一枚板テーブルの選び方のポイントは?
2020.11.21
ダイニングテーブルは普段の生活に欠かせない道具である一方、家族の団欒やゲストのおもてなしの場にもなり、いわば住まいの「顔」となる家具だといえます。
日本では古くから「客間」「応接間」と呼ばれる、ゲストをもてなすための個室を普段の生活とは別に設けるスタイルが主流でした。
現代の暮らしではいわゆる「寝食分離」がなされているため、リビングもしくはダイニングでゲストをもてなす方が大半です。
昔の応接間と違い、ソファはコミュニケーションをとるためではなく、主にテレビを観るために配置されている方が大半の為、親密なコミュニケートを目的としたゲストのおもてなしや普段の家族での集いは必然的にダイニングがメインとなってきます。
そんな住まい手にとって重要なアイテムであるダイニングテーブル選びは、住まいの居心地の良さや価値を決める重要なアクションです。
そんな場所に使用するテーブルは無垢材、それも「一枚板」のものが人気を博しています。
そこで注目度がますます高まっている、一枚板テーブルの選び方についてお話ししていきましょう。
一枚板テーブルの魅力とは?
「一枚板テーブルは高級で自分たちにはちょっと…」
そんな印象を一枚板テーブルにお持ちの方もいるでしょう。
たしかに一枚板テーブルはその出自から希少なことは間違いありません。
いわゆる量販店で購入するような合板物のテーブルとは価格帯も異なります。
だからといって一枚板テーブルは敷居が高い、そんなことはありません。
もっと気楽に、より身近な存在として一枚板テーブルを選択肢に入れてもらえれば、私たち家具蔵はそう考えます。
そんな一枚板テーブルの魅力についてお話ししていきましょう。
「一枚板」とは立木の状態ともいえる原木から製材をした一枚物の製品を指します。
一般的な家庭で使用するダイニングテーブルのサイズはおおよそW1200~W2100mm。
奥行はD800mm~900mm程度は必要です。
D800mmのダイニングテーブルを一枚板で製作するには、単純にそれ以上の太さの原木が必要になります。
その上、乾燥の工程のなかで使用できない部分が必ず出てきます。
元の原木がどれほど大きいものが必要か、想像に難くないでしょう。
私たちの日常でそのような幹の太い木を目にすることはまずありません。
あったとしても寺社仏閣でご神木として祀られていたりします。
家具には強度が必要です。
そのため、時間をかけてゆっくり育ち中身の詰まった広葉樹が使われます。
広葉樹は強度があります。
ですから、重量のあるものを収める可能性のある収納家具や長期に渡っての使用において、そのなかで傷などがつく可能性も高い(つまり傷がつきにくいものが良い)ダイニングテーブルに向いています。
広葉樹がダイニングテーブルの幅にまで育つには100年を優に超える時間が必要となります。
幅が広ければ広いほど高樹齢の証であり、価値もあり「希少材」となるわけです。
自然の中で育った高樹齢の天然の材料だからこその、迫力ある木目・木の温かみ・生命力など「素材の持つ力」が一枚板の最大の魅力です。
また、そんな希少な原木を自宅に迎えることができる。
一枚板テーブルの醍醐味はそこにあります。
好みの色味・木目から樹種を選ぶ
どの一枚板も長い年月を生き抜いてきた樹から採れたものであり、そこに決して優劣はありません。
世界中を探しても同じものが存在しないのが一点ものである、一枚板テーブルの特徴。
空間での見え方や他のインテリアとの相性はもちろん大事ですが、何より大事なのは、自分が「好き」だと思えるものを選ぶこと。
毎日目にし、触り、使用するテーブルです。
まずは見て、触って気持ちの良いものを選ぶのが一番だと思いませんか?
