一枚板選びで見た目や価格以外に考慮する点とは?
2022.7.31
一枚板天板の良し悪しの基準は人それぞれ
「せっかく新居に移るなら、皆が集まるダイニングテーブルを無垢材の、それも一枚板天板のものにしたい」
新築や引越しを控えた人、長年使ったテーブルを買い替えたい人、様々な理由と様々なシチュエーションで無垢材一枚板天板を探し求めます。
では、皆さんはそのような無垢材一枚板天板は「何」を基準に選びますか?
真っ先に思いつくのは、いわゆる「サイズ」「樹種」「形状」そして「木目の表情や色合い」でしょうか。
高額なものは手が出ないが、低価格のものも耐久性やアフターケアが心配だ。
予算の範囲内で、良いものがあれば。
存在感があり住まいの顔ともなる存在だけにいわゆる「見た目」は重要です。
せっかくなので自慢ができるような誰が見ても立派なものが欲しいところですが、予算の制約もあります。
しかし、見た目や価格だけで選んで大丈夫でしょうか。
そもそも、何が「良い」基準なのでしょうか。
しっかりとした手順で製作されたという前提ですが、一枚板天板に「ダメなもの」はありません。
良し悪しの基準は人それぞれの感性によるものと言えます。
自分と相性の良い一枚板を選ぶ
物事には何においても相性というものが少なからず存在します。
それは人と一枚板天板との間でも同様です。
基本的に木というものが好きな者ばかりの私ども家具蔵のスタッフは、それぞれの個性を持った一枚板をついつい「この子は」と呼んで紹介することが多々あります。
樹齢100年を超えるような高樹齢の原木から生まれた一枚板に畏敬の念を持ちつつも、家族や友人のような親しみを感じて、そう呼んでいるのです。
なぜ私ども家具蔵のスタッフは一枚板天板に「親しみ」を感じるのでしょうか。
それは、一枚一枚の天板からその木がどうやって生きてきたのかを、その板を見て想像して感じるからです。
いわば「生き様」を知る、とでも言いましょうか。
この表情を見るに、この子(木)はかなり過酷な環境の中で頑張って生きてきたのだろう。
この子は、周りの木々にも守られながら、素直にのびのび成長していたのだろうか…。
など、目の前にある一枚板天板が森の中で生きていた時の立ち姿を想像しているだけで楽しくなり、木に愛着が湧いてくるものです。
一枚板天板を選ぶときは、この「楽しさ」を味わっていただきたいのです。
この木は、どんな場所で育ったのかな?
順風満帆な生き方だったのだろうか、波瀾万丈だったのだろうか。
そんな想像をしながら、自分の生き方に近いものを選ぶのも良し、自分とは正反対の生き方の天板を選ぶのもまた良し。
これが、自分との相性を見極めて選ぶ、一枚板の醍醐味です。
家具蔵のスタッフと一緒に相性の良い一枚板天板を見つけてください。
乾燥の状態(コンディション)で選ぶ一枚板
一枚板に限らず無垢材家具は、何よりも乾燥状態のコンディションの見極め、あるいはその過程がどのようになっているかを知ることが大事です。
私ども家具蔵の場合は、目利きの人間が現地まで赴いて細かな観点で原木を選定し、製材を経てそれぞれを一本ずつ天日の下で自然乾燥させながら海外のものでも日本の気候に馴染むようにじっくりと水分を抜いていきます。
含水率(木の中の水分の保有量)が12~13%までになるまで自然乾燥しながら、その間は風通しを良くするための桟棒を挟み、積み重ねて保管。
さらに、現代の気密性の高い室内でエアコンや床暖房などにさらされる木にとっての過酷な使用状況を考慮して、含水率を6~7%になるまで機械乾燥及び養生を行うのです。
家具となった後の環境に適応できるよう管理を徹底しています。
厳選された銘木は、このような期間を経ることによって、原木から現代の住環境に適応できる一枚板として生まれ変わるのです。
乾燥状態、あるいは乾燥過程は見た目では分かりません。
また、メーカーや家具販売店によってもその過程や方法、期間も異なります。
スタッフに質問してみて、納得のいくものを紹介してくれる家具販売店での購入をお勧めします。
家具としてのバランス
一枚板テーブルは、立て掛けて鑑賞するような芸術品ではありません。
家具としての役割を果たすこと、空間に違和感ではなく調和をもたらす存在であることが求められます。
使う人数に適したサイズの一枚板か、配置する空間に合ったサイズか。
いかに気に入ったものでも、隣の人や向かいに座っている人との距離が近すぎたりすると、落ち着いて過ごせないことがあります。
リビングやダイニングの空間に対して大きすぎてしまうと生活動線が変わって遠回りしなければならなかったり、テーブルの角に体をぶつけて痛い思いをしてしまったり、生活に支障が出てしまいます。
逆に空間に対して小さすぎても、空間構成のバランスが悪く、せっかくの一枚板テーブルが映えません。
一枚板テーブルを選ぶ際には、綿密なシミュレーションと、トータルでのインテリアコーディネートをプロのスタッフにして貰ってから、理想の一枚を見つけることをお勧めします。
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