チェリーのスツールやベンチを暮らしに取り入れる
2020.10.6
家族のかたちや暮らしのスタイルも昔とは変わってきている、といわれて久しくなっています。
パートナーと2人で暮らす、もしくはシングルライフを楽しんでいる、といった人も多くなっている中で、ダイニングテーブルを選ぶ際には必ず「合わせのチェアが4脚ある」という必要は必ずしも無くなってきました。
そうはいっても来客などを考えた場合にいわゆる「予備の椅子」は考えておきたいもの。
今回はそんな場合に必要なスツールやベンチについて、それをチェリー材で製作することでのメリットなどをお話ししていきます。
スツールの特徴とメリットは
スツールは背もたれがない椅子のことを指しており、座面と脚のみで構成されているスタイルが大きな特徴です。
背もたれがないことからチェアとは別物として考えられており、座面が丸い形をしているものもよく見られることから丸椅子、と称されることもあります。
そんなスツールの種類はいくつかあり、折り畳みタイプのものやカウンターバーなどで利用されている脚が長くて座面が高いハイスツール、ハイスツールとは逆に座面が低いミニスツール、積み重ねて収納することができるスタッキングスツールのほか、台所で利用されているキッチンスツールなどが代表的です。
いずれのスツールのタイプも見た目などのデザインの面ではそこまで大きな違いはないものの、カラーリングや素材によって印象が異なってくるものが多くあります
そんなスツールの使われ方としては、やはりチェア同様に座る目的であること。
ただチェアがゆったりくつろぐ目的で座る家具であるのに対して、スツールはあくまでも一時的に座る家具として用いられていることが多い傾向があります。
そのため座面はシンプルな素材や構造となっているものがほとんどで、ちょっとした腰掛けとして利用する家具というのが一般的な認識です。
コンパクトなサイズのものであれば子供用の椅子として用いる家庭もあるほか、来客用の簡素な椅子・バーベキューなど屋外で利用するための椅子などの役割を担っています。
本来の目的外のインテリア家具としても、植物や花を設置するための花台やソファやベッドの近くに置いてテーブル代わりに活躍していることも多く、背もたれがなくコンパクトサイズのものが多いことから狭い場所にも設置できる点が魅力です。
ベンチの特徴とメリット
今回は家具蔵でも取り扱う「テーブルがそのまま小さくなったようなベンチ」に限定してお話しします。
ベンチは背もたれがなく高さが無い為、圧迫感を軽減し空間を広く見せる特徴があります。
しかも、上記のように状況に応じてたくさんの人数が一度に座ることができるのも魅力の一つです。
家族が多い家では一人掛けの椅子をたくさん用意するよりも、ベンチを置いた方が利便性が良いというのも頷けます。
「一人に対して一脚」がダイニングチェアの当然の鉄則ですが、ベンチは詰めれば2人掛けに3人、3人掛けに4人と融通が利くことはメリットのひとつです。
また、スツール同様、いやそれ以上に「座る」以外の目的でも重宝してくれます。
共働きのカップルの帰宅時のカバンの一時置き場、来客時のクローク的に、カウンター下や腰窓の下で飾り棚として、そしてソファの前のコーヒーテーブルやテレビボードにも。
通常のリビングテーブルではソファとテーブルの間、テーブルとテレビボードの間を回遊するのにスペースが少なくて通りにくい場合もあります。
ですがその場所にベンチを配置すれば、通常その奥行きが400ミリ程度に設定されているのでスペースが拡がり、ぐっと回遊しやすくなります。
本来座るためのものですから、高さも400ミリから450ミリ程度のものが多く、リビングテーブルとしては申し分ない高さです。
来客時にはテーブルに移動させれば「一台二役」の家具となります。
また、壁掛けテレビや録画・再生機能付きのテレビの場合、AVデッキが不要になり、通常の箱型のテレビボードでは少々オーバースペックになることも。
ただ、テレビを床に置いたり、壁掛けでもその下に何もないのはやはり寂しいもの。
そんな時、ベンチを活用することで空間にしっかりと重心が生まれ、全体のバランスが良くなります。
そんな使い方ができるのはベンチの良いところです。
チェリー材とは
無垢材家具の中でも人気の高いチェリー材。
名前だけでも聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
「チェリー」といういわゆる「通り名」で知られていますが、正確には「アメリカンブラックチェリー」という名称です。
日本でも家具をはじめ、建材などに多く使われていますが、産地は北米。
