「一枚板テーブル」と「その他の無垢材テーブル」その違いとは?
2020.11.9
数ある家具のカテゴリーの中でも定番中の定番である、「テーブル」。
様々な素材があるなかでもっともポピュラーなのはいわゆる「木のテーブル」でしょう。
一言で「木のテーブル」といっても「無垢材テーブル」「木質テーブル」「木目のあるテーブル」「木の色に塗装したテーブル」、こうしたものが一緒くたになって「木のテーブル」とも呼ばれています。
そのなかで「無垢材のテーブル」が欲しい、という方は明らかに多くなっていますが、まず、この「無垢材のテーブル」と「その他の木のテーブル」でどのような違いがあるか、から今回のコラムは進めていきます。
無垢材と合板物の違い
木のテーブル、すなわち木目のあるテーブルの材料を簡単に分けると、「無垢材、天然木」と 「木質系の加工材料」の2種類があります。
無垢材とはつまるところ、天然木そのもののことをいいます。
「木そのまま、木そのもの」であり、わかり易く言うと丸太の木から伐り出した板材のことです。
無垢材は乾燥・加工に時間と手間がかかります。
木を知り尽くし、木を扱える熟練の職人でなければ、木の動きを読むことができません。
従って、扱いが非常に難しく、かつ現存する保有数からも極めて希少性の高い材料です。
一方、木質系加工材の代表である合板は、大量生産が可能で扱い易く、同じものを安価に作ることを目的としています。
合板とはベニヤ(木材から薄く剥かれた「単板」のこと)を何枚か積層して接着したもののことです。
その表面に化粧シートや、突板を圧着し加工した工業製品が「木質系加工材のテーブル」です。
木質系の加工材料を使用している家具はコストパフォーマンス、量産を目的としています。
ただし無垢材とは木の質感や温もりが違います。
本物志向が強まる中、無垢材に着色しない無着色で作られたテーブルは 「一生ものの家具」として多くの人を魅了しています。
その無垢材テーブルにもいくつかの種類が存在します。
それが「一枚板テーブル」と「そのほかの無垢材テーブル」です。
一枚板テーブル
一枚板とは、高樹齢で大きく育った1本の木から無垢材を切り出し、それを繋ぎ合わせることなく仕上げた、一枚の板・天板のことを呼びます。
「世界にたった一つしか存在しない」唯一無二の希少価値があり、その木の生物としての生きざま全てを感じることもできるのが大きな魅力です。
従来のダイニングテーブルのようにきっちりと測った長方形でない天板は、自然木の持つ美しさを十分に感じさせる仕上がりとなっています。
自然の木目や節穴、木の曲がり具合さえそのまま使用されているダイニングテーブルは、自然界で息づく樹木をそのまま部屋の中に持ち込んだようなインテリアとなります。
強い存在感を感じさせる一枚板の家具ですが、そのインパクトの強さから、部屋に置くことで他のインテリアとの調和がとれないのでは?と思う方もいるようです。
ですが、実際に一枚板の家具を使われている方の中では、不思議とどんな部屋に置いても違和感がない、という意見が多く、自然の素材をふんだんに使って建てられる日本の家屋に馴染むのは、考えてみればごく当然のことと言えるのかもしれません。
その他の無垢材テーブルとは
もちろん、一枚板だけが無垢材テーブルではありません。
様々な発想、手法から多くの魅力的な無垢材のテーブルが生まれています。
例えば「共木(ともぎ)」のテーブル。
一枚板が大自然の生み出した奇跡の芸術品であるなら、こちらは現代の名工(職人)が作り上げた奇跡の工芸品と言えるでしょう。
共木とは、いわゆる「同じ木」のことで、同じ木から採ったパーツを使用して家具を製作することを共木つくり、といいます。
通常、板と板を接ぎ合わせてテーブルを製作する場合、それぞれの板は別々の木から採られることがほとんどです。
そこで生まれる木目や色合いなどのギャップが無垢材家具の「らしさ」でもあるのですが、共木のテーブルは同じ木からパーツを採るので同じ(ような)木目や色合いで揃えることができるようになるのです。
共木の無垢材テーブルで、もっとも有名なのは「ブックマッチ」という二枚接ぎの天板を用いて作るものです。
ブックマッチとは、一本の原木から製材された隣り合う上下2枚の板を表と裏、互い違いに接ぎ合せた天板のことを指します。
まさに、本を開くかのように材を取るので、木目と輪郭が美しい左右対称形になるのがブックマッチの魅力です。
ブックマッチテーブル。木目が左右対称。
このブックマッチ天板を作り上げるには一本の原木から2枚以上の状態の良い幅広材が採れることが必須条件。
それがさらに隣り合った際に左右対称に見えるものとなれば、それは一枚板を採るのと同等、またはそれ以上に希少で難しいこと場合もあります。
それでも、家具蔵の職人たちがそんなに難しい共木づくりの無垢材テーブルにこだわるのには訳があります。
一枚板を探したことがある方なら、こんな経験ありませんか?
「木目も形状も良い一枚板なのは間違いないのだけれど、奥行が狭くて使いづらそう…」
家具はインテリアであり、その見た目もたいへん重要ですが、同時に「道具」でもあります。
家具蔵には、
「家具は、使う人にとって生活の道具として役に立たなければならない。」
という、創業以来ずっと守り続けてきたこだわりがあります。
一枚板にこだわって、奥行の浅いテーブルばかりを並べるのはそのはこだわりに反してしまいます。
使う人の役に立てて、なお且つ一枚板のような高樹齢の魅力を存分に楽しんでいただけるモノを作りたい。
その気持ちと木に対する知識や技術を駆使して作り上げたのが、共木づくりの無垢材テーブルなのです。
一本の原木から一枚のテーブル用天板を作り上げ、用途や大きさに合った脚をご提案しダイニングテーブルに仕立てる。
これが「無垢材テーブルヴィンテージ」です。
さきほど、無垢材テーブルヴィンテージのことを芸術品ではなく「現代の名工(職人)が作り上げた奇跡の工芸品」と表現したのは、美しさと機能を備えたモノということをお伝えしたかったため。
一枚板というキーワードでインターネットや実店舗で探していると、見落としかねない「共木」という言葉。
キーワードとして覚えていると掘り出し物に出会える機会も増えるでしょう。
一枚板や共木づくりの無垢材テーブルは、高樹齢のものが使われていることで、木目や杢、耳の自然形状などを重視して選ばれる方が多い無垢材テーブルです。
その一方で、サイズや形にこだわりたい方も多いでしょう。
無垢材ラウンドテーブル(円形)、無垢材オーバルテーブル(楕円形)、無垢材スクエアテーブル(正方形)などなど…。
配置場所のスペースに合わせて、奥行方向をあと50ミリ短くしたいとか、サイズを指定したオーダーテーブルにしたい方。
ここまで探す範囲を広げる場合は、「無垢材ダイニングテーブル」をキーワードにしましょう。
家具蔵でもニーズに合わせて、細かなサイズ設定も可能な中で最適なデザインのものをご提案しています。
無垢材テーブルには、様々な種類があり、それぞれに魅力があります。
今日のコラムを参考にしていただきながら、自分のこだわりに合った無垢材ダイニングテーブルを探してみてください。
家具蔵でも、どんなこだわりポイントにも対応できるようにして、皆さまのお声掛けをお待ちしております。
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