家具はインテリアか、はたまた「道具」か?
2022.5.2
目次
インテリアの持つ意味と要素
インテリアと聞くと空間を彩る家具や小物、絵画などの調度品など室内にまつわる様々なものをイメージします。
日本では「室内装飾」を表す言葉として広く知られているこの「インテリア」という言葉は元来、英語で「内面」という意味を持っています。
住まいの内面を形作るものとして、フローリングや建具、カーテンや照明、そして雑貨などと同様に「家具」もインテリアの重要な要素の一つと言うことができます。
道具という言葉の持つ意味合いと家具選び
対して道具とは「物を作ったり、何かを行うために用いる器具の総称」です。
座る、食べる、作業をする。
あるいは寛ぐ、寝る、物を置くなど様々な人の動作を便利にするためのものであり、そういった意味で日々の暮らしに寄りそう「家具」は道具の中でも一番身近なものであると言えるのではないでしょうか。
つまり家具とはインテリアであり、道具でもあるということがまずはひとつの答えになります。
今回は家具を選ぶ際に重要となるポイントを「インテリアとしての家具」「道具としての家具」という両面から探っていきましょう。
インテリアとして家具を選ぶ場合に重視すること
インテリア=室内装飾という観点で考える場合、家具は「室内を美しく飾るもの」という位置付けが強くなります。
インテリアには様々なスタイル・ジャンル・テイストが存在し、それぞれに合致している・適しているとされるデザインがあります。
目指すインテリアスタイルにはそれらのテイストを多分に持った家具を選ぶことで、空間全体に統一感が出すことができるでしょう。
つまり、インテリアとして空間を美しく見せることのできる家具を選ぶこととなります。
しかしながらデザインを最重要視して家具を選ぶことは、使い勝手や使い心地の面を軽視することにもなりかねないため、そのバランスや妥協点の見極めが重要です。
色合わせや素材もインテリア性の表現を大きく左右する
美しい空間を作り上げるには「色」「色合わせ」も重要な要素となります。
室内のカラーコーディネートの基本的な考え方としては、壁や床といった最も大きな面積を占めるベースカラー。
家具や建具、カーテンなど空間を補助的に作り上げるアソートカラー。
クッションなどのアクセントカラーの上手い使い分けと組み合わせが肝要です。
なかでも家具が含まれるアソートカラーをどのような色合いにするかで、インテリアとして家具を考える際には空間の印象が大きく左右されます。
また、木材、金属、樹脂、ガラスなど家具の素材もじつに様々で、それが色合いとなって空間で表現される場合も多くあります。
目指すインテリアスタイルによっては見え方が変わってくることを意味するので、当然この素材の選び方も変わってきます。
道具として家具を選ぶ場合には使いやすさの度合いが肝要
家具を「道具」という観点で考える際には何よりもその機能性が使い勝手良く、手によく馴染み、耐久性に優れ、長い期間の使用が可能であることが優先されます。
例えば、どんな家具にもサイズという概念はあり、テーブルでもソファでもベッドでも、間取りや暮らし方、家族構成によって適正なサイズというものがあります。
このサイズは結果的に「使いやすいものになるか否か」という機能性にも関わってくる部分です。
家具を置いた周囲の回遊スペース=生活動線が適正であることはもちろん大事ですが、それを気にするあまりに結果的に小さすぎるものを選んでしまって使いづらい、ということもありえます。
作業スペースになることも多いダイニングテーブルでありがちなケースですが、当然逆の場合(大きすぎた場合)も使いづらく感じてしまうこともあるでしょう。
このようなことにならないようにするためには、購入前の入念なシミュレーションや適切なアドバイスを提供してくれる家具販売店を利用することをお勧めします。
目的をより良く遂行する助けとなる「道具」が「良い家具」
家具はそれぞれ「それを使って何かを行う」ためのものです。
椅子は「座る」。
テーブルは「食事(作業)する」。
ソファは「寛ぐ」、ベッドは「寝る」…、というようにそれぞれの家具にはそれを使用する目的があり、その快適度が高いものが「道具としての家具」の完成度の高さ、と言えます。
それぞれの家具は、その目的のために作られていて、座る・寝る、といった目的を果たすことができればその役割を果たしていることになります。
ただそれはあくまで表面的であり、最低限なものです。
椅子ならば「どれだけ長時間疲れにくく座ることができるか」。
テーブルなら「食事や作業で窮屈な思いをすることがないか」「互いの距離感にゆとりはあるか」。
ベッドなら「ぐっすりと快適に睡眠をとることができるか」。
そうした本来の目的をより良く遂行できるための助けとなる「道具」となってくれるのが「良い家具」なのです。
耐久性の高さが愛用品をつくる
そして、道具というものは時間とともに自分自身に馴染んでいくものでもあります。
であれば、「良い道具」はずっと使っていたくなるものでもあるので、それをどのくらいの期間使うことができるのか、はやはり気になるものです。
必要とする役割に対してより良いものを与えてくれる「良い家具」ならなおさらのことでしょう。
そうした長く使うことのできる「耐久性」を持った家具であれば、長く使いたくなる、が叶う愛用品となって、日々の暮らしを豊かなものとしてくれます。
インテリアとして空間に馴染みながら美しく、道具としてもすぐれた家具。
やはり本来はそのような家具が理想です。
そういった家具を選びたいのであれば、無垢材無着色のオーダー家具がお勧めです。
無垢材はその特性から耐久性は折り紙付きで、自然の色味をまとった無着色の家具はどのような空間にあわせてもインテリアのスタイルを邪魔することはありません。
私ども家具蔵の家具はそうした無着色の無垢材家具を、普遍的で飽きの来ない、それでいて「道具としての本質」を忘れずに「インテリア(装飾性)」の側面も併せ持った、そのような家具の提案を行っています。
サイズや機能、耐久性といった家具の本質を満たしたデザインに宿る機能美、流行やスタイルに囚われない普遍性を兼ね備えた家具は、日本の職人がお客様のためにオーダーで作り上げるものです。
きっと毎日の暮らしに馴染み、日々の生活を豊かにしてくれるはずです。
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