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無垢材家具で樹種によって価格の違いがあるのは何故か

2022.8.25

 

 

無垢材家具に限らず、世の中に流通しているものはおおよそどのようなものにも「価格」があります。

その価格は購入や検討の際の大きなファクターともなります。

当然、家具にも価格はあり、その根拠はじつに様々です。

そして、私ども家具蔵が扱うような「無垢材家具」にも各社によって多様な価格設定がされています。

 

樹種による価格の違いはその樹種ごとの優劣ではない


 

まったく同じデザインであるにもかかわらず価格が異なる、というものが存在します。

これはいわゆる「無垢材家具」でも同様で、その根拠としては「樹種」、いわゆる木の種類によって異なる場合があります。

一言で「無垢材家具」といっても、じつは「樹種」によって価格に違いが出ることがあるのです。

樹種による価格の違いは、その樹種ごとの優劣、ではありません。

価格が低い樹種は高いものに比べて質が劣る、ということが全く無く、その価格差の理由は希少性・生育環境・生育速度・個体数・加工性の良さ、など多岐に渡る要素があります。

木というのは自然の産物であり、森林面積も減少している現代において気候や情勢によっても伐採量や流通量は変化します。

以前はそれほど希少性が高くなかったものが現在は超が付く希少種になっていることも珍しくありません。

また、需要と供給のバランスで価格が決まるのは無垢材でも同じです。

人気があり希少な種類ほど、価格は高くなっていきます。

 

世界3大銘木は、特に希少性が高くそれが高価な理由


 

 

「チーク」「マホガニー」「アメリカンブラックウォールナット」は、木目の美しさや優れた風合いから「世界3大銘木」と呼ばれており、それで製作される無垢材家具の価格も高価な類に属します。

特にマホガニーとチークは希少性が年々増しており、というか現存するものはほぼ無い状態で、良質な原木の入手は特に難しくなっています。

この中でも比較的手に入りやすいのがアメリカンブラックウォールナットですが、さすが世界3大銘木というだけあって、無垢材家具の中でも特にテーブルに使用されるような一枚板は(状態次第ではありますが)高額です。

一枚板の場合、「一枚板」というその響きと実際の希少性がもはやブランド化していることや、そもそも良質の一枚板を確保すること自体が極めて難しくなっている背景が、その価格を押し上げている要因にもなっています。

また、アメリカンブラックウォールナットは、加工性や素材としての安定性も優れていることから高級車の内装材にも使われており、各業界からの引き合いが多いことも人気に拍車をかけています。

 

「広葉樹」と「針葉樹」で価格が変わる


 

 

家具としても、内装材としても、無垢材としてよく使われる木の種類は、ウォーナットやナラ、タモ、ケヤキなどの広葉樹と、スギやマツなどの針葉樹に分けられます。

家具材として主に活用されるのは、「広葉樹」です。

そして価格が高い傾向にあるのも広葉樹で、針葉樹より成長が遅く、良質且つ大きな原木が確保しにくいことや硬さ・耐久性・加工性といった点がその要因といえます

 

安定性も価格の差の違いとなることがある


 

家具に限らず、無垢材を使用するうえで知っておくこととして、湿度の変化で膨張・収縮することがあげられるでしょう。

例えばフローリングなら板同士の隙間の変化や反りなどとして表れることが多いようです。

そのような変化が少ない、つまり、安定性が高いほうが、作り手側からは、そして使い手からも「使いやすい」ということになります。

そのため、必然的に、安定性が高い種類の無垢材は価格が高くなる傾向があるのです。

希少性だけでなく、加工のしやすさもまた価格に影響する部分なのです。

 

テーブルは大きさだけでなく厚みによっても価格が変わる


 

 

ここで、無垢材家具の中でも特に人気のあるテーブルを例に見てみましょう。

無垢材テーブルは、大きさや厚みによって価格が変わります。

大きさは「大きければ大きいほど」価格は高くなります。

同じ樹種でも天板の大きさが変われば価格が変わるのです。

価格の差においてもうひとつ重要なことは「天板の厚み」です。

天板の厚みが厚いほうが価格は高くなります。

分かりやすくいうと、テーブルの場合は、天板面の大きさを表す「面積」でなく、厚みを考慮した「体積」で変わるということです。

同じ樹種で、大きさも同じの場合で価格が異なる場合は、この「厚み」が影響していることも多いのです。

 

接ぎ枚数で変わる価格の違い


 

 

厚みの次に重要なのが、「接ぎ(はぎ)枚数」です。

この言葉は無垢材家具、そして無垢材テーブルを検討する際に、一度は出会うであろう言葉のひとつです。

一般的な認識としては、一枚板テーブル=無垢材テーブルと思われがちですが決してそうではありません。

正確には、無垢材テーブルというカテゴリーの中のひとつに一枚板テーブルが存在する、といった方が良いでしょう。

一枚板以外の無垢材テーブルは、その奥行を確保するために、複数枚の板を横方向に接ぎわせていく手法を取っています。

これによりテーブルの奥行きも決定されます。

人と人が向かい合って食事や作業を行う際に推奨されるのは、概ね85センチから90センチが良いとされています。

この85センチから90センチの奥行を一枚板でとろうとすると、優に樹齢100年以上の大径木が必要です。

どうしてもその絶対数は少なくなります。

そこで生み出された先人の知恵により、カットした板を一定の幅で均一に横方向に接ぎわせる手法が生み出されました。

こうすることで、希望のサイズでテーブルを作ることができるのです。

そして、幅広の板を使用するほど、良質なものを確保するのは難しくなり、接ぎ枚数が少ないものが価格が上がることもあります。

 

自分が気に入った樹種を選ぶ


 

 

無垢材家具は、いわゆる一般的な大量生産品と違い、家具・インテリアの中では高価なものに分類されます。

価格と比例して長期間使用できる、ということは無垢材家具を使用する大きなメリットのひとつです。

使って壊れたら捨てるというものではなく、万が一不具合が出た際も、修理やメンテナンスをしながら使うことが出来ます。

それこそが、「一生もの」といわれる所以でもあります。

 

無垢材家具は樹種によって価格は異なりますが、「価格=その木の価値」では決してありません。

実際の木目や色合い、その木が持つ雰囲気を見て気に入ったものを選ぶ、それが一番です。

人間と同じように、1本たりとも同じものがないという点が、自然で生み出されたものの魅力でもあります。

是非、実際に店舗に赴き、ご自身の目で見てみてください、

私ども家具蔵の木に精通したスタッフたちが、あなたの思いがけない発見のお手伝いを行います。

 

家具蔵の取り扱う樹種の一覧はこちらから

 

 

 

 


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