造作家具・置き家具、どちらを選ぶのが良いか
2021.4.22
目次
その場所に設置するだけ(置くだけ)の家具のことを「置き家具」と呼びます。
対して、家の壁や天井高、梁などに合わせて設計して固定する家具のことを「造作家具」と呼びます。
どちらを選ぶのが良いのか?というのは、これから、特に大型収納を検討する人にとっては大きな課題です。
それは今の住まいや暮らし方、これから先にどのような空間に住まうか、もしくはそのスタイルによっても変わります。
また、人それぞれ異なる考え方もあって当然です。
今回は、それぞれの特徴と、ケースごとの選ぶ「コツ」をお話しし、収納家具選びの検討材料としてもらえればと思います。
造作家具の特徴とは
置き家具も同じではありますが、造作家具は自由なサイズで製作が可能です。
部屋や空間の大きさに寸分違わず、ぴったりと合うものを誂えることができます。
自分が好きなサイズ・デザインの家具が家の一部としてそこにあるのは、やはり気持ちの良いものです。
スペースを効率よく使えることは大きなメリットでしょう。
壁一面に棚を作る、壁の端から端までのカウンターを作るといったことも勿論可能で、要望どおりの大きさのものを取り付けることができます。
階段下の空間を収納として利用するようなときも同様です。
既製の家具を当てはめて設置したときのような余白が生まれないことで、スペースを余すことなく効率的に使えます。
そして何よりも地震国である日本では、地震による倒壊が起きないことは魅力的です。
壁に完全に固定できることで既製品の家具を置く場合よりも確実に地震に強い仕様にできます。
一方でその多くがオーダーメイドとなるだけに、既製品とは違って、そこには時間と手間がかかります。
打合せに要する時間や労力、注文してからの製作日数。
この点は造作家具と置き家具を比較検討する際に抑えておくべきポイントです。
また、作り付けの造作家具は別の場所への移動が基本的にはできません。
そのことも導入においてはしっかりと検討しておくのが良いでしょう。
置き家具の特徴とは
世の中の家具はそのほとんどは置き家具です。
よって、その種類は非常に豊富なため、選択肢が多様にあります。
家具を購入しようと調べ始めると、その種類の豊富さに圧倒される方もいるのではないでしょうか?
住む人の趣味嗜好に合わせて、シンプルなものからデコラティブなもの、素材や価格帯も様々です。
自分の好み、価値観、事情に合わせて選ぶことができます。
また、展示サンプルの実物を、見て触って確認したうえで購入できるという点はやはり安心です。
その懐の広さと選びやすさが置き家具の大きな魅力と言えます。
ただ、置き家具を使ってイメージした通りの統一感あるインテリアを作るには、コーディネートの指針が必要になります。
特に、少しずつ買い揃えていった場合や、夫婦がそれぞれ自分の持っている家具を持ち寄った際に、空間全体がチグハグになってしまう危険性があることはありえます。
手軽である反面、よく考えて導入しないと「なにか違う…」ということになりかねません。
家具店などのプロに、手持ちの家具なども含めて全体を見てもらうことも、コーディネートを上手く行うこともお勧めします。
ケース別 造作家具と置き家具の選び方 ~賃貸住宅の場合~
賃貸住宅では、基本的に退去時に原状回復の必要があるため、勝手に壁や天井などに造作家具を取り付けた場合、退去時に高額な費用を請求されることとなります。
どうしても設置したい場合は大家さんや管理会社に確認の上、原状回復についての費用なども考慮する必要があるでしょう。
ですので、一般論としては置き家具を選ぶ方がベターです。
置き家具であれば、次に引っ越した先でも自由に配置が出来ます。
どのような空間にも馴染みやすい無垢材無着色の置き家具であれば、引っ越しが多い人でも長く愛用することが可能です。
ケース別 造作家具と置き家具の選び方 ~持ち家の場合(引越し前提)~
戸建、マンション等の住宅の種類に関わらず、持ち家の場合は、造作家具を取り付けることに何ら問題はありません。
細かく言えば、マンションなどの場合は建築や規約などの関係で取付けられない場合もありますが、基本的には造作家具をとりつけることは可能です。
ですが、今後お引越しを前提に住まわれていたり、もしかしたら引っ越すかもというお考えの場合、造作家具を作るのはちょっと勇気がいるかもしれません。
このような場合、やはり置き家具、という選択肢となりますがそれでも壁一面の壁面収納は捨てがたい、ということもあるでしょう。
であれば置き家具として壁面収納を作ることも一手です。
壁に直接工事を行って取り付けると動かすことができなくなるので、天井ギリギリまでの高さで収納家具をオーダーします。
現場で組み立てるものであれば、退去時には分解し、また別の場所でも使えるようになります。
壁面収納は言ってみれば住宅の一部ともいえる存在です。
住宅を手放すと同時にお別れする、という考えではなく、自分仕様のものであれば住まう場所が変わっても長く使用できる、そんな家具を選ぶのが良いでしょう。
ケース別 造作家具と置き家具の選び方 ~持ち家の場合(引っ越しは無い)~
今後、お引越しの予定が無く、ずっと住まい続ける家に巡り合えたのであれば、造作家具を選ぶことに全く問題は無いでしょう。
ただ、例えば小さいお子さんがいて、これからライフステージが変化していき、お部屋の使い方も変化していくようであれば、フレキシブルに配置を変えられる置き家具が良いでしょう。
ですが家族が集まるリビングだけは、将来の使い方まで見据えた壁面造作収納があっても良いかもしれません。
こういった場合は、先述したそれぞれの特徴を参考にしながら、どちらが良いのかを決めていきましょう。
置き家具にするか、造作家具にするか。
現在のお住まいの状況や家族構成や年齢など、様々な要素が複雑に絡み、なかなか容易には決められません。
そんな時こそ、専門的な知識を持った家具蔵のスタッフにご相談ください。
お一人お一人のお話しを丁寧にお伺いし、これからの人生に寄り添う素敵な家具をご提案いたします。
皆様のお越しをスタッフ一同、心よりお待ちしております。
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