ウォールナット材の家具と合う壁紙や壁材は?
2022.6.8
リフォームや新築の際に付き物である内装材の決定。
「床」と並んで「壁」の決定は、使用する材料も多岐にわたり、壁紙を使用するといっても様々な種類や機能があることでその決定には大きな逡巡があります。
家具を含めたインテリアとの相性もしっかり考えていきたいところです。
例えば人気の無垢材家具、その中でも高い支持を受けるウォールナット材の家具を選んだ、あるいは持っているという場合はどのような壁紙や壁材との相性が良いのでしょうか。
ウォールナット材家具と壁の色の相性は何が正解か
基本的にウォールナットの持つ、黒に近い落ち着いた色合いは合わせる壁の素材や色を選ぶことがなく、どのようなものでも合う、と言って良いでしょう。
黒いシャツやジャケットが、合わせるシーンやパンツを選ばないのと同じです。
住まいにおける壁の色合いの多くは白やベージュなどのものが多いはずです。
そこでは白×黒のコントラストが現れることで空間にメリハリが生まれ、室内を広く見せるような効果も生まれます。
これは後程説明する塗り壁・織物クロス・ビニールクロス、いずれにおいても同様です。
また、青系や灰色系といったいわゆる「寒色系」とも相性が良く、そのことで空間全体をより印象的なものに変えることも可能です。
青系の色合いは気持ちを落ち着かせる効果もあり、ウォールナットに限らず、木材全般の色合いと相性が良いのでアクセントクロスとして一部分に用いるのもおすすめです。
灰色系の色合いは白系・ベージュ系と比較しても主張が少なく、取り入れやすいものとなります。
モルタル、あるいはモールテックスの壁、打ちっ放し(もしくはそれ風のクロス)ではセメントの風合いがある灰色系のものが多いのでウォールナット材の家具を合わせることで高級感が増します。
住まいにおける自然素材の取り入れ方
自然素材は奥行き感や温もりを感じることができ、健康にも良いことで住まいに積極的に取り入れる人が近年益々多くなってきています。
無垢材を使用した家具、いわゆる無垢材家具が人気を高めているのはそのインテリア性もさることながら住まいに自然素材を取り入れるという観点も影響していることでしょう。
住まいにおいて内装材での自然素材の導入、という点では床材における無垢材フローリングが支持を集めています。
一方、壁材での自然素材の使用方法は「塗り壁」です。
塗り壁を選ぶ場合
塗り壁は自然由来の成分を活かした独特の質感で、シンプルながらもどこか温かみを感じることのできる人気の仕様です。
塗り壁には漆喰・珪藻土・土壁・モルタル・モールテックスなど様々な種類が存在します。
その多くは天然素材から出来ている為、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを吸着・分解する性能を持ち、健康にも好影響です。
漆喰や珪藻土には湿気を「吸って吐く」いわゆる「吸放湿効果」があり、室内の湿度が適度に保たれることで居心地のよい住環境を作り出すのに貢献してくれます。
塗り壁の施工は基本的に職人が手で仕上げることで工業製品のような均一感が無く、それが風合いを生み、魅力となります。
水分が抜け、硬化する過程でヒビが入ることがありますが、適切に施工してメンテナンスを行えば、100年以上は持つ耐久性があります。
無垢材家具と同じく、手を入れながら、とはなりますが長く使用することができるでしょう。
コストが高くなる(ビニールクロスと比較して4倍~5倍の金額となることも)ことを懸念するのであれば、漆喰クロスがおすすめです。
塗り壁に必要な下地処理の時間も材料も省けるうえ、消臭や調湿などの機能を持ったものもあるので、手軽に漆喰の雰囲気と機能を取り入れることができます。
また、排出された卵の殻をリユースする「エッグウォール」、新聞紙の再生紙と木の製材時にでるおがくず(ウッドチップ)を使って作られた「オガファーザー」など自然由来の素材を使用した、人と環境に優しい壁紙クロスも注目されてきています。
人や環境に優しく、コストをできる限り抑えたい場合はこういったクロスを検討するのも一手です。
織物クロスを選ぶ
織り込んだ布を壁紙としたもので、結婚式場や高級ホテルなど格式の高い場所で多く目にする素材です。
上品で高級な見た目は無垢材ウォールナットのもつ重厚感とも好相性です。
織物クロスはその名のとおり織物なので、先の尖ったものや堅いもので壁紙を引っかけても、ビニールクロスのように、簡単に破れたり、剥がれたりしません。
自然素材でできているクロスなので、静電気が起きにくく汚れが付きにくいことも採用のうえではメリットです。
10年~20年は目立った劣化もなく使用することができます。
さらに織物クロスは透湿性があり吸音性も併せ持つため、寝室などで使用するのにもおすすめです。
寝室ではウォールナットの深く落ち着いた色合いのベッドフレームやナイトテーブル、書棚などと合わせれば高級ホテルのような空間になるでしょう。
ビニールクロスを選ぶ場合
ビニールクロスは、塩化ビニール樹脂などを主原料として、ビニールシートに紙などを裏打ちして作られています。
量産ができるため安価で、図柄もプリントであることから規則性を出すことができ(継ぎ目などで不自然な途切れ方をすることもありますが)施工性も良いため、現在、日本の住宅の90%でこのビニールクロスを壁紙として取り入れています。
ビニールという素材の特性上、多様な細工処理が可能なため、カラーが豊富で、プリント柄や大理石調の模様、凹凸のあるエンボス加工など、様々なパターンから選ぶことが可能です。
例えば先にご紹介した自然由来の石材、布、また木材などをプリントしたものもあります。
ビニールであるため、気軽に水拭き掃除ができるため、キッチンや洗面所などにおすすめです。
賃貸・建売問わず集合住宅ではビニールクロスの中から壁紙を選ぶことが大半です。
安価で豊富なデザインから選ぶことができる、というメリットの反面、あくまでビニールクロスはビニールという化学素材であり、「その中で暮らしている感じがして息苦しい」と感じる人や、ビニールクロスそのものの匂いを気にする人もいます。
そこで「せめて家具だけでも自然素材を使いたい」というお声をよく伺います。
ビニールクロスの室内でも無垢材家具を取り入れることで空間に温かみが増し、ぐっと居心地も良くなります。
ウォールナット材の家具と相性の良い壁材・壁紙を適材適所で用いることにより、さらに居心地の良い空間へと導くことが出来ます。
ウォールナットの無垢材家具をお持ちの方、これからご検討の方はご参考にされてはいかがでしょうか。
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