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ウォールナットとチェリーの違いとは?

2023.1.31

 

 

私ども家具蔵が取り扱う樹種のなかで人気が高いのは何か、という問いに対して答えるならば

「ウォールナット(アメリカンブラックウォールナット)」と「チェリー(アメリカンブラックチェリー)」と言えるでしょう。

そのほかの樹種も一様に素晴らしい特徴を持ち、魅力を放っていますがこの2つの樹種は特に高い支持を集めています。

 

 

ウォールナットとチェリーの「見た目の印象」の違い


 

 

両者の外観上の大きな特徴はその色合いにあります。

ウォールナットは黒と言っても差し支えのない、様々な色合いが交じり合って生まれる濃茶の色合いが大きな特徴です。

チェリーは強い赤みを帯びた飴色であり、その両者を並べた際にはまさに両極端な印象を与えます。

ウォールナットは「落ち着き」を、チェリーは「温かみ」を見る人の印象や空間に与えてくれます。

そのうえで両者に共通にするのは気品であったり、高級感でしょう。

ウォールナットの方が、その素材としての歴史を見てもよりラグジュアリーなイメージ、対してチェリーの方がややカジュアルな印象にはなりますが、それでも長く使用していくうちに生まれる独特の艶はえもいわれぬ高級感を醸し出します。

どちらを選んでも実際に室内における内装に合わないということはないので、どちらを選ぶか悩む人も多いのではないでしょうか。

 

ウォールナットとチェリーの「木としての違い」


 

 

ウォールナットはいわゆる「クルミの木」であり、チェリーはバラ科に属する「サクラの木」です。

クルミの木というのは200にも及ぶ亜種が存在し、ヨーロッパ南東部から日本を含めたアジア全域、また南北アメリカに掛けて広く分布しています。

そのなかでも「頂点」に位置していると言われているのが北米産のアメリカンブラックウォールナットです。

クルミの木は言わずと知れた食用に使用するクルミの実が採れる木ですが、特にこのウォールナットは素材として優秀で、耐久性の高さや、軽めで狂いの少ない硬質感などから建具や家具など生活全般に広く使用されてきました。

このブラックウォールナットの最大の価値が、南方系の木に見られる濃茶の色合いを北半球で唯一持っている木という点です。

この希少性から中世ヨーロッパの権力者たちがこぞってブラックウォールナットを求め、この木の価値を更に高めることとなったわけですが、その中でもアメリカンブラックウォールナットは「家具材のロールスロイス」の異名をとるほど完成された樹種と言えます。

一方でチェリーも世界中にあるバラ科3000種の木のうちの一つであり、良材が確保できる木として長い間、様々な活用がされていました。

アメリカンブラックチェリーの実もまた食用であり、樹皮が薬に活用されたり、パイプの素材や燻製料理にも使われてきたなかで家具材としても銘木マホガニーに匹敵する木として「ニューイングランドマホガニー」とも呼ばれていました。

製材したての時は淡い色合いをしているのですが、時間の経過と共に紫外線などの影響から最終的には深い赤褐色になり、その劇的な変化から「使い込むごとに味わいが増す」事を実感できる木でもあります。

18世紀後半から19世紀に掛けて、アメリカのニューイングランド地方に自給自足の暮らしをするシェーカー教徒が作っていた家具は、このアメリカンブラックチェリーが用いられており、その美しさや剛性が親しまれてきたのが分かります。

 

ウォールナットを多用した空間の印象は


 

 

ウォールナットを多用した空間はその雰囲気から非常に落ち着きのある、高級感あふれる空間となります。

黒に近い色だけに全体をウォールナットでまとめた場合、空間の印象が暗くなるようにも思われがちですが、決してそのようなことはありません。

無着色仕上げのウォールナット材家具は使用していくうちに色合いを明るく変化させていきます。

黒に近い色合いからまろやかな茶色が強くなるイメージです。

そこで現れる複雑に入り組んだ木目は美しく、空間のなかでも良いアクセントとなります。

同時にこの木目はまるで墨を流して描く水墨画のような雰囲気もあり、和室空間とも好相性です。

あるいは明るい、例えば白基調の空間のウォールナットの家具をレイアウトすると、白×黒のコントラストがはっきり出る空間となり、パキッとしたメリハリの利いた空間となります。

モダン性をより演出できるのでそのようなインテリアテイストが好きな人にもお勧めです。

 

チェリーを主役にした空間の印象は


 

 

チェリーの家具を主役に持ってきた空間は温かみやぬくもりを視覚でもはっきり感じることのできる空間となります。

ウォールナットと比べるとややカジュアルな印象もあり、日常を過ごす空間であまり肩肘を張るような緊張感を持ちたくない、という人にもうってつけかもしれません。

チェリーは使用していく中で深みのある色合いに変わっていきますが、他の樹種と比較してもその速度は非常に早く、いわゆる「味出し感」をしっかりと確実に味わうことができる点は無着色仕上げの無垢材家具を使用する醍醐味を大きく感じることのできる樹種と言えるでしょう。

コーディネートの万能性においてはチェリーもウォールナットにひけを取りません。

あらゆる内装材と相性が良く、空間を選ばない点は多様な楽しみ方を持つ樹種です。

 

ウォールナット×チェリーの合わせ方


 

 

両者を同じ空間に置いたとして、互いの存在感を上手く生かすのであればチェリーの分量を多くするのがお勧めです。

ウォールナットの方が強い色合いを持っており、そのようなものを「差し色」として使用することで互いがうまく引き立ちます。

例えばダイニングテーブルはチェリーとし、それに合わせるダイニングチェアはウォールナットというのも良いでしょう。

逆でも決してダメではないのですがウォールナットの力強い色合いが広い面となった際にチェリーのチェアが「負けて」しまう印象が出ます。

両者を合わせるならウォールナットは差し色とすることがお勧めです。

ウォールナットとチェリー、互いに人気の高い樹種ですがどちらを選んでも不正解は無く、重要なのはなぜそれを選んだのか、そしてどのように見せていくかです。

樹種選びに迷ったらお気軽に家具蔵各店スタッフにお声がけ下さい。

豊富な知識とツールであなたの家具選びをサポートします。

 

ウォールナットの無垢材家具のある暮らしの風景はこちらから

 

チェリーの無垢材家具のある暮らしの風景はこちらから

 

 

 


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