収納付きのベッドは便利だが…
2022.12.23
収納付きのベッド
ベッドには、下部に洋服収納などに使用できる引き出しが付いているものとそうでないものがあります。
引き出しが付くことで、デッドスペースともなる寝床下部のスペースを有効に活用できる点が人気であり、数多くのものが世に出ています。
これを読んでいる人にもそのようなタイプのベッドフレームを使用している、という人もいることでしょう。
収納事情は多くの人が悩みを抱えているものであり、そのメリットをおおいに享受している人もいれば、私ども家具蔵にお越しになるお客様からもそのようなものの取り扱いはあるか、という質問をいただくこともあります。
しかし、家具蔵では下部に引き出し収納を装備したベッドフレームはご紹介していません。
その理由をお話ししていきます。
収納付きベッドの使い方やメリットは?
この場合の「収納」は主に引き出し収納となります。
デッドスペースともなるベッド下部のスペースに引き出しを実装させることは不足しがちな収納スペースを増やすという意味ではたいへん有用です。
引き出しは内容物を上から見下ろす状態で視認し、仕分けておくことができるものなので、この部分=足下部にある程度の深さを持った引き出しがあることはやはり便利といえます。
さらにベッドの場合はその横幅は約2メートル程度ともなるので、そこに引き出し収納が何杯かあればかなりの量の荷物を収めることができます。
ここには下着や靴下といった日常使いのもの以外にも季節違いの衣服や使用頻度が高くないものなどを収納されている人が多いようです。
物理的に収納家具(収納スペース)を用意する必要が無くなることもあるので、その場合は部屋のスペースを広く使うのにも貢献します。
収納付きベッドで起こりうるデメリットを知っておく
便利なことだらけの収納付きのベッドですが、そこにはいわゆるデメリットも存在し、この点に気を付けないと収納しているもの、特に季節違いでそこにしまっているだけの大事な衣服や、とっておきの機会に使用する大事な鞄などを駄目にしてしまう可能性もあります。
その点のリスクは必ず覚えておきましょう。
まずは「カビ」による内容物の傷みです。
ご存じのようにカビは湿気によって生まれます。
寝室は意外と湿気が多い場所です。
人は寝ている間に、約コップ1杯分の汗をかき、その汗=水分から来る湿気はマットレスを通過し、ベッド下部に流れていきます。
収納付きベッドの場合、その引き出し部などに湿気が滞留しやすくなるので内容物や引き出しそのものに傷みやカビなどは発生しやすくなります。
定期的な引き出しの取り外しとどこか別の場所で干しておくような対処も必要です。
あるいは掃除の問題。
収納付きベッドの引き出しは一見底部全面が床にピタッと接地しているように見えます。
ですが、それでは引き出しが床に接触してしまうので上手く開閉できません。
ある程度のスペース=隙間は存在します。
そこに埃が溜まることで衛生面においてのマイナス、あるいは単純にそれが気になるというようなことが起きます。
そこで掃除を行う際にはやはり引き出しを抜くなどの手間はあり、頻繁にそれを行うのはやはり億劫になりがちです。
家具蔵のベッドフレームの考え方
私ども家具蔵が無垢材ベッドフレームの下部に引き出し収納を採用しない理由もまさにそこにあります。
ベッドフレームは基本的に「マットレスや寝具を載せておくもの」であり、快適な睡眠環境をサポートするものです。
快適な睡眠環境とは時間や部屋の明るさなども関係しますが、私どもが家具をご提供するうえでできることは湿気や埃とは極力無縁な状態とすることです。
そもそもベッドフレームを使用するメリットは床面から約30センチ以下の空間に多く舞うと言われる埃・粉塵から鼻腔・口腔内を守ることであり、それは就寝中という無防備且つ長い時間を過ごす自身の健康を守ることでもあります。
湿気の発生については避けようが無いので、それをいかに逃がし、家具にも睡眠環境にも好影響をもたらすことができるかが重要です。
家具蔵のベッドフレームはテーブルを作成できるような分厚い無垢材で製作されており、期間の使用に耐えうる強度を持っています。
必然的に湿気が多くなる寝室のような環境の中でも無垢材は調湿効果をもたらすこともわかっています。
その重厚なフレームはいわゆる「軋み音」も出づらく、そのことがより快適な睡眠環境へと繋がるのです。
そのうえでマットレスや自重をささえることになる床板部にも特徴があります。
一般的なベッドフレームはベニヤや突板のボード等が装備されていることがほとんどですが、家具蔵のそれは調質性にすぐれたシナ材をスノコ状に使用しています。
厚み50ミリにもなる極厚の無垢材床板が抜群の調質性を誇り、寝ている間の汗や湿気の滞留を防ぐのです。
また、固定設置するのではないので取り外してベッドフレーム下部全体の掃除を行うこともできます。
家具に他の機能を持たせ、「付加価値のある家具」として世に出ているものが市場では多くなっています。
それ自体は非常に素晴らしいことですが、場合により健康面に与える影響の違いがあることも考慮すべきです。
本来重要視されるべき観点、本質を捉えて家具を見直してみることは今後の人生にとっても大きい見直しなのではないでしょうか。
家具蔵ではベッドフレームに限らず、本来の利用目的をどこまでも快適に追求できるプロダクト展開、そのうえで付加価値も追い求める、そのような家具づくりを行っています。
是非一度、体感されてみてはいかがでしょうか。
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