家具選びのスタートはチェアから、その理由は?
2021.9.14
目次
家具選びの基準は人それぞれ
家具選び。
家具には様々な種類があり、その大小もまた異なります。
その際に「何を基準に選んでいるか」という質問には、急には答えにくいものがあるかもしれません。
デザイン?サイズ?素材?ブランド?あるいは直感?
価格が決め手となることもあるでしょうし、有益なアドバイスをもとに、ということもあるでしょう。
また「○○だったらこういったものを選んでおけば間違いない」というような、それぞれの特徴もあります。
住み替えにおける新規購入の優先度が高いダイニングセット
一方、新築やマンション購入、住み替え等で今使っている家具を一新する、あるいは新規に導入する、そんな場合には「何から選ぶのか」という点もまた決めていかなければいけません。
この場合は古くなっていて買い替えなければいけない、サイズが合わない、他のものは揃っているがこれを買い足す、などの「優先度」が決め手となることが多くなります。
そういった、いわゆる「新生活」において買い替え、新規購入が多い家具は「ダイニングセット(テーブルとチェア)」「ソファ」「テレビボード(などの収納)」がその筆頭です。
なかでも多いのがダイニングセット、つまりテーブルとチェアになります。
住まい方の変遷が導いたテーブルとチェアの需要増
何故、住み替えの際のテーブルとチェアの買い替えが多いのか?
それは現代における住まい方にその答えがあります。
ダイニングテーブルをレイアウトする場所はいわずとしれた「ダイニングルーム」です。
現代の住まいではリビング部と間続きとなっている「リビングダイニング」が主流であり、そこにはキッチンも併設されます。
食事の配膳や片付けも容易なそのエリアに、食事に使用するテーブルを置くことは自然の流れです。
さらにリビングダイニングは住まいの顔となる場所ともなります。
家族の団らん・それぞれの作業・余暇の遊興・来客のもてなし。
こうしたことが一堂に行われる場所であり、活躍の場・重要度は高くなります。
必然、ダイニングセットから新居の家具を決めていくことに繋がっていくのです。
長い時間を過ごす場所であればチェアから選ぶ
このダイニングセット選び。
多くの方はテーブルを決め、その後にチェアを選ぶという順序になるかもしれません。
ダイニングテーブルは空間の中でも大きなスペースを占めるものであり、それを基準として他の家具のサイズや空間の余白が決まる=周囲の回遊性や広く見せることができるか否か、という点からもこれは理に適っています。
また、大きなスペースを占める分だけ空間での存在感もまた大きく、そのデザインや色合い、素材が空間そのものの印象を決定づけることもあるので、これ自体は間違った方法ではありません。
それはそれとして、一方で「長い時間を過ごす場所である」という観点を持つと、ダイニングセットはチェア選びから始めるほうが良い、という結論に至ることもまた自然なこととなります。
「5点セット」ではない選び方
この「チェアから選ぶ」という話をすると、多くの方は「初耳だ」というようなリアクションをされます(勿論、そうだよね、という共感を頂くことも)。
テーブルとチェアの組み合わせは「ダイニングセット」とも呼ばれます。
「セット」という名前が示すように「テーブルは対になっているチェアを込みで購入するもの」という認識が多くの方にあります。
いわゆる「5点セット(テーブル+チェア4脚)」というもので、多くの家具販売店で伝統的に行われている手法です。
ですので、テーブルを選ぶ作業はイコール同時に揃いのチェアを選ぶことに繋がり、このチェアを一脚だけ、という買い物の仕方はあまり一般的でなかったといえます。
快適性を優先するチェアからの選択
前述のようにダイニングセットを配置する場所であるリビングダイニングは、家族それぞれが長い時間を過ごす場所です。
そこに求められるのは何をとっても「快適性」でしょう。
広い場所、というのはその利便性や解放感から「快適」を感じやすくなります。
ですので、私たち家具蔵では、もちろんきちんとシミュレーションを行ったうえで「テーブルは少しでも大きい方が良い」というお話をしています。
もしテーブルを家具選びの最初に持ってくるのであれば、そこから他の家具のサイズやレイアウトも決まりやすくなります。
