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キッチンの吊戸棚の高さは何と誰を基準にする?

2023.5.3

 

無垢材家具 無垢材収納 吊戸棚

 

家の中でもキッチンは特に「ものが多い」場所といえます。

食器やカトラリー、調理器具やキッチンツールはもちろんのこと、調理家電の類もここに配置されることが多く、ごみ捨てに関するものなども一堂にキッチンに集まるためです。

そのような「置いてあるものが多くなる」ことはキッチンにとって避けられないものであることを前提に、キッチンにおける収納は様々な工夫や仕様を見ることができます。

キッチン収納において、多く見られる収納の仕様が「吊戸棚」です。

キッチン本体の上部、あるいは背面の上部を上手に活かすことができる収納仕様として、多くのキッチンで目にすることができます。

キッチン自体、建売などでは標準仕様になっているものを採用する、あるいは営業などの人から勧められたものをそのまま取り入れるといったことも多いものですが、せっかく自身が使用するキッチンです。

どのようなものが使い易いかをしっかりと見極めたうえで選択したいものです。

吊戸棚も採用するとしたら自身にはどのような仕様が合うか、全体の高さや取付位置はどの程度が良いのかなどを考えていくことで日々の家事もよりスムーズに進めることができるようになります。

 

 

吊戸棚は地震でも転倒の心配がない


 

吊戸棚を取り入れることのメリットの一つとして、地震大国であるこの日本においては高い位置に収納を確保できながらも転倒の心配がないことが挙げられます。

扉の開放というリスクについては扉部に耐震ラッチを装備させる、あるいは引き戸仕様にすることで万が一の場合も中から食器が飛び出してくることを防ぐことができるので安心といえます。

 

吊戸棚の扉の種類


 

 

一般的に「吊戸棚」というと、いわゆる「開き扉」のものをイメージする人も多いのではないでしょうか。

扉全体が収納箱部の上に被さるような仕様となることで、箱部が隠れ、意匠としてスッキリ見せることができます。

両開きのものは左右両方の扉を開放させることで、容量の大きなものを収納することも可能です。

扉を開けた際には当然ながら扉は前面に出てくるので、扉が照明や消火設備に接触しないようにしておく必要があることは選択のポイントとなるでしょう。

古くから日本の家具に用いられている引戸仕様もここ数年で見直されています。

地震に備えた安心感と、扉が前面には出てこないことによる省スペース性が魅力です。

この場合、気をつけておきたいのが、引き戸仕様は2枚扉の場合はどちらか片方からしか物の出し入れができないことです。

サイズによっては扉一枚の面積が小さくなり、幅の大きなものは入れづらくなることがありえます。

また、基本的には扉を開ける際には扉が2枚重なるため、箱部に扉2枚分の面積が必要となることで奥行内寸がその分狭くなることも要注意です。

そして、最近ではフラップ扉タイプの吊戸棚も多く見かけるようになりました。

跳ね上げ式のフラップ扉はステー(扉や収納家具の開閉部分に取り付け、開放状態を持続したり、開閉スピードをコントロールしたりする金具)を使用するので開いたままにしておくこともでき、扉も邪魔にならず、ものの出し入れも容易です。

天井までの高さがある吊戸棚では採用しづらいのですが、手が届く範囲、脚立に乗らずとも目で見える範囲の収納があれば十分という人には相応しいものといえます。

 

吊戸棚本体の高さはどのくらいとするか


 

 

本体の高さが500ミリ・600ミリ・700ミリ・900ミリといった、いわゆる「規格」で用意されることが一般的なのが吊戸棚です。

キッチンスペースの天井高さ、あるいはキッチンの上に取り付けるか背面収納側に取り付けるのかによっても、その選び方は変わってきます。

キッチン側に付ける場合、レンジフードの高さと下端を合わせるのが一般的とされています。

そこから天井まで、梁などがある場合はその下までとなるため、スペースに合わせて高さが決まってきます。

手の届きやすさを考えてレンジフードよりも下になる様なサイズを選ぶことも可能ですが、ワークトップでの作業性が損なわれないか(邪魔にならないか)、高さのあるグースネックなどのキッチン水栓と干渉しないかなどに気をつけて選ぶ必要があります。

一方で背面収納側、冷蔵庫の並びに取り付ける場合はキッチン側よりも自由に選ぶことが可能です。

 

吊戸棚の取り付け位置はどの程度の高さとするか


 

 

吊戸棚が使いやすい高さという意味では、吊戸棚の下端が目線より10~15センチ下になると、ものの出し入れがしやすくなると言われています。

目線の高さはおおよそ身長からマイナス10センチになるので、

「天井高さー身長+20~25センチ=吊戸棚本体の高さ」

という計算式が成り立ちます。

ただ、これはあくまでも吊戸棚を天井まで目一杯の高さまでにする場合の話。

手持ちの食器が多くて納まりきらない、もしくは家族も多く来客の頻度も高い=食器などの出し入れ機会が多い場合はその限りではありません。

ただ無駄に収納スペースを作るだけになってしまうかもしれないことを避ける意味と使いやすさを重視するのであれば、「目線プラス20センチ」の高さまで、さらに収納力を求める場合でも手の届く高さまで、ということを基準に考えることをお勧めします。

家族の中でキッチンを使う大人が数人いる場合は、出来るだけ小柄な成人を基準に考えてみると良いでしょう。

それよりも長身の人でも目線より少し低い程度であれば収納内部が十分に視界に入ります。

 

 

キッチンリフォームの相談の際には「今のキッチンと同じ仕様で」という要望も良く伺います。

使い慣れているという理由から設備だけは新しくして現状とほぼ同じプランになるリフォームもありますが、キッチン、特に吊戸棚に関しては普段使わないものや無くても困らない食器が眠っていることが多いものです。

快適なキッチンを実現する一歩目として、吊戸棚をはじめとした収納計画を見直してみるのもよいでしょう。

 

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