長く使うことのできるダイニングチェアの選び方
2020.9.10
最近では諸般の事情で「おうち時間」が増えたことから、自宅で長く過ごされる方も多いのではないでしょうか。
「在宅勤務」や「テレワーク」など、自宅でお仕事をする場所としてダイニングを使われているケースも多いかもしれません。
今までダイニングでは長い時間過ごしていなかったという人も、長時間ダイニングチェアに座って仕事をしていると椅子の座り心地が悪いな、と感じられる事もあるかもしれません。
そもそもダイニングですから食事をする際のシチュエーションから家具選びをすることが当たり前です。
ただ最近は食事以外のダイニングでの時間の過ごし方に注目が集まっています。
・食後に家族団らんの時間を過ごす
・知人や友人を招いてお茶をする
・お子様のリビング学習の一環としてダイニングで勉強をする
・先に述べた自宅で仕事をする場所として使う
など、ダイニングに求められる意向も様々に増えています。
そのような居場所として自分が座る椅子に何を求めるかという部分を見過ごしてしまうと、ダイニングは居心地の悪い空間となってしまうのです。
それくらいダイニングチェア選びは重要視していかなければならない点となるのです。
ダイニングチェアの種類
一般的にダイニングに合わせるチェアにはどの様なタイプがあるのでしょうか。
●アームレスチェア
肘掛のない椅子の総称ですが、肘掛けがない分、椅子からの出入りがしやすいチェアです。
非常にポピュラーなスタイルなので、デザインも豊富に存在します。
●アームチェア
アーム部分に腕を乗せることで更に体圧分散力が高まり、長時間座りやすい椅子となります。
テーブルからの立ち上がりの際にも、アーム部分を支えとして立ち上がりができるので、特に高齢者の方でも姿勢の安定性が保てます。
●ベンチ
長いすとして複数人が横並びに座ることが出来る特徴があります。
複数人が座るためには座面がフラットである事が必要です。
その為、体圧分散力は通常のチェアに比べて高くはありません。
●ソファタイプ
リビングと兼用でソファとダイニングテーブルを合わせる趣向もあります。
ソファの中でもリラックス重視のソファはクッション力、また背もたれの傾斜もついているとダイニングで食事をする姿勢には向いていません。
ソファタイプを選ぶ場合は、フォーマルに座れる固めな座面と、お食事などをこぼしてしまっても拭き取りが簡単に出来るようなメンテナンスの良いものを選びましょう。
いずれの場合も、まずは実際に座ってみて体にどの様な負担が掛かるのかを見極めることが大切です。
体型に即した形状を選ぶ
チェアは体を支える部分がどれだけ多いか、また体の形状にどれだけ負担が掛からないかを見ていく必要があります。
例えば背もたれに真っすぐな棒状のフォルムを持つチェアがあったとします。
一般的にはスポークチェアと呼ばれるデザインです。
シンプルなデザインで世の中には沢山の種類が存在します。
しかし真っすぐな棒で作られチェアは、座り心地が良くありません。
何故かというと、人の体は曲面形状だからです。
つまり背中が当たる面は人体工学に基づいた曲面で作られることで、体に当たる負担を軽減し長時間座っていても痛くなりません。
また座面も同様です。
座ることで上半身からくる荷重は座面に当たる臀部や太ももの裏側に掛かってきます。
例えば座面が真っ平な形状の場合、人の体で出っ張る臀部や太ももの裏側のごく一部に荷重が掛かってしまいます。
その為、血流にも負担が生じ長く座り続けることが苦痛になっていきます。
その事から、体にあたる部分がどれだけ多く取れる形状になっているかを実際に座って確かめてみましょう。
もう一つ大切なことがチェアの座面の高さです。
折角、背当たりや座当りが良いチェアでも座面の高さが高いと足が床に付かなくなってしまいます。
チェアのゆったりと座り(背もたれにしっかりと背中を付けた状態で)、床に踵が付く事で、足裏全体から均等に力が床に伝わります。
家具店でチェアを試座する際は、ぜひ靴を脱いで確かめてみましょう。
お店で座った時には感触が良かったのに、実際に家で使ってみると何かが違うと感じることはありませんか。
これは靴を履いた状態で体感してしまうという良くある失敗例です。
勿論人によって体型も違いますので踵が付かないこともあるでしょう。
その時にはチェアの脚をカットして調整できるものを選びましょう。
素材とディテールも重要
また、ダイニングチェアの素材もこだわるべきポイントです。
木製のダイニングチェアといっても、無垢材(原木=丸太から切り出したままの自然な状態の木材)か、合板(ベニヤ=木材から薄く剥かれた「単板」のこと、を何枚か積層して接着したもの)かで異なります。
また、その木の種類もナラ、ウォールナット、メープル、チェリーなど多くの種類があります。
家具蔵のチェアは無垢材無着色、つまり素材の持ち味を余すことなく活かすつくりです。
また、選ぶことのできる樹種も常時8種類を数えます。
樹種によって色合いが異なってくるだけでなく、その木目もそれぞれに特徴があるため、あらかじめどのような材質なのかを理解しておくことが重要です。
例えば、ウォールナットの色合いは独特な濃色です。
家具にすると男性的、もしくはラグジュアリーな雰囲気が引き立ちます。
部屋を重厚な雰囲気、落ち着いた雰囲気にしたい場合にはうってつけです。
逆に、メープルはその色味から爽やかで清潔感のあるダイニングが演出できます。
このように、木材によって特徴は様々です。
自分の好みにあったものがどれなのかをしっかり見極めることが肝要です。
続いてチェックすべきポイントは、ディテールです。
デザインが全体の雰囲気を決するのに対して、ディテールは細部の造形を決定づけるものです。
細部の装飾やフォルムを印象付ける造形もしかりですが、細かなつくりもしっかりとチェックしましょう。
椅子は耐久財であり、長く使用するものです。
パーツの接合や細部のこだわりなど、長く使うことを実現するためにどういった工夫がされているか販売スタッフに都度確認し、納得できるものを選ぶことが失敗しないダイニングチェア選びのために大切なことであるといえるでしょう。
メンテナンスが可能なこと
ダイニングチェアの選び方の最後のポイントは、メンテナンス性です。
耐久財とはいえ、使用する月日が増すごとに状態が変化するのは当たり前のこと。
修理したいと思ったときにしっかりと修理ができる体制が整っているところで購入するのはたいへん重要です。
せっかく愛着を持って使用しているのに直すことができないのは悲しいものです。
家具蔵の家具は無着色であり、暮らしの中で付いた傷も目立ちにくく、また、工場直営ですので張地の張替えなども問題なく対応できます。
長く使用できること、それに加えて何かの際の体制も整っているところでの購入がおすすめです。
いかがでしたでしょうか。
チェア選びには様々な複合的なポイントが存在します。
昨今のダイニングでは家族それぞれ違うデザインを選択することも少なくありません。
それは人によって感じ方が様々に違うからなのです。
一つの椅子の形に自分自身の体を合わせるのではなく、自分にあったチェアを選ぶこと。
座り心地の良いチェアを使うと、自然とダイニングで過ごす時間も長くなります。
家具蔵各店では、チェア選びのプロがそれぞれの方に最適なものをご提案いたします。
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