東部全域(ペンシルバニア、バージニア、ウエストバージニア、ニューヨークの各州)に及びます。
現在、北米大陸には約30品種のサクラ類がありますが、その中でも絶大な人気を誇り、現代の最高の木材のひとつとして君臨しているのが、アメリカンブラックチェリーです。
そんなチェリーの特徴はまず、「経年変化による色合いの変化と柔らかい肌触り」が挙げられます。
無垢材無着色の木材は年月とともに使い込んでいくうちに深みが増し、色合いが豊かに変化していきます。
これを「経年変化」といいます。
チェリー材はその経年変化の度合いの深さが大きな特徴のひとつです。
はじめは淡い薄桃色であることが多いのですが、歳月を経ていくなかで紫外線の影響などにより飴色に近い濃い赤褐色になり、ずいぶんと印象が変わります。
その劇的な変化から「使い込むほどに風合いを増す」という無垢材ならではの特性を手に取るように実感することができます。
また、チェリー材の材面は緻密で滑らかな木肌を持ち、日々の拭き掃除などだけで美しい光沢感を得ることができます。
ついつい触ってしまいたくなる滑らかな木肌は、毎日の暮らしの癒しになってくれる存在です。
そのうえで「空間コーディネートの万能性」も魅力のひとつです。
同じ色合いの床や壁、家具で揃えるのはコーディネートの鉄板。
そのうえで雑貨などのインテリアアイテムを上手く使いながら、色味や風合いに変化を出し、空間にメリハリを出していくのが王道です。
しかし、意外とこれが実際なかなか上手くいかないもの。
前述のように無垢材のチェリー材であれば色合いが段々と変化します。
その温かみや華やかさがありながらも合わせやすい表情は空間を選びません。
インテリアに凝り過ぎなくても、空間に彩りと自然の風合いを与えてくれます。
やさしい雰囲気を空間にもたらし、そのうえで主張しすぎることなく調和してくれます。
チェリー材のスツール&ベンチを選ぶメリット
チェリー材でつくるスツールやベンチ、無着色の無垢材家具なら、その表情は「赤」と表現して差し支えないものとなります。
この色合いは経年変化により生まれるもの。
それは愛着と風合いを生み出し、長く使うことができるものとなるのです。
スツールやベンチは基本的にそんなに大きいサイズにはなりにくく、仮に住まいが変わったとしても間違いなく持っていける家具です。
そうしたものはやはり長く使うことで傷みが目立つものではなく「良い味」が出るものがほしいもの。
チェリー材でつくるスツールやベンチはそうした条件を満たしてくれます。
また、チェリー材の持つ赤の表情は空間のなかで良いアクセントとなってくれます。
特に白やナチュラル基調の空間ではその色合いがワンポイントで入ることで互いが引き立つ良い組み合わせになります。
玄関などで使う際にもその色味が暗くなりがちな空間に華やかな雰囲気を与えてくれます。
全体をチェリー材で統一させるのももちろん素敵ですが、このようにワンポイントで使う場合でもチェリー材は非常に有能な素材といえます。
長い期間使用することで色味の変化を楽しめることも、チェリー材のスツール、ベンチの魅力といえるでしょう。
スツールやベンチといった椅子類は、常日頃から使用する頻度も多く、愛着の湧きやすいインテリアといえます。
そうしたインテリアには少しでも自身のこだわりを反映させたいところ。
こだわりのチェリー材のスツールやベンチを使うことで、日々の暮らしがワンランクアップすること間違いなしです。
関連する記事
最近の投稿
- チェリー材の家具を選ぶ際には“ここ”を見る 2024年11月20日
- “重たく見えない”無垢材家具の取り入れかたとは? 2024年11月18日
- “サステナブルな”家具選びとは? 2024年11月16日
- 年末年始営業と価格改定のお知らせ 2024年11月14日
- ダイニングテーブルの高さの「標準」と「適切な高さ」は違う? 2024年11月12日
- リビングテーブルは使い方や空間に合わせて選ぶ 2024年11月10日
- “一脚あると便利”なスツールはこう使う! 2024年11月8日
- ダイニングセットを購入するなら“椅子から選ぶ”その理由とは? 2024年11月6日
- キッチン収納 “スライドレール“の違いや構造とは? 2024年11月4日
- 「良い家具を選ぶと長持ちする」と言われる理由との選び方とは 2024年11月2日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,573)
- インテリア&住宅情報 (639)
- 人と木と文化 (397)
- ニュース&インフォメーション (440)
- オーダーキッチン関連 (406)
- 一枚板関連 (635)
- オーダー収納関連 (617)