ウォールナットとモンキーポッドの違いとは?
2021.10.20
目次
意外と知らない木の家具の「もと」
普段何気なく使っている木の家具たち。
それらが何の木からできたものか、ご存知ですか?
「実家に昔から大きなどんぐりの木があり、“ナラ”を選びました」
「娘の名前と同じ“さくら”の木のテーブルを使っています」
といった、こだわりやエピソードのある家具を使用している人もいます。
ですが、一方で「こげ茶の木のテーブル」「明るい色の木のチェスト」というように、その家具がどういったものかを知らないまま使用している、ということも珍しくはありません。
「木を選ぶ=家具の色を決める」のが無着色の無垢材家具選び
家具選びにおいて、その「色」はどんなものを選ぶのかの重要な基準となります。
そもそも木製の家具は着色されているものも多く、そうなると「このテーブルは○○の木でできたもの」という意識が希薄になるのも無理はありません。
しかし、どの木もそれぞれに天然の色味を持っており、無着色で製作する家具はその色合いで家具の魅力を表現します。
木を切るとその中身は明るい白や黄色に近い色合いである、というイメージを持っている人も多いでしょう。
しかし、世界には中身が赤かったり、黒に近い色合いだったり、紫色、というものまであります。
その色彩は様々な色素が混在し、鮮やかなグラデーションを描いています。
木の持つ魅力をふんだんに引き出す無着色の無垢材家具は「木を選ぶ」ことが「家具の色を決める」ことでもあり、その選定は無垢材家具選びの醍醐味であるとも言えます。
ウォールナットという木
様々な色味があるのが木ですから、当然、巷で良く見かけるような濃茶の色合いを持つ木も存在します。
その代表格が「ウォールナット」。
家具材の中でも五指に入る知名度と人気を誇る銘木でもあります。
家具材で言うウォールナットとは主に北米産の「アメリカンブラックウォールナット」を指します。
「チーク」や「マホガニー」といった銘木と並び称され、その名の通り、黒に近い落ち着いた色合いが高級さやモダンさを表現する、ということで世界中から高い支持を集めています。
経年変化による色合いの変化もまた特徴的。
徐々に明るくなっていく木肌と、それに伴い鮮やかになっていく木目は水墨画を思わせるようでもあり、どんな空間にも合う普遍性も持ち合わせています。
使うごとに味わい深くなっていく、長く使い続けることが楽しみになる点もウォールナットが支持され続ける理由の一つと言えるでしょう。
モンキーポッドという木
このウォールナットと一見よく似た色合いを持つのが「モンキーポッド」です。
モンキーポッドと聞いて、その色合いや木目がパッと思いつく人はそれほど多くはないかもしれません。
しかし、
「以前に家電メーカーのCMで “♪この木何の木気になる木” と歌われていた大きな木」
と聞くと、その音楽とともに雄大な一本立ちの姿が目に浮かぶ人も多いのではないでしょうか?
ハワイ・オアフ島のモアナルアガーデンにそびえ立つその大樹が「モンキーポッド」です。
モンキーポッドは巨木の多いマメ科の木でメキシコやペルーなど主に南米に多く生育しています。
濃茶と白が激しく入り混じった色合いはウォールナットと似た色合いでありながら、その表情はより力強いものとなります。
ウォールナットと同じく次第に明るくなっていく色合いは、やはり長く使用していくことで良さが増し、愛着が湧くものとなることは間違いありません。
ウォールナットとモンキーポッド、テーブルとして比較したら?
ウォールナットもモンキーポッドも、どちらも非常に魅力のある樹種です。
空間の顔となるダイニングテーブルとして選ぶ際には、その木目の落ち着き具合からウォールナットの方がより高級感があり、良い意味で主張しないような「合わせの良さ」があるでしょう。
ある国の結婚式では幸せを願ってクルミを蒔く習慣があるなど、クルミが生る木であるウォールナットは家族の食卓にもぴったりの樹種と言えます。
一方で、大きな筆で描いたような個性的なうねりを持った木目が主張するモンキーポッドは大きな面積になればなるほど、空間のなかでの存在感を増していくでしょう。
テーブルに強い主張を持たせたい、という人にはぴったりです。
モンキーポッドは降雨前に葉を閉じることからレインツリーとも呼ばれ、また、大きな傘のような樹形に雨宿りで人が大勢集まることから「人が集う木」とも言われています。
これも皆が集まる場となるダイニングテーブルにはもってこいのエピソードです。
同じような「濃茶の樹種」という意味で比較されることの多いウォールナットとモンキーポッド。
それぞれ異なる木目や色合いから全く違う良さを持っています。
当然、どんなものを選ぶかで空間全体の印象も大きく変わっていきます。
インテリアですからどんな色合いやデザインのものを選ぶかはたいへん重要です。
ですが、木の家具、それも無着色の無垢材家具や、その木の生き様を垣間見ることのできる一枚板テーブルを選ぶ際にはその木の持つバックグラウンドやエピソードまで注目すると、より愛着の湧くものとなります。
そうして選ばれ、使っていく家具はきっと掛け替えのない宝物となるはずです。
家具蔵ではそれぞれの樹種にまつわる、とっておきのエピソードをたくさんご用意して、皆様のご来店をお待ちしております。
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