チェア選びの基準は「~しやすさ」
一方でダイニングチェアに求められる快適性、それはなんといっても「~しやすさ」です。
座りやすさはその最たるものですし、テーブルとの高さのバランスが合った「作業や食事のしやすさ」は快適な時間を過ごすために欠かせません。
あるいは長時間そこに座ることの「長い時間の過ごしやすさ」。
こうしたものはすべてチェアによって、その満足度が大きく異なってきます。
「座りやすい」チェアを選ぶことで生まれるものは
「座りやすさ」の基準は人それぞれです。
例えば家族のうち一人が「これが座りやすい」と思っていても、一人は「違うな」と感じることは多々あります。
これは男女の差、体格差、いわゆる「座り癖」の差によるもので、家族全員が同じ座り心地を感じるようなら良いのですが(そういうこともあります)、そうでなければ皆が同じテーブルを囲んで長く時間を過ごす、という機会は少なくなるでしょう。
それぞれが座り心地が良いと思えるチェアを選ぶ。
そのことでダイニングテーブル周辺にいる時間は自然と長くなるでしょう。
それは座り心地が良い=居心地が良い=快適である、からです。
テーブルは皆が同じ場所にいる際に、互いの顔が見える距離でコミュニケーションがとれることができるものです。
互いの顔が見えることは気付きや話題の自然的な発生を生み、そこには会話が生まれます。
その時間の積み重ねこそが家族の歴史や忘れられない思い出のきっかけになるのです。
ですので、チェアから選ぶ、そしてその時に「全員のチェアがバラバラでも良いのだ」という認識を持つことは非常に大事であり、そこに「チェアから選ぶ」意義の一つがあります。
また、その結果、「絶対このチェアに座りたい」というものが出てくるかもしれません。
その際に先に選んだテーブルでは選んだチェアがそれぞれ収まりきらない、そんなケースもありえます。
快適性を優先させ、且つそんな失敗が無いようにするためには、やはり「チェアから選ぶ」ということに大きなメリットが生まれます。
疲れにくさとテーブルとの座面高のバランスも良いものになる
ダイニングチェアからダイニングセットを選ぶことは快適な作業を生むことにも繋がります。
家の中では食事や作業をチェアに座って行うことがほとんどです。
その時にテーブルが高すぎる、あるいは低すぎるというように不自然なバランスになると疲れやすく、快適には過ごしにくくなります。
旅行先や外食先なら良いかもしれませんが、毎日を過ごす家でのことです。
ここはきちんと高さのバランスが合ったもの同士を使用するに限ります。
チェアに座っての快適性を担保するもののひとつとして、「自身の足裏が床に着く」ことが挙げられます。
そうすることでバランスよく自重を分散することができ、疲れにくくなるのです。
靴を脱いだ状態、つまり裸足で試座することでそのチェアで自身の足裏が床に着くかどうかを確認できます。
着かない場合には、着くものを選ぶ、あるいはそのチェアの脚をカットする(家具蔵の場合は後者です)のですが、そうすると元々のテーブルと高さが合わなくなることがあります。
そこでテーブル自体も脚をカットするなど総高が低いものを選ぶことで、そのバランスを解決できるようになります。
この場合の基準は「使用する人たちの中で一番小柄な人に合わせる」こと。
テーブルの総高とチェアの座面高の最も良い差尺は「28~30センチ」。
そこが守られていれば、ある程度の身長差があって、チェアやテーブルを低くしたとしても作業性は失われません。
ここでもチェアから選ぶメリットが生まれるというわけです。
家具選びにルールはありません。
基本的に好きなものを選ぶことが心地の良い暮らしに繋がります。
ですが、せっかく新しく購入するものであり、長く使うことが前提のものです。
であれば、より快適なものである方が良いはずです。
このコラムを読んで「なるほど」と思われた方、一度家具蔵の各店舗にお越しいただき、座り心地を確かめてみてください。
様々なタイプのチェアをお試しいただきながら、一人ひとりに合ったチェアの選び方をご案内します。
お気軽にお立ち寄りください。
家具蔵の無垢材ダイニングセットのある暮らしの事例はこちらから
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