ラウンドテーブルの「脚」は何が正解か?
2023.5.12
その丸い形状が優しく柔らかい雰囲気を演出し、空間を広く見せる効果もあるラウンドテーブル。
食事や作業のための「台」という実用面だけでなく、程よいアクセントを生み出し、見た目にも良い印象を与えることからテーブルの新規購入の際には検討する人も多いテーブルスタイルです。
ここ数年人気が急上昇している感は強く、私ども家具蔵でも特に在宅時間の増加が目立つようになってきた頃から検討する人や実際に購入する人が増えています。
ラウンドテーブルの人気は「イメージ」「効率」「コミュニケーション性」にあり
ラウンドテーブルはやはりその形状的な特徴が支持を集める一番の理由と言って良いでしょう。
見た目の柔らかさは、住まいに安らぎや落ち着きを求める人にとってはもってこいのものです。
これは人が持つ心理的な印象として、曲線や曲面にもつイメージが「優しい」「かわいい」「安心」といったキーワードを連想させるためです。
イメージの話ではなく、実利面で考えていくとまずは「少人数での使用に適している」という点があります。
現代は多様なライフスタイルが存在し、その理由も様々ですが、いわゆる1人暮らし・2人暮らしを営む人は一時期よりも確実に増えています。
そこでは4人から6人で使用するような長方形ではなく、1人や2人、最大でも4人で使用できれば問題ないようなサイズのテーブルがあればよい、と考える人も多くいます。
そうなると正方形なども選択肢に上りますが、同じ想定人数でもあっても、ラウンドテーブルは、正方形に比べ占有面積が23%ほど小さくなることで、より効率的な空間の使用が可能となります。
また、テーブルの周囲を実際に回遊する機会は多くありますが、四角形のものより周囲の動線が丸みを帯びることで移動しやすくなるという点も大きいかもしれません。
また、ラウンドテーブルの最大の魅力と言っても過言ではないのが「コミュニケーションの取りやすさ」です。
例えば4人で座る場合には長方形テーブルの場合は向かい合って座る人とは視線が通いますが、隣の人とは同じ方向を向いているため視線が通い辛くなります。
一方ラウンドテーブルは四方に人が座ることで、全員の目線が自然と中央に集まります。
そのことで会話が弾みやすくなるのです。
隣り合っている人も同様で、基本的に斜め45度の関係性となることは、互いが圧迫感を一番感じにくい位置関係と言われます。
これはカウンセリングなどでも取り入れられる手法です。
ラウンドテーブルであればこの位置関係を自然に獲得することができます。
隣に小さなお子さんや介護の必要な人が着座している場合でも横に座って何かしてあげるのも楽でしょう。
ラウンドテーブルはインテリア性もさることながら、コミュニケーションを円滑にしてくれるものでもあるのです。
ラウンドテーブルは「脚」の選択も重要
テーブルというものは天板に脚があって初めてテーブルたりえるものです。
これはラウンドテーブルも例外ではありません。
テーブルの脚はそのテーブルのデザイン=見た目の印象の大きな部分を担い、だからこそ様々なスタイルが存在します。
ここでは大きく「3本脚」「4本脚」「(変形を含めた)1本脚・中央脚」からお話ししていきます。
3本脚の場合
3本脚は決して主流のスタイルではありませんが、見た目が軽やかで主張が少ないこと、サイズの大きな椅子が収納しやすいことなどを理由に目にすることもあります。
そもそも家具における3本脚は、石畳が多いヨーロッパにおいて4本脚より3本脚とすることでバランスがとりやすくなるという理由で広まったという説があります。
しかし、私たちは現代の住空間に暮らし、基本的には平面となる床に家具を置き暮らします。
3本脚でもただ使用するだけなら問題はありませんが、重心のバランスの関係で手を付いて体重を掛けた際にバランスを崩してテーブルが傾くといったリスクはありえます。
これは1本脚でも同じことが言えるのですが、それはまた後にお話しします。
3本脚と4本(以上の)脚を比較した場合、安定性の面では納得の上で選ぶ必要があるスタイルです。
4本脚の場合
4本脚では基本的にテーブルの4隅に脚が配置されることで重心のバランスは良くなり、安定感が増します。
手を付いたり、片方に体重を掛けたりしてもテーブルが傾くようなことはなく安心して使用ができるので、1本脚ではなく複数本の脚を選択するなら3本脚より4本脚がお勧めです(そもそも3本脚のラウンドテーブル自体そこまで多くはないのですが)。
この場合(3本脚でも同様ですが)、様々な形状の脚を選択できる場合はそれも含めて全体の印象も変わります。
気を付けなければならないのは脚と脚の間の間隔、いわゆる「脚間」です。
想定の椅子の幅よりも脚間が大きなものでないと椅子が収納できず不便となってしまいます。
また、必然的に椅子を収納する位置は決まるので、座る位置を限定したくない、あるいは4人掛けだが詰めて5人座ることもある(ラウンドテーブルはその点でも柔軟に使用しやすい)という場合は次にお話しする1本脚や中央脚のほうが良いかもしれません。
1本脚・中央脚の場合
ラウンドテーブルを選ぶうえでは人気の高い1本脚や中央脚のスタイル。
脚が中央にあることで主張しすぎず、椅子を収納する位置も限定されないことは座る位置の自由度や合わせる椅子の数を限定しない(1脚だけでも収まりがよい)ことに繋がります。
中には変形のスタイルで脚自体にある程度のボリュームがあり、簡単な収納を兼ねるようなものもあります。
5名以上想定の大型に類するサイズのものなどでも、椅子を収納しやすいことからお勧めのスタイルです。
一方で3本脚同様に安定性については確認を要します。
3本脚より支点はさらに少なくなるので、今でもたまに見かける細い脚に平べったい台座のようなものは思わぬ傾きや転倒を招きます。
一本脚や中央脚を選ぶ際には脚自体と台座部分にある程度のボリュームがある安定感の高いものをお勧めします。
ラウンドテーブルは見た目の上でも実用性の上でも、長方形のテーブル以上に脚の選択は重要です。
私ども家具蔵でも無垢材ラウンドテーブルを複数種類ご用意していますが、中には脚の選択が形状・位置ともに自在に選択できるものもあります。
様々な方法でシミュレーションを行いながら、サイズ・デザインともに貴方にぴったりの一台をご案内します。
お気に入りのテーブルと出会い、毎日をより豊かに過ごしましょう。
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