ウォールナットの色は何色か?
2021.4.1
家具材の中でも人気の高い「ウォールナット」。
「黒いダイヤモンド」とも評されます。
中世期、マリー・アントワネットの時代から高級家具材として世界中の人々を魅了するウォールナット材の魅力はなんといってもその色合いです。
今回は多くの人を惹きつけるウォールナット材の「色合い」についてお話ししていきます。
ウォールナットの色素
一般的にウォールナットの色は黒紫色や茶褐色、赤紫色などと表現されることが多くあります。
深い茶色、黒、紫、赤の色素が複雑に、幾重にも重なることで平面ではなく奥行きのあるグラデーションが完成します。
この自然が作るグラデーションの色合いと墨を流したような木目が、ウォールナットの持つ魅力の一つだと言えます。
独特で複雑な色のコントラストは着色料では再現は困難です。
そのことからウォールナットは更に価値を高めています。
この美しいグラデーションは自然しか作ることができないもの。
それを味わえるのは無垢材を無着色のまま仕上げた家具のみの特権であると言えます。
なぜ癒されるのか?色が与える心理効果
ウォールナットの深い色合いは、見る人に癒しや落ち着きを感じさせます。
なぜウォールナット材は見る人に落ち着きや癒しを与えられるのでしょうか。
ウォールナットには紫の色素が含まれています。
紫は「精神状態を高める赤」と「鎮静させる青」の混合色です。
そのため、紫にはどちらにも傾かない、精神状態のバランスを取り安定させるという効果があるのです。
その色の効果は血圧や脈拍を低下させ、落ち着きを与える効果があるとされています。
単に色のトーンで落ち着きを与えているのではなく、このようなヒーリング効果からウォールナット材を見ると落ち着くのでしょう。
また、紫は日本でも古代から格式の高い色として衣類(着物)や住まいに持ち込まれてきました。
ウォールナット材がどこか気品が高く、高級感を感じるのはそんな紫のもつ、人の精神にも働きかけられる奥の深さからきているのかもしれません。
経年変化による色合いの変化
ウォールナット材の色合いは時間の経過と共に徐々に変化していきます。
変化の影響は紫外線によるものが大きいとされています。
紫外線を吸収することで、ウォールナットの中に含まれるリグニンが紫外線を吸収し、黒紫色から褐色を経由して黄味がかった明るい茶褐色へと変化していきます。
太陽光が降り注ぐ明るい空間ではその変化が早いとされています。
この変化を経年変化と言います。
着色料ではこのような時間の経過による変化は起こらず、時間と共に色がくすんできたり、色を塗った箇所が傷により禿げてしまったり、劣化を辿る一方です。
経年変化は無着色の無垢材の持つ最大の魅力と言っても過言ではありません。
青や黒の色素が抜けて、まろやかな色合いになった木肌はなんとも優しい色合いになります。
まるで人間が歳を重ねていくのと同じような変化に、更に愛着が湧き、一緒に暮らす楽しみを「家具を育てる」感覚を与えてくれるのはこのような変化によるものだと言えます。
色合いとともに、木肌も艶っぽく変化していきます。
また色合いが明るくなると正対して木目がはっきり浮かび上がり、黒紫色の時とはまた違った力強い表情を感じさせてくれることでしょう。
長年連れ添っても飽きることなく、様々な変化で魅力を増して楽しませてくれる。
そんなところもウォールナット材の人気を高めている所以だと言えます。
ウォールナット材の家具を使ったコーディネート
木材の魅力は自然の色合いでどんな空間にもマッチすることですが、黒といっても差し支えなないウォールナットの色合いは和洋問わず相性の良い色合いだと言えます。
家具材で多く使われているアメリカンブラックウォールナットの産地は北米ですが、アメリカ産ながら、墨を流したような木目を持つウォールナットは日本の空間にもマッチします。
床や周りの家具の色や材質も問いません。
例えば同じような暗めのトーンの床やインテリアと合わせた場合、高級感が高まります。
落ち着いた気品の高いホテルライクな空間になるのです。
中には部屋全体が暗くなるのではと心配される方もいらっしゃいますが、黒といっても多くの色が重なっている無垢材のウォールナットであればそんな心配もありません。
床が明るい色の場合はウォールナットとのコントラストがはっきりし、モダンな空間に仕上がります。
家具が際立ち、ウォールナットの色合いがより引き立ちますね。
ソファやカーテンなどのファブリック類は青の色素を持つ色合いを合わせて行くと相性が良いでしょう。
また、華やかな色合いは自然の葉や花と見立てたイメージと同様であり、鮮やかな色合いもしっかり受け止めてくれます。
唯一無二の色合いを持つ無垢材のウォールナット。
家具として日々の生活の中で身近にその良さを感じ、長年かけて変化を楽しめるのは無垢材ならでは。
ウォールナットの魅力的な色合いを家具として日々感じてみてはいかがでしょうか。
ウォールナット材の無垢材家具のある暮らしの事例ははこちらから
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