失敗しないオーダー家具「チェスト編」
2021.6.4
英語では正確には「a chest of drawers(ア チェスト オブ ドロワーズ)」と呼ばれる「チェスト」。
複数の引出が付いた箱という意味ですので、日本語では「箪笥(たんす)」ということになります。
現在ではこのチェストという単語だけで、箪笥や引き出し収納といった多くの意味があり、広く浸透しています。
さて、このチェストですが用途によって多種多様なデザインがあります。
洋服・文具・食器・小物・書類など、収納したいものによって選び方を考えなければなりません。
今回は、知っておきたいチェストの種類や、オーダーチェストの魅力、そしてチェスト選びの注意点など失敗しないチェスト選びについてお伝えしていきます。
そもそも箪笥とは
定義として、「抽斗(引き出し)」のあるものを箪笥と呼びます。
「抽」は「引き出すこと」。
「斗」は「柄杓や枡」をさし、つまり柄杓や枡のような形の器を引き出せる家具が箪笥です。
箪笥の誕生は、いわゆる「つづら」のような「箱」にものを入れて、蓋を開け取り出す収納方法がその起源です。
それが「抽斗」へと変化した江戸時代中期は、社会も安定し商業・工業が共に発展した時代でした。
この頃に一般的に庶民の生活用品として使用されるようになりました。
チェストの種類
●サイドチェスト
幅が500~600ミリ程、高さが400~500ミリ程の「スモールチェスト」とも呼ばれるタイプです。
玄関先に置いて、ハンカチや郵便物を対応する際の印鑑・ボールペン、靴磨きセット等を収納しておく、ベッドサイドにレイアウトしてスマートフォンを置く、あるいは照明を置くなど、多様な用途があります。
置き場所を選ばない使い勝手の良いタイプですが、国内での既製品ではあまり見かけません。
●リビングチェスト
最も主流なタイプで幅が800~1000ミリ程、高さが700~900ミリ程の腰高のチェストです。
リビングだけでなく、ダイニングや寝室、書斎等の各部屋に置くことを想定、もしくは可能としています。
引出しのサイズも様々なタイプがあり、文房具やアクセサリー、細々した日用品を入れるなら引出しは浅めのもの、洋服やブランケット、タオル等のボリュームのあるものは深めの引出しタイプを選ぶと良いでしょう。
腰高にしておくことで圧迫感が軽減され、天板の上をディスプレイスペースとして活用することも可能です。
人気の仕様は浅めの引出しと深めの引出しを兼備したタイプです。
●ハイチェスト
主に寝室に置かれることが多いチェストです。
用途としては洋服ダンスとして使っているのをよく見かけます。
最近はウォークインクローゼットに衣類をしまっておく人も多くなっていますが、デザインや素材が美しいチェストが置いてあると空間の雰囲気は格段に良くなります。
高さが1100~1300ミリと、ある程度のボリュームがあるものが主流なので、脚のあるタイプにして床を見せることで軽やかな印象にすることもお薦めです。
既製品の家具でありがちな悩みとは
チェストに限らず収納家具全般に言えることですが、既製品でなかなか自分の好みや事情にしっくりくるものに出会うことがない、という人も多いでしょう。
例えば、
・設置場所のスペースに余裕がなく、気に入ったデザインで置けるサイズのチェストが見つからない
・腰窓の下に置きたいが丁度良いものがない
・家の家具の色を統一したいが好みの色のものがない
・無垢材で作ったチェストが良いが気に入ったサイズやデザインがない
・物量に対して引出しが少ないor多い etc.…。
そのため、サイズやデザイン、素材のどこかで妥協をしなければならないこともよくあります。
チェストはオーダーメイドのものが良い
しかし、毎日のように見て、触れて、使うのが収納家具というものです。
置き場所がリビングであれば家族以外の来客なども目にします。
できれば美しく、空間に合った「理想のチェスト」を置きたいもの。
それはオーダーメイドでチェストを製作することで、悩みが一気に解決するかもしれません。
オーダーメイドであればサイズや素材、デザインを自由に設計することができます。
また、収納物に応じてピッタリの寸法で引出しを製作することも可能です。
文房具やカトラリーであれば内寸の深さは60~100ミリ程、カップ&ソーサーやグラス、食器類であれば100~130ミリ程、洋服であれば150~180ミリ程、A4ファイルの背表紙を上にしてしまっておくなら250ミリ程等、収納物によって必要となる深さは様々です。
リビングに置くチェストは文房具だけでなく、食器やお子様のおもちゃ、書類関係等、収納物の種類が多岐にわたるケースが多くなります。
目的に応じて引出しの寸法を変更することは、美しく効率よく整理整頓を行い、デッドスペースを無くすことに直結します。
その空間に適したものがあることで、空間の見栄えもスッキリします。
フルオーダーとセミオーダー
「オーダーメイド」と聞くと敷居が高そう、と思う人もいます。
そうであれば、いちから全て特注で製作するフルオーダーと、既成のデザインを活かし仕様を変更するセミオーダーがあることを知っておいてください。
セミオーダーであれば既製品との価格差も大きくはならないので検討しやすくなります。
また、サイズ自体は無数に考えられる組み合わせから各メーカーが「これがベストである」とするものであるので、全体のバランスが歪になることもなく、間違いがありません。
そのうえでいくつかあるパターンのなかから自身の事情に合致したものを選ぶのです。
場合によってはそのセミオーダーをベースに一部カスタムしても良いかもしれませんね。
一方でフルオーダーはサイズや仕様、すべてが自分好みの「世界に一台のもの」が出来上がります。
それは使い勝手だけでなく、それを使う自分自身の気持ちも充実させてくれるものとなるはずです。
大事なのは適材適所なモノ選び。
レイアウト方法や仕様、デザイン、素材等をトータルで考えてベストなチェスト選びを。
お悩みであればお近くの家具蔵各店までお気軽に足をお運び下さい。
経験豊富なスタッフがしっかりとご対応させて頂きます。
関連する記事
最近の投稿
- 姿勢の改善にはチェア選びから 2024年11月22日
- チェリー材の家具を選ぶ際には“ここ”を見る 2024年11月20日
- “重たく見えない”無垢材家具の取り入れかたとは? 2024年11月18日
- “サステナブルな”家具選びとは? 2024年11月16日
- 年末年始営業と価格改定のお知らせ 2024年11月14日
- ダイニングテーブルの高さの「標準」と「適切な高さ」は違う? 2024年11月12日
- リビングテーブルは使い方や空間に合わせて選ぶ 2024年11月10日
- “一脚あると便利”なスツールはこう使う! 2024年11月8日
- ダイニングセットを購入するなら“椅子から選ぶ”その理由とは? 2024年11月6日
- キッチン収納 “スライドレール“の違いや構造とは? 2024年11月4日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,574)
- インテリア&住宅情報 (639)
- 人と木と文化 (397)
- ニュース&インフォメーション (440)
- オーダーキッチン関連 (406)
- 一枚板関連 (635)
- オーダー収納関連 (617)