「触って感じる」癒しがある家具を選ぶということ
2022.12.16
目次
家具も触り心地が良ければ癒しに繋がる
家具は空間を彩るインテリアであると同時に実際に日々使用する道具でもあります。
道具である以上、それを使用する際には直に手に触れなければいけません。
握る・掴む・つまむ・手を添えるなど「触れる」行為には多々ありますが、その際に心地よく感じる、つまり「触り心地が良いもの」であれば、その何気ない行為にもある種の癒しが生まれます。
良い肌触りや手触りは幸せホルモンを生む
触り心地は触感とも言い換えられます。
触感、あるいは触覚というものはその名のとおり、ものを「触った」際に生じる感覚であり、五感のうちでも最も原始的な感覚です。
人が外界と接触する最初の部分は「皮膚」です。
皮膚はいわゆる「外膜」ですが、同時に皮膚自体がホルモンを生成して脳に影響を及ぼしています。
皮膚が感じる「心地良さ」と脳の関係について、同じ衣服でも柔らかなものとゴワゴワのものを着比べたところ、柔らかなものを着たほうが「ストレスホルモン」が軽減することがわかりました。
あるいは複数の異なる素材の布を用意し、好きなもの・嫌いなものを選んだのち、左手を氷水に浸けながら右手で好きな素材あるいは嫌いな素材に触り、そこで左手が感じる痛みを計測したところ、好きな素材を持ったときには痛みを軽減できたということもありました。
これらの実験結果は、肌触りや手触りの良いものを触っていると俗に「幸せホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」が生成され、ストレス軽減につながっている可能性があることがわかります。
肌触りや手触りが良いものは単に「心地良い」と感じるだけでなく、科学的にみても安心感や癒しを提供しているのです。
無垢材は手触りが良い
家具は毎日手に触れるものです。
手触りが良いものであれば、ただ使用しているだけでも癒しやストレスの軽減を知らず知らずのうちに享受できます。
「ごつごつ」「もちもち」「ふわふわ」と触感に関するオノマトペは非常に豊富であり、それだけその感じ方もその表現も人それぞれです。
そのなかで、家具に使う素材としてほぼ例外なくその手触りにポジティブな感想がでるのが「木材」、特に木そのものともいえる「無垢材」です。
無垢材に触れることはリラックス効果をもたらす
この場合は表面に油分を染み込ませただけの「オイルフィニッシュ」の方が木肌そのものの触感を味わいやすいという意味で良いかもしれませんが、無垢材家具を実際に手で触れるとその樹種によってもその質感が違うのがわかります。
かすかに凹凸を感じるもの、比較的ツルツルしているもの、少しザラザラしているもの、実に多様です。
ただ、その違いをもって「この手触りは嫌だな」と感じることはほぼ無いはずです。
それこそが自然材が持つ力であり、実際に目を閉じた状態です。
それは木材と他の素材に手で90秒間触り「素材をなでる」のではなく「素材の上に手のひらを置く」という実験で立証されました。
他の素材と比べて木材を手で触ることは脳の活動を鎮静化させ「副交感神経活動」が高くなるというリラックス効果をもたらすことが明らかになったのです。
つまりこの「触った時の心地よさ」は同時にリラックス効果を生み出すことに繋がっています。
身体にストレスが掛からない無垢材と熱伝導の関係性
木材に触れた際の身体的な影響は他にも科学的に実証されています。
木材・ガラス・金属・プラスチックにそれぞれ触れた際の生理的変化を血圧の変化で測定したところ、木材以外の素材では血圧が上昇したのに対して、木材ではほとんど変化がみられませんでした。
このことから、木材は金属やプラスチック、あるいはガラスよりも体へのストレスをかけないということが科学的にも証明されたということです。
このストレスフリーな感覚の秘密のひとつに「熱伝導率」があります。
これは人が物質に触れたときに、体温が触れた個所から物質へ移動する伝わりやすさを表します。
熱伝導率の小さい物質は、手で触れたときに体温があまり奪われることなく、温かい印象を受けやすくなります。
例えば熱伝導率の高いコンクリートに触れ、冷たく感じるのはコンクリートに人間の体温が伝わり、急速に熱を奪われるためです。
対して木材は鉄の330倍、コンクリートの10倍と言われるほど高い断熱、保湿効果を持っています。
無垢材の家具に触れたときに、コンクリートや鉄に比べ、ぬくもりが感じられるのはそこに理由があります。
無垢の木材が熱を伝えにくいのはその構造が小さな細胞の集合体であるためです。
熱伝導を妨げる空気層が多いことで、温かく感じられるというわけです。
実際に使用する中で手で触れて落ち着きや安らぎ、癒しを感じることのできる無垢材。
それを使用して製作する無垢材家具は、リラックス効果を享受できるというメリットがあり、これは日々の暮らしのクオリティを上げる手段のひとつにもなりえます。
オイルフィニッシュ、あるいはウレタンクリアフィニッシュのようなコーティングされたものでも、私ども家具蔵の無垢材家具のように熟練の職人が「薄く」「強く」「手仕事で」塗装を施すものならその質感を損なわずに心地良い手触りのある家具がある暮らしを楽しむことができます。
家具蔵各店ではそのような無垢材家具の数々を実際に手に取って触れて、その触感を確かめることができます。
ぜひ皆さま、工場直営家具ショップ「家具蔵」へお越しください。
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