今さら聞けないテーブルと椅子の「差尺」とは?
2023.1.27
「差尺」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
「さじゃく」と読みます。
テーブルの天板の高さから椅子の座面の高さを差し引いた寸法を差尺と呼んでいます。
ダイニングセットを購入する際にこの「差尺」を考えることは実はかなり重要です。
テーブルと椅子はセットで購入することも多く、その場合はこの点を気にすることは少ないはずです。
展示している商品をセットでそのままの高さで購入する、ということであればこの差尺も基本的には適正なものとなっていることも関係しています。
ただしテーブルは既存のものを使用し、椅子だけを買い替える場合。
あるいはその逆で椅子はそのままでテーブルを買い替える場合。
この差尺はダイニングスペースでの居心地を大きく左右する、大事な選択項目となってきます。
今回はこの差尺について少し掘り下げてみましょう。
差尺の考え方
差尺とは前述したようにテーブルの天板の高さから椅子の座面の高さを差し引いた寸法となります。
例えば、椅子の座面高に対してテーブルが高すぎるとどうでしょうか。
作業面となる天板が高いことで作業や食事がしづらくなります。
逆に椅子の座面高に対してテーブルが低すぎると猫背になりがちで腰を痛めるようなこともありえます。
椅子に座りテーブルで作業を行うという状況に適正な高さ関係となる差尺にする必要があります。
簡単にいうと椅子の座面とテーブルの高さの関係を使いやすい数値に調整することが「差尺の調整」なのです。
差尺の算出
差尺には基準があり、そこには標準的な計算式があります。
ある計算式でテーブルと椅子の丁度良い高さが割り出すことができます。
その計算式は「座高÷3-2センチ」と一般的にいわれています。
座高は「身長×0.55」というのが目安となります。
例えば身長が160 cmの方であれば、座高は160×0.55=88(センチ)となります。
上記の計算式で適正な差尺を計算すると88÷3-2=約27.4(センチ)が適正な差尺になってまいります。
日本人の一般的な伸長から考えていくと、この差尺は27あるいは28センチが適正な差尺といわれています。
差尺の重要性
この差尺はどのようなに暮らしに関わってくるのでしょうか。
シーン別に見てみましょう。
●食事の場合
食事をする時は「食事がしやすい」ということが大前提となります。
差尺が高すぎても低すぎても食事はしづらくなります。
また、食後の寛ぎも関係してきます。
食後にテーブルの天板の上に腕を置くことで腕の重さを預けることができ、より寛ぐことができます。
腕を置く際にも高すぎると肩が不自然に上がり、低過ぎても猫背気味になって置きづらくなります。
その適度な差尺が27~28cmとなってきます。
●デスクワークの場合
デスクで作業をする際には食事とは違って「作業」が中心となってきます。
作業する際には背筋を伸ばす、という時間が長くなってきます(その方が疲れにくく効率も良い)。
そうするとテーブルの高さはお食事をするよりも少し高めが長時間の作業性もよくなってきます。
その適度な差尺が29~30cmとなってきます。
少しの差尺の違いでも暮らしの中での暮らし方、暮らし易さが違ってきますので慎重に考えなければなりません。
細かな採寸も大事ですが、腰をかけてテーブルに腕を置いた時にヒジが直角になっているかという点を目安にすると良いでしょう。
差尺を決める手順は椅子の座面高→テーブルの高さ
テーブルと椅子を選ぶ際に重要になる差尺ですがどのような手順で確定していけばいいかお分かりでしょうか。
考え方は色々ありますが基本的には自分の身体に合う椅子を選ぶことが第一となります。
身体に合う、というのは脚が踵までしっかりと着くということとなります。
特に女性の方は床に踵が着かないこともままあるのでより重要です。
スリッパを履いたり、素足になったり、普段の暮らし、過ごし方で確認しましょう。
次に座面の高さに適したテーブルの高さを選べばそれだけで問題ありません。
先述した差尺27~28cmというのは一般的な寸法となりますので自身の伸長に合った差尺を選びましょう。
可能であれば家具販売店で実際にテーブルや椅子の高さを調整してもらうといいでしょう。
しかし家具販売店によっては調整ができない、というところもあるので注意しましょう。
細かい部分に関しては人それぞれ違う「感じ方」がありますので「体感」を大切にしてください。
テーブルと椅子の高さを合わせる作業である差尺の調整は服や靴のサイズを合わせるのと同じようなものです。
大きくても小さくても違和感がでるものです。
特に家具という長時間使用するものになるのでより慎重に調整しないと長期にわたって使いづらいものを使用することにつながります。
家具蔵ではテーブルも椅子もお客様の身長や過ごし方に応じてしっかりと調整いたします。
ご家族など複数名で使用する際には、皆様の平均値やメインで使用する方などの状況を把握して設定します。
テーブル、椅子をお考えの際には素材、デザイン、大きさだけではなく「差尺」も重視してください。
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