「小さな子供がいる家庭」の収納を考える
2023.5.14
小さなお子様がいるお客様からはリビングダイニングの片付けに関する悩みをよく伺います。
曰く
「いくらきれいに掃除しても片付かない」
「子供が小さなうちはしょうがない」
という声も伺います。
お子様の成長や自身の負担を考えるとなるべく自発的に片付けてくれることがベストではありますが、大人だとしても漠然と「早く片付けて!」と言われてしまうと、何からどうしてよいのか途方にくれてしまうこともしばしばです。
小さなお子様であればなおさらでしょう。
しかし、お子様にとっても片付けをしやすい環境や手順を大人がガイドしてあげられれば、一緒に片付けを楽しむというプラスアルファもありつつ快適に過ごすことができます。
今回は「小さな子供がいる家庭の収納」についてお話ししていきます。
定期的な「ものの見直し」は欠かせない
片付けと一言で言っても、今あるものをどこかに無理に隠すことや文字通り「棚上げ」することは本当の意味での片付けとはなりません。
まずは家にあるものが収納スペースに対して適切なものの量であるか見極めることが必要です。
多くの場合、なかなか部屋が片付かないという悩みの原因は片付ける場所に対して「ものが多すぎる」ことにあり、子供がいる家庭では成長により使わなくなったものがどんどん溜まっていくというケースは往々にしてありえます。
あるいは「壊れてしまって直せない」「一部を紛失・欠損して使えなくなってしまった」というものも少なからず出てくるはずです。
要・不要の判断は大人にも難しい場合があるのですから、お子様にはなおのこと難しいものです。
それが要るか要らないか、を尋ねれば全て「要る」と答えるお子様も多いでしょう。
そんな時は大人がうまくガイドを行ってあげても良いでしょう。
リサイクルも非常に有効な手段です。
成長により使わなくなったがまだ使える、というものであれば譲って使ってもらうことは情操教育にも役立ちます。
最近はフリマアプリなどで相手側と直接やりとりもできるので、そこで「ありがとう」と言ってもらえればお子様にとっても少しお兄さん、お姉さんになった気分になるかもしれません。
今あるものを大切にしてまた小さな子に譲ってあげたい、という気持ちを学ぶきっかけになればそれも良いことです。
また、廃棄をするのと同様に見直す必要があるのが「買い足し」の量やタイミングです。
あれもこれもと買ってしまうと、結局あまり使わないまま対象年齢が過ぎてしまうということもありえます。
しっかりとした片付け、収納を行いやすいのは収納場所に対して対象の割合が7~8割といったところが目安です。
大人が収納スペースの容量をコントロールし、1つ買うなら1つ手放すといったことを心掛ければものが増えすぎることはありません。
購入の際にも1つの遊びに限定されず、様々な遊びに活用できるかなど見極めを行えば自然とロスは減ってきます。
出し入れしやすい収納環境を整える
大人目線の収納は使い勝手を考えてカテゴリー別に分けるなど、細かく区切りがちです。
お子様が片付けられない原因として、「大人が細かく収納を分けすぎている」という点が挙げられます。
まずはすべて〇〇(自分の名前)と書かれた箱に収納させる。それができたら次は電車やブロックとカテゴリー別に分ける…。
など、少しずつ細かく分類していくという作業を繰り返すことでお子様にとっても「できた」が増える場所として片付けが楽しみになってきます。
収納を細かく分けすぎず、居場所をわかりやすくしておくことで小さなお子様でも片付けやすく、また、探しやすくなることでしょう。
次にその仕分けたものをどこに収納するかを大人がお子様と一緒に考えてあげます。
収納を作る場所はお子様の動線や目線に合わせてあげることが大切です。
せっかくおもちゃを上手に仕分けることができても、それそのものがそのあたりに出たままになっては意味がありません。
仕分けたものを収納する場所はお子様が遊ぶリビングに用意するのがおすすめです。
最近ではテレビボードと収納を一体化させ、壁一面を収納スペースとして使用する壁面収納や、腰高でリビングからダイニングの壁間をすべて埋めるような横長の収納も多く見受けられます。
これらはお子様でも手や目線が届く高さであり、自分で開け閉めもしやすいため、大人の手を借りなくても自分で出し入れしやすい環境であるといえます。
ここでポイントなのはお子様が触っても安心なようにガラス材のものは避けること。
また、着色したものや、木目プリントシールのカラーボックスは安価で手に入れやすいですが、お子様が使う際に箱やおもちゃをぶつけると着色やプリントが剥がれてみすぼらしくなってしまします。
これは大人でも同様です。
色や角が剥げた収納を毎日見ることはストレスにも繋がります。
無着色の無垢材家具であれば、何かをぶつけても色が剥げたりすることはなく、むしろ傷が味わいとなっていきます。
使い勝手の良い扉や引出のデザインを選べば、お子様が大きくなった後も本棚や食器棚としてそのまま使用できます。他の部屋で別の用途に使うことも可能です。
ストレスなく長く使うことのできる気に入った収納家具。
これを大事に使う姿を大人が見せれば、お子様も自然と真似をするものではないでしょうか。
そして「片付ける」を始める
必要なものを見極め、整理を終えて、収納するスペースを作ったらようやく片付けがスタートします。
片付けを苦手、大変だと感じる方の多くは、整理も含めたこれらの見極めが壁になっていることも多くみられます。
実は収納スペースを一度決めてしまえば、定期的に見極めを行う以外は日々の片付けはものを元の場所へ戻すという作業のみで済むことが多いのです。
お子様もただ漠然と「片付けなさい」と言われると、とても大変なことのように思いがちです。
大人側としても思うように片付けてもらえないことで、お互いストレスに感じてしまうこともあるかもしれません。
「元の場所に戻して」と言われれば理解しやすく自分で行うこともできるのではないでしょうか。
また、そうして仕分けたものを収納するリビングボードの上はお気に入りのおもちゃ、人形、クラフトしたものなど何かひとつを飾ろうとお子様と決めてギャラリー作りを楽しむことも楽しみながら片付けられるアイデアのひとつです。
お子様が就寝したあと日々のおもちゃの片付けに限界を感じる前にまずは大人が整理し、収納を考えるという部分を見直してみてはいかがでしょうか。
大人がしっかりガイドしてあげればお子様も片付けのハードルが下がり楽しんでくれることと思います。
時にはお気に入りを飾りながらお子様と一緒に片付けを楽しみましょう。
皆様の収納のお悩みは家具蔵各店のプロスタッフや整理・収納アドバイザーが解決致します。
お気軽にご相談ください。
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