モンキーポッドの一枚板の選び方とは?
2021.8.13
昨今、人気上昇中の一枚板の樹種に「モンキーポッド」というものがあります。
名前を聞いてピンと来る方はまだ少ないかもしれませんが、日立グループのCMの木と言えば分かる方も多いのではないでしょうか。
「♪この木何の木、気になる木~」という歌のCMです。
あのCMに出てくる、大きく枝葉を広げた特徴的な木がモンキーポッドです。
家具材となっても個性的な木目や色味が楽しめるモンキーポッドは、まさに一枚板テーブルに向いている材料といえます。
今回はそんなモンキーポッドの一枚板の選び方についてまとめてみます。
モンキーポッドとは
原産地:フィジーや中南米諸国、ハワイや東南アジア諸国といった気温の高い地域
科目:マメ科ネムノキ亜科
別名:レインツリー・アメリカネムノキ
モンキーポッドという名前は、野生の猿がこの樹木の実を好んで食べることが由来とされています。
樹木の実は鞘に包まれているのですが、英語では鞘をポッドというために、この名がついています。
ハワイ・オアフ島のモアナルア・ガーデンにあるモンキーポッドの大樹が日立グループのテレビCMに取り上げられており、あの木は現在、樹齢約130年になっています。
高さ25m・幅40m・幹の周りが7mもあるそうです。
その大きな木陰に守られるように木の下で寛ぐことは現地の人々や観光で訪れる人々にも最高の贅沢であり、人気となっています。
シダに似た形をしている葉は、「就眠運動」を行うため、日の出とともに開き、午後になると閉じます。
天候を知らせる木として、古くから人間との関わり合いも大変に強い木です。
降雨前にも葉が閉じることから、レインツリー (rain tree) という呼称の由来となっています。
また、レインツリーと呼ばれる所以として、この木の樹液を吸いに集まるセミの分泌物が雨のように下に落ちるからという説もあります。
年に2回、5月と11月の頃、開花します。
花の色は赤みがかったピンク色からクリーム色がかった黄色まで様々な種類があります。
アレクサンダー・フォン・フンボルトは著作『新大陸赤道地方紀行』の中で、ベネズエラのマラカイを訪れた時に見た、枝張りが58mにもなるモンキーポッドの巨木を「サマン・デ・グエレ(スペイン語版)」と呼んでいます。
この木は現在、樹齢約200年にもなり、ベネズエラでは国宝に指定されています。
モンキーポッドの一枚板の特徴
モンキーポッドの一枚板の主な特徴は以下の2点です。
●躍動感ある力強い木目
●美しい濃淡のグラデーション
前者については、温暖な地域に育つ木に見られる特徴です。
1年間に育つ幅が大きい為、木目の間隔自体が大ぶりになります。
一枚板の木目には「板目=板の中央にある山型の木目」と「柾目=板の左右に見られる直線的な木目」があります。
寒冷地域で育つ木は板目・柾目共に間隔が狭く、緻密で穏やかな表情になる傾向にあります。
どちらが良い悪いではなく、あくまで好みとなりますが、一枚板に個性の強さや住まいの主役としての存在感を求めるのであれば、モンキーポッドはとても魅力的な木材になります。
後者については、特にモンキーポッドは淡い色味と濃い色味のグラデーションがはっきりしており、樹形だけでなく、色調でも強い個性を楽しむことが出来ます。
また、白太(しらた)と呼ばれる樹皮に近い乳白色な部分が残っていると白太と赤身(心材)のコントラストが美しく、
インテリアとしても際立ちます。
木が成長してきた歴史も感じることができ、一枚板天板の醍醐味も堪能することが出来ます。
白木と黒木の良いところを兼ね備えた万能選手ともいえるのがモンキーポッドです。
モンキーポッドなどの一枚板の選び方は
モンキーポッドの一枚板天板の選び方には主に3つのポイントがあります。
●乾燥工程を確認する
モンキーポッドに限らず、一枚板のテーブルや無垢材の家具を購入する際に必ず確認しなければならないのが乾燥工程です。
木は原木を製材して板にした後、すぐに家具にできるわけではありません。
何十年使っても安心できるように乾燥させて水分を抜き、強い材料を作る必要があります。
この乾燥工程をおろそかにすると家具そのものの強度に大きく影響します。
私たち家具蔵でも、天日の下で自然乾燥させながら海外のものでも日本の気候に馴染むようにじっくりと水分を抜いていきます。
含水率(木の中の水分の保有量)が12~13%までになるまで自然乾燥しながら、その間は風通しを良くするための桟棒を挟み、積み重ねて保管。
さらに、現代の気密性の高い室内でエアコンや床暖房などにさらされる木にとっての過酷な使用状況を考慮して、含水率を6~7%になるまで機械乾燥及び養生を行うのです。
家具となった後の環境に適応できるよう管理を徹底しています。
こうした乾燥の工程がどのように為されているかを購入前にしっかりと確認するようにしましょう。
●樹形の好みをしっかりと考える
こちらもモンキーポッドに限ったことではないですが、一枚板は自然のありのままの形状を活かしたテーブルなので、当然その形状も唯一無二です。
一枚板には樹形が通直で整っているタイプと、窪みや湾曲があり個性が強いタイプがあります。
好みの問題にはなりますが、あまりにも個性的な形状をしているとマンションや一般的な戸建てで使用すると古民家風や民芸調になってしまい、空間や他の家具とのバランスを取りにくい可能性もあります。
また、窪みや湾曲があり、奥行きが浅い場合は食事や作業をする際に支障が出る事もあるので、程よく整っていた方が使いやすいでしょう。
●工場直営の店舗で選ぶ
一枚板に関わらず、テーブルを探すときに確認しておきたいことがその店舗が「工場直営店」であるかどうかです。
テーブルのような大物の家具は一度購入するとなかなか買い替えたりはしないものです。
ただし、その間には様々なことが起こりえます。
今まで使用していたものをきれいに修復してお子様などに譲りたい、そんな人も少なくありません。
そこで購入したところでメンテナンスを依頼できるかどうか、またそのメンテナンスの期間や費用は明確かというのがポイントとなってきます。
「直営店」以外の購入ではメンテナンスそのものの対応ができなかったり、できたとしても預けている期間が長く高額になる、または全く違ったものとなって返ってくる、といったこともままあります。
そうなると買い替え、という選択肢が出てきて結果的に「使い捨て」のテーブルとなる可能性も高くなってしまいます。
「直営店」であれば、自社工場で適切なメンテナンスを短期間で、適正な価格で対応してくれます。
また、「直営店」で一枚板を買う際の価格は、いわゆる卸業者などが入る中間マージンが無く、適正な価格で購入することが出来るという安心感もあるのではないでしょうか。
それは「一生もの」のテーブルを使用するうえでは非常に大事な要素です。
一枚板天板、一枚板テーブルは決して安価なものではありません。
多くの方が「一生もの」と思い、購入を決断されるでしょう。
「一生もの」と考えるのであれば一生付き合っていけるような製造工程を行っている、安心できるお店で購入するのが最善です。
コロナウイルスの影響で外出しにくい状況が続いています。
住まいにいる時間が長い今だからこそ一枚板のテーブルがあることで、癒されたり、食事やお酒がより美味しく感じられる瞬間があることが重要なのではないかと思います。
家具蔵には今人気のモンキーポッドも多数展示しています。
ZoomやLINEを用いたオンラインでのご案内も可能です。
理想の一枚を探しにお気軽にお声掛けください。
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