ウォールナットのスツールとベンチを選ぶ
2020.10.1
「超」がつくほど有名といっても過言ではない「ウォールナット」。
その風合いが持つ精悍さは他の樹種とも一線を画し、その色調はどんな空間にも違和感なく馴染みます。
また、その堅牢性や適度な重量感、そしてなんといっても空間に「格」を与えてくれる存在感はまさに唯一無二です。
空間の場所を選ばず、置くだけでいつもの空間を格上げしてくれるウォールナット。
ダイニングテーブルや収納家具などのいわゆる「大物」家具の素材として用いるのも良いですが、スツールやベンチといった「脇役的存在」の家具でウォールナットを採用することも、様々な面でメリットがあります。
今回は世界屈指の銘木「ウォールナット」のスツールやベンチとしての取り入れ方にフォーカスしてお話ししていきます。
スツールとベンチ
「スツール」とはおおまかに言うと「背もたれの無い椅子」を指します。
様々な形状、仕様のものがあり、座るという本来の目的以外での用途(テーブル代わりや飾り台など)やリビングダイニングだけでなく、玄関・キッチン・寝室、あらゆる場所で活用できる万能家具です。
「ベンチ」にも多くの種類が存在しますが、使いやすいのはやはり「背もたれが無いもの」でしょうか。
ベンチは「長椅子」と別称される、つまり「長い椅子」です。
背もたれが無いものは横だけでなく、後方からの出入りが可能になり、立ち座りが容易になります。
また、背もたれの無いベンチはいわば長細いリビングテーブルのようなもの。
ソファの前に置いて来客時には本来の目的である椅子として活用する、カウンター下や腰窓下の飾り台として活用するなど、様々な使い方があるのです。
ウォールナット
ウォールナットは数ある家具材のなかでも特に有名な存在です。
ウォールナットの特徴である紫がかった美しい暗褐色は空間に「落ち着き」と「品格」を与えてくれます。
また、ラグジュアリーな高級感も併せ持っています。
ウォールナットはクルミ科の広葉樹。
そのなかでも家具蔵でも採用する「アメリカンブラックウォールナット」がいわゆる代表的で、且つ重用されています。
世界に200種以上あるウォールナット材の中ではもちろん、現存する木材の中でも最高ランクの評価を得ているこの木材は、「家具材のロールスロイス」とも呼ばれ、チェアやテーブル、キャビネットといった家具や世界の高級車のウッドパネルなどに使われ、人々の憧れの的となっています。
アメリカンブラックウォールナットは主にアメリカ北東部から五大湖周辺に群生しており、日がよく差す肥沃で湿った土壌を好む木です。
まるで水墨画を思わせる、墨を流したような木目が和洋問わず、あらゆる空間に合うものとなるでしょう。
時折表れるさざ波状の杢や小枝の痕跡なども、まさに「ならでは」の表情を見せてくれます。
ウォールナットのスツールやベンチを取り入れる
このように空間に特別な印象をもたらしてくれるウォールナット。
そんな木材を取り入れるなら住まいも立派だったり、それなりのものでなければいけないのでは?と考える人もあるでしょう。
もちろん、内装や調度品が美しい室内にウォールナットの家具が入ることはその高級感をさらに上げてくれる役目を果たしてくれます。
ですが、いわゆる「普通の空間」にこそ、ウォールナットの家具を取り入れる意味があるのです。
それは先述したウォールナットの持つ高級感に由来します。
この「高級感」がいつもの空間の格を一段も二段も上げてくれるのです。
ダイニングテーブルや収納家具といったサイズの大きな家具を取り入れるには、それなりに準備が必要です。
ですが、スツールやベンチといったサイズの小さなものを取り入れるのはそれほど難しくないはず。
ウォールナットの家具を取り入れるハードルを下げてくれる、そんな存在でもあります。
ウォールナット材の家具のコーディネート
冒頭でお話ししたようにウォールナットの持つ色調は空間を選びません。
明るい内装ならメリハリを、落ち着いた内装なら統一感を、和室にだってその水墨画のような木目は好相性。
そんな万能性を持つウォールナットなら、すでに他のインテリアもあり、出来上がった空間に取り入れてもすっと馴染んでくれるはずです。
また、ファッションでもそうですが、ワンポイントで色調の濃いものを持ってくることで全体の見た目の引き締め効果を狙うことができます。
インテリアにおいて同じ役割をウォールナットのスツールやベンチに求めることができるのです。
家具蔵のスツールとベンチ
家具蔵のスツール、そしてベンチは無垢材で製作します。
無垢材の「無垢」は純真無垢の「無垢」などでも使われる言葉ですが、総じて「そのもの自体に混じりけの無いもの」のことを指します。
つまり人工的に何かをつけ足して作ったものではなく、ありのままの素材そのもののことです。
ありのまま、ということは木が育った成長過程をそのままに活かしてあげることで、唯一無二の木目や質感が味わえるものです。
無垢材は乾燥・加工に時間と手間がかかります。
木を知り尽くし、木を扱える熟練の職人でなければ、木の動きを読むことができません。
従って、扱いが非常に難しく、かつ現存する保有数からも極めて希少性の高い材料となります。
そんな無垢材は、現地から目利きが厳選した原木を買い付け、長く確実な乾燥期間を経て、熟練の職人たちの手仕事によって家具となります。
丸みを持つ人の身体を意識した座面の形状と木組みでつくる頑強なスツールはいわゆる「ちょっと座り」のものとは一線を画した座り心地と耐久性を誇ります。
ベンチにしても、テーブルと同じ厚みを用いて様々なデザインでラインナップ。
サイズ選びも自在です。
そしてそれらはすべて「無着色」でつくられます。
無垢材が本来持つ経年による色合いの変化を楽しみ、それによって風合いが増すことや、傷みすらも味になること、そしてそれらを削って修復することを可能にする手法です。
ウォールナットは使い込むうちに色合いがやさしく、まろやかに変化します。
木組みでつくられた高耐久のスツールやベンチなら、その過程をじっくり楽しむことができるというものです。
ウォールナットは、使い込めば使い込むほど光沢が増し、より魅力的な素材となります。
いつもの暮らしの一角に高級感をもたらしてくれるウォールナットの無垢材スツール、そして無垢材ベンチ。
無垢材家具の入門編としても最適です。
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