「一枚板は広葉樹材のものを選ぶ」その理由とは
2022.5.10
家族皆が使うテーブルには良いものを
新築・改築・引越し、あるいは買い替えの時。
もしくは家の中の家具というものを漠然と考える時。
家具というものにも色々なものがありますが、「とりあえずテーブルには良いものを」と考える人は多いでしょう。
テーブル、特にダイニングテーブルは「家族皆が使う」という意味では数ある家具の中でも活躍度は特別なものであり、ゲストの目に触れることも多々あります。
そうしたものに「良いものを」と考えるのは、ある意味で当然のことかもしれません。
良いテーブル=一枚板テーブル?
この「良いものを」という定義は人によってもそれぞれでしょう。
ブランド・デザイン・価格、あるいは使い勝手や機能、耐久性や飽きの来ない普遍性。
どれをもって「良いもの」というかは、人によって異なります。
そのなかで世間一般においてずっと変わらず「良いもの」として認知されてきて、今なおその人気は上がり続けているものがあります。
それが「無垢材一枚板天板」を使用した「一枚板テーブル」です。
一枚板テーブルは希少で高級、だから「良いもの」。
そうしたイメージを持っている人もきっと多いことでしょう。
それは決して間違った認識ではありません。
しかし、珍しくて高額であるだけでは本当に「良いもの」とはいえません。
一枚板テーブルが「良いもの」である本当の理由は長く使用することができ、それに伴って味わいも増してくる、高耐久のものであるが故です。
空間の顔となるような存在感と、その人のこだわりまでも透けて見えるような特別感。
そして長く使用することができるものである、という点。
そういった要素が「良いテーブルが欲しい」と考えた際に、一枚板テーブルが選ばれる理由になるのではないでしょうか。
木には広葉樹材と針葉樹材の違いがある
いざ一枚板天板を検討しだすと、じつに様々な種類の名前の木があることがわかります。
ナラやイチョウ、カエデ、ケヤキ、スギやヒノキという聞き慣れた日本の木から、外国産の聞き慣れないものまで非常に多くの種類があり、それぞれに個性があることがわかります。
これらの木は「広葉樹」と「針葉樹」という2つのグループに分かれます。
それぞれの見分け方は簡単に言うと、その「葉」の形状です。
広く大きい葉を付けるのが広葉樹。
細く針のような葉を付けるのが針葉樹です。
さきに挙げた樹種でもナラやイチョウ、カエデ、ケヤキといった木(もっと沢山の種類がありますが)は広葉樹です。
対してスギやヒノキ(これももっと多くの種類があります)は針葉樹です。
どちらも同じ「木」ではありますが、組織構造も異なり、それによって素材として使われる用途も変わってきます。
一枚板テーブルには広葉樹材が適している
結論からいえば、このコラムのタイトルにもなっているように、一枚板テーブルとして使用するには広葉樹材が適しています。
一枚板テーブルに限らず、その性質から広葉樹材は家具全般において有能である、といえます。
家具に必要なことは人の身体や収納物の荷重を支え、暮らしに必要な作業をサポートすることです。
そこでは「強度があり傷がつきにくい」こと、そして「揺れに強い」ことが求められます。
広葉樹はその要素をすべて満たします。
家具というものは長期にわたって使用するなかで傷がつくことは避けられません。
テーブルに食器など様々なものを載せて使用するものであれば尚のことです。
当然傷が付きにくいものの方が良いわけですが、そのことから堅さのある広葉樹材はテーブル天板に適している、というわけです。
それは一枚板テーブルであってもその有用性は変わりません。
針葉樹材は建材に向いている
一方、針葉樹材は成長速度が速く、まっすぐ成長するものが多いため、柱や梁などの建材にする際にその性質が大きく活きてきます。
その為建築の構造材には針葉樹材が多く使用されます。
建物には屋根をしっかりと支える柱が必要で、この柱が曲がっていると上からの荷重を受け止める事が出来ずに倒壊してしまいます。
針葉樹材はその通直な育ち方から、まさに建築材に向いている木なのです。
柱や梁に杉やヒノキが使われるのは、こういった理由があります。
針葉樹は英語表記でソフトウッド、広葉樹はハードウッドと呼ばれます。
折角の一枚板であれば傷が入りやすい針葉樹よりも、堅さをもった広葉樹の方が圧倒的に向いているのです。
針葉樹がその成長の早さから建材にしやすい、ということは裏を返せば広葉樹は成長が遅い、とも言い換えることができ、これは事実です。
ゆっくりゆっくり大きくなり、その過程で内部の密度もより強固なものとなっていくからこそ、広葉樹材は丈夫で固いものとなります。
それはひとえに、高樹齢のものからしか採ることのできない大型の一枚板を確保することの難しさを意味します。
まして、針葉樹と比較した際に、その樹形にも曲がりくねったユニークなものが多いのが広葉樹の特徴でもあります。
サイズや使い勝手という、いわゆる実用性を兼ね備えた一枚板テーブルを見つけるのはなかなかたいへんかもしれません。
ですが、そうして出会った一枚板には、ただモノを購入する、という以上の価値が生まれます。
それは買い物の際に起きたエピソードなどを含めた、その一枚板に対する愛着・思い入れです。
ストーリーのある買い物の結果手に入れたものは、そのものに新たな価値を生み、愛着も一層増してきます。
「良いもの」を求めてそうした感情のこもる買い物をし、その末に長く使用されてきたテーブルは、きっと「最高のもの」となるはずです。
そのような「最高のテーブル」を探すお手伝い、私ども家具蔵にお任せください。
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