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「節有り」「樹脂埋め有り」の一枚板テーブルの魅力とは

2022.10.7

 

 

木の生長過程がそのまま有機的なデザインとなる一枚板


 

 

樹齢100年をゆうに超えるような巨大な1本の木から採り出される1枚の大きな板。

それがいわゆる「一枚板」です。

この一枚板を天板とする「一枚板天板」でつくられるテーブルには、家具好きの人は勿論のこと、家具には特に興味は無い、という人までを引き付ける不思議な魅力があります。

高樹齢の大木というものは今やそもそも現存するものも少なく、そのようなものからしか作ることの出来ない一枚板天板はたいへん希少なものです。

その形状や表情には100年、あるいはそれ以上の悠久とも言える時間が生んだドラマが眠っています。

厳しい自然のなかで様々な環境のもとで生長した結果、有機的な形状と複雑に入り組んだ模様を描きます。

それは唯一無二ともいえるデザインとなって、人々を魅了し、空間を彩るのです。

 

 

本来は「無節・無欠点・通直」のものが評価は高い


 

 

その生長の過程ではどのようなことも起こりえます。

それが自然というものであり、100年を超える時間というのはそのようなものでもあります。

太陽の恵みを受けるべく伸ばした枝は折れるか朽ちるかして、それは「節」となります。

また、外部からの影響を受けて幹に割れが生じることもあるでしょう。

基本的に木材を評価する際の基準の一つに「死節(しにぶし)・抜け節の有無(あるいは多少)」「割れなどの有無」があります。

これらが少ないものほど高価値とされます。

「無節・無欠点」と呼ばれ高い評価を受けるのです。

つまり割れや節は基本的にその材の価値を引き下げるものであり、無いほうが良いとされているのです。

この事実は昔から今でも変わりません。

いわゆる「自然のもの」ですから、そのような表情はあって当たり前、無いほうが希少なのは当然といえば当然です。

また、木というものはその樹種にもよりますが、幹が大きくねじれ、あるいは曲がって生長することも多々あります。

そのなかで「通直(つうちょく・まっすぐに近い形状)」のものはやはり希少であり、特に一枚板のような自然形状がそのままデザインとなるようなものはでは、通直なもの、あるいはそれに近いものは置く空間を選ばないこともあって、やはり評価は高いものとなります。

 

情報化の波が生んだ多様な価値観と節や割れの再評価


 

 

一方で一枚板は、通常の製品、この場合は一般のテーブルでは表現されないような独特の形状や、有機的な曲線の連続が織りなすことで生まれるデザイン性が大きな魅力です。

実用性という点では好みが分かれる部分こそあり、あくまでインテリアとしての有用性ではありますが、その独特の形状も大きく空いた節穴も、広い範囲に生じている割れもすべて自然が生んだデザインとも言えます。

ひと昔前であれば、情報というものは一方的かつ一部からのものに限られていて、それを頼りにモノ選びを行うことは当たり前でもありました。

例えば「一枚板は無節・無欠点・通直のものこそ至高であり、それ以外は良くありません」という情報発信と、それを基準にしたモノ選びが一般的だったとすれば、それが唯一の、あるいは大多数を占める価値観になったのです。

しかし、現代は様々な手段でじつに色々な層からの情報が発信されており、それを受け取る量も、方法も非常に豊富です。

そのなかで以前よりも価値観は多様化し、同時にインテリアへの考え方も画一的なものではなくなってきました。

「一枚板は無節・無欠点・通直のものが良い」という価値観もありながら、それと並行して一枚板の、そして自然材の大きな魅力である「ありのままの姿かたち」も高く評価されるようになり、節や割れのある一枚板もこれまで高評価を得てきたものと同様、あるいはそれ以上に高い支持を受けるようになってきたのです。

 

 

「樹脂埋め」「埋め木」「チギリ」で自然の表情をデザインに昇華させる


 

 

この「節」「割れ」をそのままにしてテーブルとして使用することもありますが、これは実用性の面では使いづらい場合も多く、また、そこから使用していくうちに傷みが新たに生じる可能性もあることから何らかの対処をする必要があります。

(その点で言えば実用性はやはり形状が通直に近く、節や割れが無いものの方がテーブルとして使いやすいのは事実です)

一枚板の割れや節を埋める技法として一般的なのが「樹脂埋め」「埋め木」、そして「チギリ」です。

これらを施してはじめて、ありのままの自然の表情はデザインとして昇華するといっても過言ではありません。

「樹脂埋め」はその名の通り、樹脂材で死に節や抜け節、割れなどのいわゆる「欠けている部分」を埋める方法であり、「埋め木」も同様に欠損している部分を同じ種類の木=樹種(違う樹種の場合もあります)で埋める方法です。

チギリは「契り」とも書きます。

割れている箇所を埋めている部分の上に入るリボン状の部材です。

割れがそれ以上進行しないように留めておくためのもので、これを差し込むのは熟練の職人技が必要です。

こうした加工は今やデザインの一部となって高い支持を受け、様々な手法で一枚板を表現する手段となっています。

 

茶道で使用する茶器に割れや欠けが生じた場合に漆と金粉で修復を行うのが「金継ぎ」「金繕い」というものであり、これは日本における伝統的な修復技法です。

名作といわれる茶器にもこの金継ぎによって修復されたものが数多くあり、この修復によって傷んだものでも元の役割を果たせるように直されています。

腕の良い職人によって金継ぎされたものは、その価値を下げるどころか価値を高めることさえあります。

一枚板も同様です。

腕の良い職人が施した樹脂埋めやチギリは一枚板テーブルとして、その価値を下げることなく、デザインとして楽しめるものとなります。

一枚板を購入することは歴史を購入することでもあり、そのようないわば「木の歴史」である様々な痕跡は樹脂埋めによってデザインにもなり、毎日の暮らしの中心となって残り続けます。

私ども家具蔵でも無節・無欠点の希少なものから割れや節を大胆に埋めたものまで豊富なバリエーションで一枚板天板をご用意しています。

ぜひ一度その魅力に触れてみてください。

 

家具蔵の一枚板天板の詳細はこちらから

 

 

 

 

 


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