もうひとつ大切なポイントがあります。
それはテーブルを設置したい場所に、テーブルのスペースを確保すると共にテーブルの周りのスペースについても考慮できているか、ということです。
テーブルの周りのスペースが狭すぎると、立つ、座るといった動作がしづらくなり、心地よくテーブルを使用することができません。
テーブル周りの必要なスペースを生活動線(普段の生活で部屋の中を移動する経路)と言いますが、普段の生活を思い出しながらテーブル周りの生活動線が確保されているか考えていきましょう。
具体的な数値をみていくとチェアの引きしろの理想はテーブル天板の端から約800ミリ~900ミリ。
これだけあれば、アーム付きのチェアのスムーズな出し入れ、立ち座り、着座している人の後ろを別の人が通過する、ということをスムーズにこなすことができます。
また壁やキッチンに対してどのように家具を配置するのか、部屋との関係性も踏まえレイアウトを考えましょう。
テーブルのサイズを選ぶ際は、利用用途や人数に合わせたサイズの想定、テーブルを置く部屋の広さに加えてテーブル周りのスペースも考慮して考えると、暮らしに合ったダイニングテーブルを選ぶことができます。
いかがでしたか。
ダイニングテーブルの奥行は、人が食事をする際に必要なスペースと生活動線を考慮したサイズを選びましょう。
ご自身のライフスタイルを思い浮かべながら、基準に沿ったバランスよいサイズを選ぶのが最適と言えます。
家具蔵では、住まいの空間の間取りから最適なテーブルサイズを割り出し、レイアウトをご案内します。
そしてテーブルのレイアウトだけではなく、お持ちの家具との相性や配置、照明や観葉植物に至るまで、空間全体を捉えたご提案を行っております。
テーブルのサイズのご提案だけではない、空間提案を一度ご体感ください。
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