「重たく見せない」木製キッチンとは
2022.8.1
目次
今、インテリアは自然素材の持つ質感や表情を楽しむ時代であり、同時にそれらが必要とされる時代になっています。
それは住まいだけではなく、オフィス、学校、図書館、役所、そして大型施設、大規模建築までに及んでいます。
昔から培われてきた自然との共存、自然を取り入れた暮らしを今の時代に合わせた取り入れ方をすることで、私たちは活力や癒しを知らず知らずのうちに与えられているのです。
住空間に求められる自然素材との関わり
「衣・食・住」という表現があるなかでこのような状況をあらためて見つめ直すと「衣」と「住」の順番が入れ替わっているように思えるほど、暮らし方や住まいへの関心は高まっていることが分かります。
そしてそのような時代だからこそ、暮らしの中心であるリビングダイニング、そしてキッチンには木製、それも無垢材のものを、と考えることは自然なことであり、自然素材や木と人の繋がり、そして関係性の強さは元々備わっているものであるとも強く感じます。
「重たく見える」を解消する方法はある
例えばリビングやダイニングが心身ともに寛ぐことのできる居心地の良い場所として作られた場合、キッチンも空間を構成する重要な要素として、LDとコーディネートされていると快適度はさらに増していきます。
ダイニングテーブルやダイニングチェアといった家具を無垢材で揃えるケースはますます増えてきています。
キッチンは対面型としてLD空間と隣接していることも多く、お互いの空間に親和性を与えることで空間全体のコーディネートがまとまったものとなります。
つまり、LD空間を無垢材でまとめたものであるとするなら、キッチンも同じ無垢材でそろえることで空間全体のグレードも居心地も上がるのです。
そこで生まれる心配のひとつに「重たく見えないか」「重厚感が出すぎないか」というものがありますが、その心配を解消する方法というのは間違いなく存在します。
吊戸棚を無くす、あるいはデザインに一工夫を加える
例えば「重たく見える」「圧迫感」を感じる、という理由に「高さ」があります。
高さ=天井に近いところや高い場所にあるものを無くす、あるいは軽く見える工夫をすることで「重さ」は排除できます。
例えばキッチンでは定番の吊戸棚。
これがキッチン上方にあることで収納性は増しますが、ダイニングからキッチンを見た場合にキッチン後方へ広がる視界が狭くなることで「重く見える」原因になります。
この吊戸棚が無い、あるいはデザインに一工夫あるキッチンも増えてきています。
キッチンスペース自体にパントリーや食品庫を設ける住まいも多くなり、キッチン本体の収納も引出しタイプが多くなり収納容量が増えたことで、キッチン上部に収納を設ける必要が無くなってきたのです。
調理家電の進化で調理用具の数が減り、大きな鍋や食器も不要になったということも影響していると考えられます。
ここで吊戸棚を無くすのではなく、あるいは吊戸棚は取り付けずに吊り下げ式の棚を設置する、という選択肢もあります。
ディスプレイを兼ねることで、空間も華やぎ、見えることころは綺麗にする習慣ともなります。
ただし、どうしても吊戸棚を付けなければならない、という場合もありえます。
その場合は木製扉ではなく、ガラス製の扉にすることで「見え方」を変えることもお勧めです。
ガラスの向こうに視線が延びることで圧迫感を軽減でき、光が映り込んで広がりを感じさせてもくれます。
ここでポイントとするのはガラスを透明のものにすることです。
ガラス扉は重く見えることを解消するだけでなく、美しく見せることにも役立ちます。
中が見える収納が増えることで何をいつ仕舞ったかが分からなくなるといったことも避けられます。
キッチン本体に脚を採用して軽さを出す
反対に高さを出すことで軽さを出せるということもあります。
それはキッチン本体に「脚」を採用することです。
脚があることで床と躯体の間隔が生まれ、軽やかに見えるようになるのです。
キッチンで「脚」があるというとピンと来ないかもしれません。
そのようなデザインのキッチンも決して多いわけではありません。
ですが、オーダーキッチンなら可能です。
脚付きのキッチンはまさしく家具調となり、LD空間との親和性も高まります。
LDに置いている家具のデザインや樹種を揃えることでより計画性の高い空間が出来上がります。
無垢材の特性は空間と暮らしに馴染む
また、無着色で仕上げた無垢材は経年変化により色合いを変えていきます。
そのことでキッチンそのものの表情も豊かになり、空間に馴染んできます。
これによって特別な重厚感を必要以上に感じることなく、ごく自然に目に馴染んで「当たり前にそこにある」雰囲気を楽しむことができます。
そして無垢材の魅力のひとつはその「木目」にあります。
それぞれの木が生きてきた証ともいえる木目の模様、あるいは木肌の色の濃淡には「1/fゆらぎ」とよばれる動きのパターンがあり、これが人の目に心地良い刺激を与え、気分をリラックスさせてくれます。
色だけではなく木目の表情やゆらぎは木を取り入れる楽しさや安らぎを生み出しています。
重さよりも本物の持つ美しさの方が優位であるとも言えるでしょう。
無垢材家具も無垢材キッチンも使いこなして、人と一緒に時間を過ごすことで一層魅力を増していきます。
住まいや暮らしの中にこの自然素材の魅力を取り入れて、本物の持つ質感、木目や経年変化を自分なりに、家族なりに味わい楽しみたいものです。
本物には沢山の魅力があります。
使うほどに深みを増す無垢材家具、家具調の無垢材キッチン。
実際に無垢材家具や無垢材キッチンに触れ、木目の妙や経年で豊かになる表情を確かめてみませんか。
最寄りの家具蔵の店舗、もしくはキッチンスタジオでお待ちしています。
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