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「ウォールナットのキッチン」とその空間で生まれるものとは

2021.3.8

 

 

ウォールナット。

家具に使われる木材の中では、誰でも一度は耳にしたことのある有名な樹種名です。

テーブルやチェアはもちろんのこと、床材や建具などの建材、ハンガーやティッシュケースなどの小物に至るまで、インテリアの中では最もよく使われている木かもしれません。

このウォールナットについて、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?

良く聞かれるのは『重厚感』『高級なイメージ』というキーワードです。

もちろん、こうしたイメージはとても強いのですが、素材というものは合わせ方によってその印象がガラリと変わります。

特にキッチン・壁面収納など扉の面積が多い場合は、魅せ方によって重厚なイメージにも清潔感のあるイメージにも仕上げることが出来ます。

今回はイメージ別にウォールナット材を取り入れるポイントについて紹介していきます。

 

 

スタイリッシュ・都会的・ホテルライクに


 

 

ウォールナット材は高級車のフロントパネルにも用いられ、まさにラグジュアリーな空間を演出するには最適な素材です。

その中でもアーバンなイメージに仕上げるには、ウォールナットの木目の使い方というのも一つのポイント。

特に最近のキッチンでは、収納の扉を大きくして伸びやかに見せる傾向にあります。

板目を使うこともありますが、スッキリとした印象に仕上げたい場合には柾目を活かし、連続する木目を見せることでよりスタイリッシュな空間に仕上がります。

また、その場合木目をタテに繋げるか・横に繋げるかというところもイメージを左右します。

天井が低い空間であればタテ、吹き抜けのような空間であれば横にすることで空間を広く見せる演出ができます。

カラーコーディネートとしては、白系の天板やシルバーの取手を組み合わせることでスタリッシュで清潔感のある印象になり、黒やチャコールグレーなどと組み合わせることで落ち着いたバーのような非日常感を味わうことのできる空間に仕上げることも可能です。

クラシック・ジャパニーズモダン・レトロに


 

いわゆるダークブラウンの色調のイメージが強いウォールナットですが、天然木の場合、その色は単色ではなくレッド・イエロー・パープル・グレーなど多くの色のグラデーションがその深い色を作り出しています。
同じ茶系の床材やゴールドとの組み合わせでアンティーク家具のようなキッチンに仕立てることも可能です。

また、ペルシャ絨毯に使われるような赤や青とのコンビネーションは温かみのあるどこか懐かしい雰囲気を作り出します。

古民家のようなイメージにしたいときにもウォールナットは空間に馴染んでくれます。

古い家屋の梁に使われている木材や古材を使った建具などは深い色味をもつものが多く、そうした歴史を重ねた材とウォールナットは好相性です。

日本の住宅に使われてきた日本の木材は、板目が力強い木が多く、特にケヤキなどはダイナミックな表情を見せてくれます。

ウォールナットも板目が織りなす表情は動的で、こうした日本で使われてきた木材との相性も抜群です。

 

素材のコンビネーションを


 

 

無垢材は天然素材であるがゆえのその素材感が魅力です。

本物の素材だけが持つ質感は写真だけではなく、実際に手に触れることでより実感できるもの。

無垢のウォールナットは板目・柾目どちらにしても豊かな色彩のグラデーションを描くため、ここまでにも触れたように様々な色と相性が良いのはもちろん、木以外の素材との組み合わせにより更にその魅力を発揮します。
例えばモルタルやコンクリートといった無機質な素材。

こうした素材のグレーとの色のコントラストはもちろんですが、クールな素材と無垢材の持つ温かみのギャップはそれぞれの素材感をより強調し、バランスの取れた空間を演出します。

またタイルやガラスなども同じように『静』と『動』の対極にあるマテリアルを組み合わせることでそれぞれの持つ良さを際立たせます。

キッチンの天板をモルタルにしたり、床をタイルにするなどスタイリッシュな演出方法の一つとして、こうした異素材のコンビネーションを見かけることも多くなりました。

また、タイルについてはガラス製のものや素焼きのものなど素材も豊富で、さらにツヤ感や色もバリエーション豊かになっているので、一口にタイルと言ってもその空間のテイストによって選択肢は広がっています。

そしてキッチンが対面式であれば、カウンター上の照明などもテイストを揃えることで、より魅力的な空間を作り出すことが出来ます。

 

今回はキッチンにウォールナットをどう取り入れるかについてイメージ別にお伝えしましたが、実際にインテリアを決める時にはその空間に身を置いてみることも大切です。

その場で感じる直感やどのような空間が居心地よいのかは人によって違います。

また、写真の場合は光の入り方などでも大きく印象が違うため、そのイメージだけに捉われないように気をつける必要があります。

キッチンは住まいの中心となる存在です。

住まい全体のインテリアをどういう方向に導くか、まずはキッチンから考えるというのも一つの選択肢だと言えるでしょう。

 

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