そんな「自分の好み」を知るために、いろいろな天板を見てみることが大事です。
そのなかでまずは木目やそれぞれに独特な杢などの表情、色味を見てみましょう。
「明るい色」「落ち着いた色」「力強い木目」「木目がはっきりしない優しい感じ」などの好みが浮き彫りになってくることでしょう。
それでもまだピンとこない、そんな人は「その木はどんな木なのか」「木が育った背景や育ってきた環境でできた個性」などを探求してみることもひとつです。
一枚板の取り揃えが豊富且つ、自社直営の工場を持っている店舗のスタッフならきっと、その板にまつわるバックストーリーを教えてくれるはずです。
その木を知れば知るほど愛着が湧いてくるというものです。
それぞれの樹種には独特の「色味」もあり、コーディネートを考える場合、どんな樹種=色を選ぶのかは重要なポイントです。
ただ、そこに捉われず、直感を信じるのも選び方のひとつです。
「セオリーで選べばこの樹種だけどこっちに惹かれている」
そんなときは迷わず好きなものを選びましょう。
自然材である一枚板は、着色した均一の色があるわけではありません。
多くの色素が集まってそう見えているだけで、厳密に「〇〇色」とは決められません。
そんな一枚板ですから、たとえ家具コーディネートのセオリーから外れたとしても、きっとその空間に馴染んでくれます。
人間の顔と同じように、一枚板は樹種や育った環境にもより、一枚一枚それぞれ個性を持っています。
迷ってしまった時にはこれだけは絶対条件という譲れないポイントだけを抑え、他の条件は個性として受け入れる。
木のように寛大な心を持った一枚板テーブル選びをおすすめします。
ものづくりで選ぶ
高樹齢の希少な一枚板テーブルだからこそ、末永く、世代を超えて使いたいものです。
一枚板テーブルは日々の生活で付いた傷みすらも家族の歴史となり、思い出になります。
ひとつひとつの痕跡を見て、昔の出来事を家族で話す。
一枚板はそんな家族団欒の時間を増やしてくれるパワーを持っています。
無垢材テーブルの良さは削り直しといって、表面を薄く削るメンテナンスを施すことで、小傷は消え、まるで新品のように生まれ変わることができる点にあります。
傷をそのまま味として使うのももちろん醍醐味ですが、
「リフォームをして気分を変えたい」
「次の世代に譲りたい」
そんな時にメンテナンスを行うことができれば、また新しい歴史や思い出を刻むことができ、次の世代にも大切に使ってもらえることでしょう。
一枚板テーブルとは長い付き合いになります。
目先の価格やお得感でつい購入し、困ったことが起きてしまった時には何もしてもらえなかったという話は多々伺います。
末永くお付き合いできる体制を取るということは、それだけ木を想い、使い手のくらしを思っている証です。
アフターケアの有無・体制は必ずチェックしましょう。
また、例えば、表面がどんなに綺麗に仕上がっていても、裏面に金物が入っていたとしたら錆などの原因となり劣化に繋がってしまいます。
表面だけでなく裏面もチェックすることも重要です。
世界中を探しても同じ木目・同じ形状の一枚板は存在しません。
量産の効かない唯一無二の一点物であり、一生モノの一枚板テーブル。
世の中に数多くある一枚板の中から選択した一枚には、より一層の愛着を持ち、気取らず一生付き合っていけるテーブルになってくれることでしょう。
家具蔵で選ぶ一枚板テーブル
自然に育った樹齢100年を優に超えるような高樹齢の原木を、木を知り尽くした熟練の職人が製材立ち合いをし、じっくりと時間をかけて乾燥して作られる家具蔵の一枚板テーブル。
ひとつひとつの個性や杢の美しさを見極め職人の手で磨き上げた一枚板テーブルは経年変化により使えば使うほど美しさを増していきます。
数多くの一枚板テーブルの中から選択した一枚には、より一層の愛着が湧き、一生を共にするテーブルになっていくことでしょう。
世界中から集まってきた一枚板テーブルたちの中からそんな一枚と出会っていただきたい。
想いや確かな技術が家具蔵の一枚板テーブルには詰まっています。
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