「食事が映える」無垢材テーブルの樹種選びとは?
2023.5.27
じつはユネスコ無形文化遺産には「日本食」が登録されています。
ユネスコ無形文化遺産とは建物などとは違い、芸能・伝統工芸技術など土地の歴史や生活などと密接に関わっているものを尊重・保護するものです。
これに登録されることは、日本の旬物や素材を大切にする食文化、ひいては食材を盛り付ける器や空間のしつらえが国際的な評価を得ている証でもあります。
いわゆる「和食」は世界でも高い人気を誇りますが、日本は様々な食文化を非常に高いレベルで楽しむことのできる国でもあり、それは一般家庭の食卓でも同様です。
様々な食材や料理を楽しむダイニングテーブル、より美味しそうに見せることのできるものであれば、毎日の食事もより華やかに楽しくなるというものです。
無垢材テーブルは多くの場合、その樹種を選ぶことがその家具の「色」やイメージを構築し、空間全体の見え方にも大きく影響します。
そしてそれはテーブルの上に乗る料理の見え方にも少なからず影響があるのです。
色合いを引き締めるウォールナット材のダイニングテーブル
ウォールナット材の持つ濃茶調の色合いは、黒や茶、紫や青などの様々な色素で構成されており、その深く濃い色は眺めているだけで、心を落ち着かせてくれます
高級感を持つイメージが強いウォールナット材ですが、自然由来の多様な色合いで構成されていることからそれだけではない温かみも感じることができます。
この着色されていない落ち着いた色合いが緊張感を和らげ、リラックスしたムードを作り出しつつも、食器の色合いや食材の色合いを鮮やかに映し出すようなメリハリを与えてくれます。
色がぼやけずに輪郭がはっきりと浮き上がることで、洗練された食卓を演出することに貢献します。
清潔感のある白い皿やシルバーのカトラリーがとても映え、緑黄色野菜などのカラフルな色調もより映えることでしょう。
アースカラー(黒・茶・緑・青・紺)をテーマに、ベージュや落ち着いた色調のグリーンなどをランチョンマットやナフキンなどで差し色にしたり、ウッドスプーンやウッドフォーク、サラダボウルなどを取り入れるのもおすすめです。
料理を美味しくみせるチェリー材のダイニングテーブル
赤やオレンジ、黄色などの暖色系の色は、食欲を増進し、料理を美味しく見せてくれる色と言われています。
中華料理店で赤いテーブルをよく見かけるのはそのためかもしれません。
ダイニングテーブルに赤系統の色合いを持ってくることは、いつもの料理をより美しく魅力的に演出する方法となります。
この条件に合致する無垢材のひとつがチェリー材です。
年月とともに濃い赤褐色に変化した後の色合いはまさしく料理をおいしく見せてくれる効果抜群です。
無着色仕上げの無垢材で作られたチェリー材のダイニングテーブルは、テーブルそのものが料理や食材を美味しく見せてくれる舞台となり、料理に欠かせない食器類も綺麗に引き立たせてくれます。
どの家庭にもある白い器ですが、チェリー材の赤褐色と白い器によって生まれたコントラストは、そのデザインと食材の色を引き立たせます。
サラダボウルなどの白いシンプルな器を主役に、脇を固める小さめのプレートやカトラリーレストに黒などの濃い目の色を取り入れると全体が引き締まった印象になり、ワンランク上のテーブルコーディネートを可能にする組み合わせとなります。
ナラ材のダイニングテーブルは日本の食卓によく合う
白木材のダイニングテーブルは様々な種類があり、ハードメープル材などの持つ爽やかな清潔感も料理を映えさせるうえでは大いに魅力的です。
白いキャンバスに絵を描くようなものなので食器や食材の組み合わせも楽しくなります。
和食料理店や寿司店などのカウンターにもよく使われています。
これは日本人の肌の色に近いことに加え、和食料理店の持つ雰囲気には落ち着いた白木が良く似合うという伝統的な理由からとも言われています。
また、白木に限ったことではありませんが、木材の持つ殺菌や防臭・消臭効果もあるため寿司屋では魚の生臭さが漂わないようにするための一端を担っています。
ここでお勧めしたいのが「ナラ材」です。
「ドングリの木」としても知られ、私たちの身近な存在でもありますが、ナチュラルな色合いはどんな食器も合わせやすくテーブルコーディネートがしやすいと言えます。
ドングリを食べに皆が集まってくるというイメージもダイニングテーブルにはもってこいです。
ここで合わせる食器におすすめなのが「濃い色の器」です。
日本は全国で焼き物が盛んで、それらの中には黒などの濃い色合いを持ったものも多々あります。
その独特の形状や凹凸などの主張も強いのですが、日本ならではの文化であり、特に和食との相性を考えると欠かせない存在です。
白や淡い色に比べると「どんな料理を合わせたらいいのか?」と難しく考えてしまう人も多いかもしれませんが、黒や紺系統の落ち着いたもの色合いのものなら合わせやすいはずです。
ナラ材は日本の食文化にもよく合う樹種と言えます。
基本的に無垢材ダイニングテーブルは空間全体の雰囲気との調和から選ぶことも多いのですが、このように食事がどのように映えるかという観点で選ぶのも面白いかもしれません。
それぞれの手触りなども、目立たないまでも食事の際には味を引き立たせる重要なきっかけになるかもしれません。
インテリア性に留まらない無垢材テーブル選び、家具蔵でも様々な視点からお手伝いいたします。
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