ダイニングテーブルの大きさが「毎日の暮らし」を変える理由は
2021.3.27
目次
ダイニングテーブルという家具の役割の変遷
ダイニングテーブルはその名のとおり、ダイニングルームに設置して、主に食事をとるテーブルです。
このダイニングテーブルは時代と共にその役割を増やしてきました
おおよそ30年ほど前まではダイニングテーブルはいわゆる「食卓」であり、そこでは食事をする「だけ」の役割が求められていることが殆どでした。
キッチンと同居するダイニングルーム、あるいはキッチンもクローズドになった住まいが多く、食後は居間(リビングルーム)で寛ぐ、というのが多くの日本人の生活スタイルとなっていました。
来客なども基本的には居間で行うため、ある意味でダイニングルームやダイニングテーブルは住まいや家具の優先順位という意味では少し低いものだったのも事実です。
時代は変わり、住まいの様子も変遷します。
リビングとダイニングの仕切りがなく一体となった「リビングダイニング」が増え、その流れの中でクローズドのキッチンからリビングダイニングに面した、あるいは一体となったキッチンが主流になりました。
そのなかで海外からの情報の増加などに伴うインテリアコーディネートの多様性や、リビング学習に代表される生活スタイルの多様化が進みます。
そこでダイニングテーブルも徐々にその役割を拡げることとなったのです。
ダイニングテーブルに求められるものは増えている
いまやダイニングテーブルは食事をする場所、というのは最低限の役割であり、家族それぞれが勉強や仕事、趣味を行う場所であり、来客の対応の場であり、住まいの顔となっています。
時代とともに役割の変貌を遂げるダイニングテーブル。
そのダイニングテーブルはサイズによって過ごし方が大きく変わってきます。
今回はテーブルサイズで暮らしはどのように変わるのか、見てみましょう。
ダイニングテーブルの適正サイズは
人ひとり分の食事をするために必要とされるサイズは「横幅60cm、奥行40cm」が基準といわれます。
2人が並ぶなら、幅は120cm、3人並ぶなら180cm必要ということになります。
ただし、これはあくまで最低サイズです。
人ひとり分の足し算ですから、たとえば着座して少し体を動かすだけでも隣の人にぶつかってしまいます。
大きなお皿やお鍋も置くことはできません。
ダイニングテーブルに物理的な「ゆとり」を出すのであれば、最低でも横幅を15cm~20cmプラスするといいでしょう。
幅135cmであれば、2人が横に並ぶ際に多少のゆとりが出てきます。
日本の住空間もふまえ、多くのメーカーが「4人掛けテーブル」を135cmで用意している理由はそこにあります。
精神的にゆとりが出るテーブルサイズを選ぶ
物理的な「ゆとり」は(多少ですが)幅135cmのテーブルでも得ることはできます。
ただし、そのサイズでは精神的な「ゆとり」は生まれません。
(少し近いとしても)横に人がいてぶつからないし、鍋や大皿も置くことができる。
でもなんだか落ち着かない…。
それはより広いテーブルのほうが精神的なゆとり=「落ち着き」をもたらせてくれるから。
例えば横幅150cmあればそこに並ぶ人の心に「落ち着き」が出てくると言われます。
また、これくらいあるとアーム付きのある程度大きめのチェアを合わせることが可能になってきます。
そういったチェアはやはりゆとりや寛ぎを生み出します。
食後もダイニングテーブルで過ごす、ということを視野に入れるのであれば横幅150cmのテーブルを選びましょう。
さらに寛ぎも感じさせるテーブルサイズは「165cm」
ここ数年、私たち家具蔵でもダイニングテーブルにおいて一番人気があるのは横幅165cmのものです。
人と人との間隔は互いに45cm空くと「寛ぎ」を感じることができるようになります。
このことはいわゆる「パーソナルスペース」の定義にも関わってきます。
人同士が心地よい距離感は手を伸ばすと届くぐらい、とされます。
その距離は45cm。
人の肩幅は60cm、2人で120cm。
45cmの感覚を空けると、60cm+45cm+60cmで165cmということになるわけです。
幅165cmのテーブルであれば、食後も家族同士が干渉することなく「ただ何となく居ることができる(そして寛げる)」場所になります。
また、165cmのテーブルはお互いが近すぎず遠すぎず、という距離感もそこで過ごす人の心地良さにつながっていくようです。
より開放的なテーブルサイズなら「180cm」
「大きなテーブル」といっても人それぞれですが、そのひとつの基準となるのが「180cm」です。
となってきます。
正直、そのサイズから広さなどの事情から導入が難しいこともありえます。
しかし、その「余裕のある」使用感を十分に享受できるメリットも存在します。
大人4人ないし6人が無理なく、十分すぎる距離感を持って好きなことができるサイズであり、少ない人数なら今までそこでやっていた作業をそのままに食事に映ることもできるサイズです。
来客などにも対応しやすく、人同士、テーブルに載る食器同士の十分な余白は開放的な気分を作り上げてくれます。
テーブルに求められるものが多様化する中、そのサイズもまた、ニーズによっても変わってきます。
そのうえで少しでも大きいものを選ぶことで日々の暮らしに「ゆとり」「くつろぎ」「開放感」が生まれ、そこには快適な時間が約束されます。
とはいえ、やみくもに大きなサイズを選ぶのは失敗のもと。
反対に小さすぎてもいけません。
大きすぎると周囲が狭くなり、小さすぎても逆に空間とのバランスは歪になります。
大事なのは空間に対しての適切なサイズ感。
家具蔵でもヒアリングしながらのフリードローイング、間取り図を使ったレイアウト診断、型紙を用いての実寸計測、3DCGを駆使してのシミュレーションと多様な方法で間違いのないテーブルサイズ選びをサポートします。
ダイニングテーブルの大きさが「毎日の暮らし」を変えていく可能性はたいへん大きなものです。
テーブルをご検討の際にはご参考ください。
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