無垢材のある暮らしと日々のヘルスケアの関係性は
2022.9.1
目次
環境によって健康状態も変わる
長く続くコロナ禍のなかではそれまでと比べて体調の変化に対してより敏感になり、そして健康に対する意識も大きく変化しています。
日々の健康を持続させる、あるいは回復させる手段は多々ありますが、その一端を「環境」に求めることは決して珍しくはありません。
自身が居る場所から受ける「影響」は、気温や湿度、乾燥具合はもちろんのこと、光の加減や聞こえてくる音の内容や大小によっても大きく異なります。
それは身体的なものに限らず、内面、つまり精神的なものも含まれます。
自然素材を使った住まいが健康に良い影響を及ぼす
基本的に人がもっとも長く過ごす場所というのは自宅となります。
つまり、健康やメンタルヘルスへの好影響を自身が過ごしている環境にも求めるのであれば、住まいをどのようにしつらえるか、という点は非常に重要になってきます。
ここで改めて言うまでもなく、自然素材が健康に好影響を及ぼすことは多くの人が知っています。
例えば自然食品は直接身体のなかに入るものなので、その効果は大きく現れます。
そして、自然素材を住環境に取り入れることもまた健康に多大な好影響をもたらすのです。
住まいで使用される自然素材というと、壁に漆喰を使用することが代表的です。
化学物質全盛の現代においてシックハウス症候群を引き起こすホルムアルデヒドを吸着し、再放出しないこと、発ガン性物質を含まず、カビが生育しにくいことなどは住環境において素材がつくる健康環境の代表的なものといえるでしょう。
適度に高い木視率は安らぎと落ち着きをもたらす
前置きが長くなりましたが、住環境で使用される自然素材という点では「木」も欠かせません。
フローリングはもちろん、扉などは木製であることが多く、家具も木製のものは多数存在します。
室内において「木」が見える比率を「木視率(もくしりつ)」といいます。
この木視率は一般的な住宅では20パーセント前後が多いとされています。
この20パーセントは、床を木のフローリングにすると得られる割合であり、これが40~50パーセントになることで
住空間は「安らぎ」と「落ち着き」をより感じることができるようになります。
木で囲まれた空間で長い時間過ごすことは精神的なケア、つまりメンタルヘルスに大きな好影響があるのです。
無垢材を使用することでの環境の改善と健康への影響
一言で「木製(のもの)」とは言っても、本物の木を使用する「無垢材」のものとそれ以外のものに分かれます。
視覚的な効果を得る、あるいは単にインテリアの一環として木製品を使用するなら「それ以外のもの」でも問題ありません。
しかし、住環境に木を多用して多方面における「健康」をケアするなら断然無垢材のものの方が有効です。
木材には本来その構造が小さな細胞の集合体であることから、熱を伝えにくい=断熱性が高いという性質を持っています。
また、木材は「多孔質」と呼ばれる小さな空洞を沢山持つ構造があり、空気中の湿度が高い時にはその湿度を
吸いこみ、空気中の湿度が低い時には溜め込んだ水分を放出するという調湿の役割を果たしてくれます。
このメカニズムが、夏と冬で大きく環境が異なる日本の住環境を快適にサポートしてくれるのです。
これらの働きは薄くシート状にした、「それ以外のもの」、つまり「合板」などの「木質系の加工材料」ではなく、本物の木である無垢材にしかないものです。
無垢材は本物の木ですから、触感も心地よく、この断熱性・吸放湿性においてもフローリングに多用されることはこの部分からも、より納得がいくものとなります。
無垢材は目に良く、吸音性に優れ、リラックス効果も持っている
もう少し、無垢材の健康に対するポジティブな要素を挙げてみましょう。
無垢材は視覚的にも有益なメリットも持っています。
さきの「木視率」にも関わってくる部分ではありますが、木目の模様や木肌の色の濃淡に含まれる「1/fゆらぎ」は人の目に心地よい刺激となり、リラックス効果を得ることができます。
「1/fゆらぎ」とは自然の世界に普遍的に盛られる現象のひとつです。
人の心拍音や脳波の変化、そよかぜや浜辺に打ち寄せる波など、様々な自然現象の波長の元となるパターンを指し、自然界と人、その両方に共通するこのリズムが、安らぎの効果をもたらすと考えられています。
また、その表面にはミクロレベルの凹凸があり、照明や太陽などの強い光を分散し、光の反射率を人の目に良いとされる50~60%に抑えてくれます。
さらに吸音性にも優れ、その放出する成分(フィトンチッド)も精神的な効果を持っています。
木目を印刷したシートでは本当の意味でのリラックス効果や光の反射率、音を抑えてくれる効果はありません。
この様に無垢材を使用したものには、木材そのものが持つ性能により、暮らしをさらに快適にしてくれる効果があるのです。
無垢材家具で「本物の木に囲まれる」健康空間をつくる
このような無垢材の効能を住まいで潤沢に得るためには内装に木を多用する、例えば天井や腰壁を板張りにしたり、梁や柱、建具などでプラスしたりする方法もあります。
もうひとつは家具を無垢材のものとすることです。
その製作方法も多々ありますが、接着剤を多用せず木組みができるのが無垢材家具の特徴です。
そのことでホルムアルデヒドなどの影響を受けにくい健康的な環境を享受することにもつながります。
また、無垢材家具は無着色のものであれば、経年による味わいの変化を楽しむことができ、キズなどの傷みも修復が可能です。
つまり、長い期間を使用することができるものとなります。
内装材に木を多用しすぎると、ともすれば山小屋風となり、空間のイメージが限定されてしまいますが、家具であればより自然に無垢材を空間に揃えることができます。
木視率も家具で十分調整できるでしょう。
住まいや部屋のインテリアを検討する際は、どうしても色味や質感、デザインを重視してしまいがちです。
勿論、自分の好みやスタイルに合った暮らしは精神的な満足感をもたらしてくれる大切なポイントです。
しかし、それだけでなく断熱性や調湿効果、視覚的な効能、そして使用するうえでのストレスの軽減などの快適性も、インテリアを検討する際の重要視すべきポイントと言えるでしょう。
私ども家具蔵は、そのような無垢材家具を扱う工場直営ショップです。
住環境からの健康とインテリアを両立させたいと考える方はお気軽にご相談下さい。
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