「ノックダウン式」の脚を持つダイニングテーブルのメリットとは
2022.10.29
目次
ダイニングテーブルとは基本的には「天板」と「脚」によって構成されており、脚が装備されているテーブルの場合、その形状や取付位置は、その見え方やデザイン全体、ひいては空間そのものの印象を左右するものとなります。
この脚が自宅などへの搬入時に装着されているかいないかは、搬出入をはじめとしたいくつかのポイントにおいて、メリットやデメリットを有するものとなります。
「ノックダウン式」のダイニングテーブルとは
組み立てずに出荷する家具のことを「ノックダウン式家具」と呼びます。
例えばテーブルの脚が搬入時に天板に装着されていない、つまり、天板と脚は別々の状態で届き、現場でそれを組み上げるようなものもノックダウン式家具のひとつです。
ノックダウン式とは、元々は工業製品の生産において部品を現地で組み立てて完成品とする生産方式を指す言葉です。
完成品ではなく、部品の状態で輸送することで生産コストを抑える目的で一般化されました。
それが家具においても部品を送って現場で組み立てを行い、完成させるものを指すようになったのです。
つまり、天板と脚を現地で組み立てて完成させるダイニングテーブルは「ノックダウン式のダイニングテーブル」である、というわけです。
家具蔵の無垢材テーブルがノックダウン式を採用する理由
私ども家具蔵の無垢材テーブルもこのノックダウン式を採用しています。
もっとも、ご注文時にこのノックダウン式にするか固定式(固め込み)、つまり脚が装着された状態で納品される状態かは選択できますが、ほとんどの場合でこの「ノックダウン式」が選択されます。
これを主採用しているにはいくつかの理由があります。
本来のノックダウン式の意味合いには「コストを抑える」というものがありますが、この場合は配送費を抑えることがその目的の一つです。
宅配便では、その料金は「大きさ」や「重量」「距離」で決まります。
「大きさ」は送付物の「縦・横・高さの3辺の合計」であり、これは家具輸送でも同様です。
脚が装着されている状態では脚以外の部分は空気を運んでいるだけにもかかわらず、その分の配送費も加算されてしまい、割高になってしまうのです。
家具蔵の無垢材テーブルがノックダウン式を主採用しているのは余計な配送費が加わらないように、という配慮があります。
ノックダウン式のダイニングテーブルは搬出入時でメリットがある
ノックダウン式とは完成形で搬入されるのではなく、現地で組み立てを行うものであり、その場合はダイニングテーブルも同様に「天板」と「脚」を現地で組み立てます。
私ども家具蔵でも、ノックダウン式の場合は天板と脚を分けた2つの梱包で発送して搬入したのちに、意中の設置場所で配送員が組み上げまで行うスタイルを採用しています。
これは搬出入を容易にし、様々な住宅事情に対応するためでもあります。
搬出入における設置場所、そしてそこまでの間口や経路は住宅によって様々です。
開口や通路幅が大きくどのような形状でも楽々通過できる、というのは実は稀です。
おおよその場合、なにがしかの制限があります。
集合住宅におけるエレベーターの開口幅、玄関や通路の幅やクランク、戸建住宅で2階などに配置する際には階段の幅及びクランクなど、脚が装着されている状態では通過できないケースも大いに考えられます。
天板と脚が分かれているノックダウン式であることは、天板と脚それぞれの移動となることで納品時に搬入ができないという事態を避けることができる要素があるのです。
あるいは新築の完成前で開口が大きかったのでテーブルが搬入できたが完成後では搬出ができない、ということもありえます。
私ども家具蔵の無垢材テーブルのようにメンテナンスができるものが搬出できない、あるいは引っ越しの際にも新居に持っていきたいのに難しい、ということは避けたいものです。
搬入だけでなく、将来の引越しや買い替え、メンテナンス等の搬出時にもノックダウン式のメリットが存在します。
高さ可変のメリットがある
家具蔵の無垢材テーブルの脚は全部で16種類もの形状が展開されていますが、ここにもノックダウン式のメリットが活きてきます。
1番ポピュラーな4本脚の場合、将来的に現状の脚をカットして座卓として使用したり、高さの低い脚を追加注文ないし事前に用意しておいて必要な際に座卓へ転用することが可能です。
それは現地で脚を取り付けるノックダウン式であるからに外ならず、固定式では脚の交換は難しい、あるいはかなりの手間とコストを要するものになります。
例えば、テーブルを購入した後に現状とは異なる高さの脚を追加注文して暮らしのスタイルの変化に対応させている人や、来客時などにダイニングテーブルの脚を付け替えて座卓とし、着座人数を増やすような人もいます。
レッグジョイントを採用している理由
家具蔵の無垢材テーブルでノックダウン式を採用する場合には「レッグジョイント」という金物を使用します。
天板側に凹型金物、脚側に凸型金物を埋め込み、脚側の金物を天板側の金物に差し込んでボルトで固定する仕組みです。
一般的なテーブルでは脚側の金物がネジ式になっており、脚本体を回しながらねじ込むタイプが多く見られます。
この様な構造の場合、脚の差し込み角度を少し間違えるだけでもねじ山を切ってしまい、二度と使えなくなってしまう事があります。
また、金物の平板やL型金物などが脚側に付いており、木ねじで天板へ止める構造のテーブルも見かけます。
この場合、一度外してしまうと2回目にはゆるみが発生しまう可能性があります。
しかしレッグジョイントであれば、その様な可能性はありません。
ノックダウン式であっても、その構造が長い使用に耐えうるものでなければならない、という配慮からの仕様です。
この様にダイニングテーブルがノックダウン式である事で搬出入だけでなく、様々なメリットが生まれます。
特に大きなテーブルの場合はノックダウン式でなければそもそも、住まいの中へ運ぶことが難しいことも想定されます。
ダイニングテーブルを選ぶ際はついついそのデザインや価格だけを検討してしまいがちですが、長期間使うための構造の部分にも焦点を当てて検討することをお勧めします。
私ども家具蔵各店でも、ダイニングテーブルを選ぶ際に大切なポイントをしっかりとご説明していますのでお気軽にお声掛けください。
関連する記事
最近の投稿
- チェリー材の家具を選ぶ際には“ここ”を見る 2024年11月20日
- “重たく見えない”無垢材家具の取り入れかたとは? 2024年11月18日
- “サステナブルな”家具選びとは? 2024年11月16日
- 年末年始営業と価格改定のお知らせ 2024年11月14日
- ダイニングテーブルの高さの「標準」と「適切な高さ」は違う? 2024年11月12日
- リビングテーブルは使い方や空間に合わせて選ぶ 2024年11月10日
- “一脚あると便利”なスツールはこう使う! 2024年11月8日
- ダイニングセットを購入するなら“椅子から選ぶ”その理由とは? 2024年11月6日
- キッチン収納 “スライドレール“の違いや構造とは? 2024年11月4日
- 「良い家具を選ぶと長持ちする」と言われる理由との選び方とは 2024年11月2日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,573)
- インテリア&住宅情報 (639)
- 人と木と文化 (397)
- ニュース&インフォメーション (440)
- オーダーキッチン関連 (406)
- 一枚板関連 (635)
- オーダー収納関連 (617)