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チェリー材と「似ている樹種」の違いを知る

2021.1.17

 

 

家具材や床材に使用する素材として昔から高い人気を誇る「チェリー材」。

特に近年の無垢材家具の人気の高まりとともに、このチェリー材の認知度や指名の数は大きく向上しています。

ですがこのチェリー材、人気が高いがゆえに意外と手に入りにくいことも。

知識が少ないがために誤って違うものを購入してしまったりしないように。

もしくは敢えて一味違うセレクトを行うために。

今回はチェリー材と、そのほかの似ている樹種の違いを見ていきます。

 

 

チェリー材を知る


主な原産地は、アメリカ東部全域(ペンシルベニア、バージニア、ウエストバージニア、ニューヨークの各州)に及びます。

現在北米大陸には約30品種のサクラ類がありますが、その中でも絶大な人気を誇り、現代の最高の木材のひとつとして君臨しているのが、アメリカンブラックチェリーです。

この種は、日本のヤマザクラなどと同じくバラ科に属しています。

アメリカンブラックチェリーは最高のパイプ材として世界の愛好家から絶賛されているほか、木片は燻製の時チップにして使うと、まろやかな味に仕上がることが出来ます。

また、木には直径1センチ程度の果実「アメリカンチェリー」が実り、赤から黒く熟し、食用になります。

製材したての心材は淡い薄桃色をしていますが、年月の経過の中で紫外線の影響により、変色するのが特徴。

最終的には飴色風の濃い赤褐色になり、その劇的な変化から「使い込むほどに風合いを増す」という無垢材ならではの特性を実感することができます。

材面は緻蜜で滑らかな木肌を持ち、磨くだけで美しい光沢を得る事ができるうえ、水に強く、家具になった後の耐久性にも優れています。

生長の過程や気候の変化で起こる縮みにより、「さざ波紋」(リップルマーク)と呼ばれる独特の紋様が表れることもあり、その美しい表情が多くの人を魅了し続けています。

また、樹液を多く含んでいる為、生命力の強い樹ほど黒い樹液痕(=キャラクターマーク)が見られるのが特徴です。

そのような生き様を、木目に残すことで生まれた豊かな表情が、チェリー独特の存在感を強調します。

時を重ねるごとに、じっくりとその魅力を楽しむことが出来る木材として、世界的に人気を集めています

 

チェリー材に似ている樹種 ~サクラ材~


桜は日本人にとっては馴染みの深い樹種であり、たくさんの種類が存在します。

その中でもいわゆる「サクラ材と」して使われている樹種がヤマザクラという樹種です。

これは日本の野生のサクラの代表です。

お花見でも有名なソメイヨシノ(こちらがやはり一番馴染みが深いものですね)は家具用材としてはほとんど使用されません。

大きく成長したソメイヨシノは中が空洞になっていることが多いことから、家具材には使用しにくいのです。

また、複雑な形状で成長するので製材しにくいのも家具用材に使用されない理由です。

赤褐色に変化していくブラックチェリーにたいしてヤマザクラは赤を少し抑えた落ち着きのある色合いに変化します。

チェリーと比べるとより落ち着きのある、そんな風合いに変化していきます。

 

チェリー材に似ている樹種 ~カバ材~


その昔から家具業界または木材業界ではカバ材のことを「サクラ材」と呼んで流通させていた経緯があります。

カバとサクラは全く違う種類の木なのですが、赤身部分が多いと本当に似ているため、そのようなことになったのでしょう。

事実、2つはまったく違う木で、よく言われる「カバザクラ」という名前の木は存在しません。

サクラはいわゆるバラ科に属しますが、カバは「樺(かば)」であり、白樺などと同じカバノキ科です。

サクラ材と比べた際には木肌の質感、つまり触り心地が似通っています。

きめが細かくなめらかで、しっかりと重く、すべすべしていて気持ちいいです。

これはチェリー材にも共通する部分ですね。

 

チェリー材に似ている樹種 ~ボセ材~


ボセという名前はフランス語で「瘤(こぶ)」という意味を持ちます。

これは熱帯の過酷な環境下で、瘤杢(こぶもく)という非常に意匠性の高い杢が出ることに由来します。

おもな産地はその由来が示すように、やはりフランスが宗主国であったカメルーンやコートジボワールなど。

樹高(30~50mほど)や直径が大きく、節のない幅広な良材が取れることで人気です。

数あるアフリカ材の中でも、無垢材家具をはじめとした一枚板テーブルの天板以外にも様々な用途で使用される、アフリカ大陸を代表する銘木の一つともいえます。

アメリカンブラックチェリーと似た、淡い桃色を持つことから、「アフリカンチェリー」や「ピンクマホガニー」とも呼ばれ、その赤みを帯びた木肌の一枚板テーブルはどんな空間にもすんなり溶け込みます。

アフリカの大径木特有の雄大な木目でありながら、その表情はどこか穏やか。

そんな特徴を持つボセは、芸術的な装飾性の観点から特にヨーロッパで多くのアーティストにも愛されてきました。

日本ではまだあまり耳馴染みのない木かもしれませんが、世界的な視点で見た際にはれっきとした銘木です。

 

ここで紹介したように、チェリー材に似ている樹種は複数存在します。

どれを選んでも、基本的にチェリー材との相性は抜群なはず。

家具蔵でも「サクラ材の一枚板天板×チェリーの無垢材チェア」「ボセ材の一枚板天板×チェリーの無垢材チェア」の組み合わせをお客様によくご案内しています。

定番的な人気のチェリー材、それとはまた一味違った魅力のある樹種も家具蔵で見てみてはいかがでしょうか?

 

家具蔵の一枚板天板の詳細はこちらから

 

 

 

 


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