一枚板テーブルは国産の樹種を選ぶのが正解なのか?
2022.12.22
目次
一枚板テーブルは国産の樹種を選ぶのが正解なのか
一枚板を検討している人から「国産材はどれですか?」という質問をいただくことがあります。
どのようなものでも国産は安心、あるいは地産地消「的」な考え方を持っている、日本人だからやはり日本の木を使用したものを、など人によってもそのきっかけは様々です。
国産材には木材として使用するにあたって、世界的な見地からも非常に素晴らしいものが多々あります。
独特の色合いや質感、杢を持つものも多くあり、その点で国産材、あるいは特定の樹種にこだわって一枚板探しを行うことはたいへん良いことです。
しかし、世界には数多の樹種があり、そのどれもが国産材に勝るとも劣らない美しさや木材としての性能を備えています。
国産材以外に目を向けると思わぬ出会いがあるかもしれない?
まずは、日本に育つ木で一枚板としてよく耳目にするのは、広葉樹に限定した場合、ケヤキ・クス・セン・トチ・タモ・ナラ・クリなどでしょう。
どれも日本を代表するもので、それぞれに特徴と魅力を兼ね備えています。
海外の樹種としてはウォールナット・チェリー・ハードメープル・ホワイトアッシュなど北米やヨーロッパ産のものがつとにポピュラーで目にしやすいものでもあります。
さらには赤道付近や熱帯雨林を産地とする木々。
世界三大銘木と称されたミャンマーチークやホンジュラスマホガニーを筆頭に東南アジアや中南米にも魅力的な樹種が多々あります。
最近ではアフリカ大陸産の樹種もそのクオリティの高さから人気が高まっています。
サペリ・ボセ・ブビンガ・ゼブラウッド・パープルハート…。
どのようなものでもその土地だからこそ生まれるもの、その土地で育つからこそ高いクオリティとなるものが存在します。
世界の気候やその土壌はじつに多様です。
その環境において木には個性が存在し、それぞれが素晴らしいものです。
日本国内の樹種は確かに世界でも高い評価を受ける銘木揃いですが、世界は広く、海外に目を向けると多様な樹種が存在します。
何かしらの理由があって国産材にこだわるのでなければ、ここで目線を拡げてみると、思わぬ出会いや掘り出し物と出会うことができるかもしれません。
国産材の魅力をケヤキから学ぶ
日本国内で育つ樹種の中で一枚板として常に高い人気を誇るのが「ケヤキ」です。
ケヤキの語源は形容詞の「けやけし」の活用形で、「美しい、珍しい、特に優れている」という意味を持つ言葉です。
諸説ありますが、ケヤキの樹を見て、人々が「けやけき木」と慈しんだことから「ケヤキ」と呼ばれるようになったとされています。
ケヤキは一枚板になる前の立ち木の姿さえも美しいというのです。
立ち木の状態を見たことが無い海外の樹種よりも、実際に近隣に生えていて親しみや尊さを感じることができる点もケヤキをはじめとした国産材の魅力です。
箒を逆さにしたような立ち姿のケヤキは街路樹としても各地で親しまれ、超高樹齢のものも存在します。
ケヤキの巨大な威風堂々とした姿に、私たちは神秘的な生命力と頼もしさを感じていて、それをテーブルとして暮らしに取り入れたくなるのかもしれません。
一枚板となったケヤキには力強いダイナミックな木目が流れるように曲線を描き、鮮やかな存在感で空間を演出します。
ときには「牡丹杢」や「珠杢」、「サバ杢」など珍しい杢が現れ、装飾的な価値を持つこともあります
このような特徴を持つケヤキの一枚板テーブルは、日本人が持つ「詫び・寂び」という美意識をも再認識することができる銘木でしょう。
ウォールナットは海外産材の王道
ウォールナットは世界三大銘木のひとつとも称され、家具材のロールスロイスとも呼ばれます。
「一枚板の王様」と呼ぶ人さえいる高いクオリティを誇ります。
ウォールナットはいわゆる「クルミ」の木ですが、アメリカンブラックウォールナットでもオレゴン産のものが特に評価が高かったり、イングリッシュウォールナット・イタリアンウォールナットといったユーラシア大陸で生息するもの、ハイブリット種でもあるクラロウォールナットなど、産地によってそれぞれの個性を持ち、そのどれもが独特の魅力を持っています。
北米産のアメリカンブラックウォールナットは特に人気も高く、家具販売店や一枚板専門店で目に触れることも多いものです。
ウォールナット材の魅力のひとつにその唯一無二の複雑な色合いがあります。
ウォールナット材の色合いを一言で言い表すのは非常に難しいのですが、黒とも濃茶色とも評される中で様々な色素が入り混じり、そのことでどのような空間にも合わせやすいのが特徴です。
また、軽くて加工性に優れたウォールナット材は、一枚板テーブルを引き立てるチェアやリビングボード類などにも多く用いられることから、空間全体をウォールナット材で統一することができることも魅力です。
希少な存在であり、高級感の漂うウォールナット材は、身近な存在というよりも憧れの存在として、人気の樹種と言えるでしょう。
アフリカ産の一枚板の魅力を体現するサペリ
「サペリ」という木をご存知でしょうか。
サペリはアフリカ大陸の赤道付近、アフリカ中西部に分布するセンダン科の木です。
非常に大きく育つ樹として知られていて、家具の他には床材や楽器の材料にも使われている素材です。
サペリ材の一番の特徴は、美しく輝く帯状の杢です。
「リボン杢」と呼ばれる縞模様は、見る角度や光の当たる角度によって、縞模様が濃く見えたり濃淡が薄くなったり、ときにはきらきら輝いて見えることがあります。
華やかさと落ち着きが同居した色合いも多様な空間に合わせやすく、高い注目を集めているのがアフリカの銘木サペリの一枚板テーブルです。
日本に住む人にとって、ケヤキの立ち姿の美しさを知っていて、一枚板の杢目や色合いをより楽しむことができるという意味ではその選び方は大正解です。
一方で北米産のウォールナットやアフリカ産のサペリもそのニーズにそぐえば、十分に満足できる銘木です。
一枚板選びで大事なのはどこで生まれ育ったかではなく、それを選ぶことでどのような恩恵を享受できるかです。
国産材を使用することに高い満足感を得る人はそれを重視してよいでしょう。
その木にしかない独特の風合いや表情を楽しむためでも良く、その結果が海外産材であってもそこに満足感や充実感があればよいのです。
要はどの樹種であってもそれぞれに素晴らしい魅力があり、その魅力を知ることでテーブル選びも楽しく、使用していても高い満足を得ることができるのです。
そのような一枚板選びを私ども家具蔵もサポートします。
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