家具選び、「椅子だけ買い替える」場合に気を付けることは?
2022.1.1
目次
その椅子は今のテーブルに合っているか?
長年使用してきたダイニングセット。
テーブルはまだまだ使えるものではあるが椅子にガタがきた…。
あるいは、食事や作業の際にどうも座り心地が悪い、疲れやすい。
新築や引っ越しの住み替えを機に新しいものを。
数ある家具の買い替えの理由の中で「テーブルはそのままで椅子だけ買い替える」理由はこういったものが多いでしょう。
こうした「テーブルはそのままで椅子だけ買い替える」場合、一番気を付けたいのはデザインではありません。
(もちろんデザインも重要であり、価格や強度もたいへん重要な要素ですが)
サイズが「そのテーブルに合っているか否か」です。
椅子を買い替える際に行うのはテーブルの採寸
毎日のように腰掛け、食事や作業を行う「椅子」という存在は、住まいの居心地を左右する大切な家具です。
長く座っていても疲れにくい座り心地を求めることは椅子選びにおいて必須事項とも言えます。
ですが、その椅子がどんなに座り心地が良くても、テーブルと合わせて使用する以上、そのテーブルとサイズが合うものでなければ、本当に居心地の良い空間は作れないのです。
不自然な姿勢が続いたり、あるいは椅子がテーブルに収まらないといったことでは使い心地も見た目も良くはなりません。
椅子が自分の体と相性が良いものであり、そのうえでチェアとテーブルのサイズのバランスが良ければ、自宅のダイニングスペースは驚くほど居心地の良い空間になります。
そこで、椅子を買い替える前に必ず行ってほしいのが「テーブルの採寸」です。
床からテーブル(天板上)までの高さを測る
テーブルの採寸、といってもどこを計れば良いのかという疑問が湧きます。
まずは何を置いても「高さ」を確認しましょう。
これはとても大切なポイントです。
まず、床からテーブルの一番上、つまり天板の上までの最大の高さを確認します。
これが直接的に最適な椅子の座面の高さに直結するのです。
一般的に「テーブルの天板高と椅子の座面高の差が28~30センチであれば自然な姿勢で食事や作業ができる」といわれています。
この差を「差尺」と呼ぶのですが、この差尺を保つことが快適な時間の確保につながるのです。
この差尺が短くなる、つまり椅子の座面高に対してテーブルが低い状態はおのずと姿勢が崩れ猫背になってしまいます。
逆に差尺が長い状態、これは椅子の座面高に対してテーブルが高すぎる場合ですが、その場合は肩が上がってしまうので食事や作業がしづらくなります。
例えば、テーブルの高さが70センチであれば、適正な椅子の座面高は40~42センチ程度というわけです。
この差尺を無視した状態で椅子を購入してしまうと、結果として食事や作業がしづらく、疲れやすくもなるので注意が必要です。
床からテーブル(天板下)までの高さを測る
もうひとつ確認しておきたい「高さ」は床からテーブルの天板下です。
ここ最近でダイニングチェアにアーム付きのものを選ぶ人が非常に多くなりました。
デザインが美しいものが多いこともひとつの理由ですが、人間の腕は意外と重さがあります。
この「腕という重り」を肘掛けに預けることができるアームチェアは長い時間座っていても疲れにくいのです。
座り心地の良いお気に入りのアームチェアが普段使っているテーブルの下に収納できなかったら、椅子の分だけスペースを大きくとることになり、圧迫感や回遊の邪魔になりかねません。
また、テーブルから身体が離れた状態で作業することを強いられる可能性もあります。
アームチェアを購入する予定があるのであれば(仮に無かったとしても)テーブルの天板下の高さは確認しておくべきポイントです。
テーブルによっては天板下に「幕板」と呼ばれる補強がある場合もあるので、その点もふまえた計測を行います。
テーブルの脚間を測る
次に「脚間(きゃっかん)」、つまりテーブルの脚と脚の間も確認しておきましょう。
脚間とは、テーブルに付いている脚と脚の間の距離を指します。
お気に入りの椅子を、その数量だけテーブルに収納するために箱にこの箇所に十分な広さが必要です。
また、収めることができれば良い訳ではなく、テーブルの脚と椅子、そして椅子同士にある程度のスペースが無いと出入りや着座時のお互いの距離感に不便を感じるようになります。
この脚間次第では選ぶ椅子の形状も変わってきますので、これもしっかりと確認が必要です。
また、来客などで人数が増えた時、テーブルの短辺(妻手)側を使う場合も少なくありませんので、妻手方向の脚間も忘れずに採寸しておきましょう。
今のテーブルはどのくらい使用するのか、も考えておく
今使用しているテーブルを一生とは言わずともこれからも長く使用するのであれば、前述の内容に沿って採寸し、そのテーブルに合わせた椅子選びが必要です。
ですが、もしもいずれテーブルを買い替えることがあるのであれば、今のテーブルに合わせすぎてしまうのもお薦めできません。
なぜなら、テーブルに合わせた選び方を優先すると、自分に合う椅子を選べないことがあるからです。
椅子というのはまさに「体感する家具」であり、住まいでの居心地を左右する、いわば家具の中で最も大切なものです。
理想は皆同じ椅子ではなく、家族それぞれの体型や骨格、ライフスタイルに合うものをそれぞれが選ぶことが疲れにくく寛げる空間へと住まいを導きます。
もし、その椅子が普遍的なデザインで、耐久性もあり、都度の修理も可能で、それこそ一生使用できるようなものであるとしたなら。
今のテーブルでその椅子が多少合わないとしても、いずれ買い替えるテーブルをその椅子に合わせることで、長い目で見て居心地の良い空間での暮らしを手に入れる事が可能です。
今だけを見ずに、10年・20年、その先までしっかりと見据えた家具選びをしていくことをお薦めします。
家具選びにはルールがなく、基本的には好きなものを選ぶことが心地よい暮らしに繋がります。
ですが、新しく購入するのであれば長く使うことができ、快適になるものの方が良いはずです。
家具は一回購入すると早々に買い替えるものではありません。
様々な視点から見て慎重に選んでいきましょう。
私ども家具蔵でも40種類を超える椅子をご用意し、それぞれのライフスタイルや好みに応じたものをご案内しています。
お客様それぞれの生活に合う椅子選びを、プロのスタッフがお手伝いしますので、もし悩まれた際は一度家具蔵各店までお越しください。
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