大事な家具にカビが発生しないためにできることは?
2023.6.4
住空間に潜むカビ
これから夏を迎える中、高温多湿の環境である日本では住空間においても、風呂場や洗面所など室温が高く湿気が多い部屋で天井や壁面などにカビが発生しやすい傾向があります。
こうした水回り付近に限らず、いつも掃除をしっかりやっているつもりでも、クローゼットを開けた際にどこかカビ臭く感じる…という経験がある人もいることでしょう。
カビ菌は常に胞子として空気中に漂っていて、カビにとって良い条件が揃ってしまうと繁殖して広がります。
空気中に漂っているカビ菌は非常に小さく人の目に見える大きさではありません。
そのカビ菌が人の目にも見えるまでに増殖して、はじめて私たちはカビが生えたと認識することになるのです。
カビが発生しやすい条件とは
「カビにとって良い条件」が揃うとカビは繁殖してしまいますが、その発生しやすい条件とはどのようなものでしょうか。
大きく影響する三大要素が「湿度」「温度」「栄養分」です。
カビ菌は60%以上から活動が活発になり、80%を超えると一気に繁殖します。
また、カビ菌は25度から28度の環境が最も生育に適しており、60度以上(乾燥機の温度程度)でおおよそ撃退できます。
そして、食べ物のカス、ホコリ、皮脂など様々な汚れのほとんど全てがカビの栄養分になります。
住空間におけるカビが発生しやすい場所は
それでは、住空間ではどのような場所でカビが発生しやすいでしょうか。
まずは浴室、トイレ、キッチンなどの水回りです。
常に湿気が多く、カビが発生しやすい環境として、誰にでもイメージしやすいカビの発生スポットと言えます。
また、ウォークインクローゼットや玄関収納など造り付け家具の内部は風通しがあまり良くなく、湿気がこもりやすい場所です。
外出して汗などによって蒸れた衣類や靴を十分に乾燥させないで収納するとより内部に湿気がこもりやすくなります。
冷蔵庫や洗濯機、衣類タンスや食器棚など大きな家電や家具の裏側も要注意です。
大型家電や大型家具の背面は、こまめな掃除がしにくい場所であるここと、風の通りが良くないためにカビの発生場所になりやすいのです。
最後に結露が発生しやすい窓際や、日当たり風通りの良くない北側の部屋もカビが繁殖しやすい条件がそろっています。
冬の朝などに、窓に結露がびっしり、という光景を目にした人は多いはずです。
断熱性能の低いガラスの窓や北側に面した部屋は結露が起こりやすい環境で、すなわちカビも発生しやすい場所ということになります。
無垢材家具がカビから住空間を守る
無垢材はいわば「木そのもの」と言える素材であり、そのことから「呼吸している」とも言われます。
無垢材の呼吸は動物のそれではなく、湿度の高い時は湿気を多く吸い、乾燥してきたら湿気を放出することを動物の呼吸に例えたものです。
つまり、木材の調湿機能のことを表現している言葉と言えます。
この調湿機能は、いわゆる合板製の家具より無垢材の家具が優れており、化学系の塗料よりも自然素材の塗料の家具のほうが湿気を吸いやすく、その結果調湿機能が高いのです。
例えば、私ども家具蔵の「無垢材チェストモデルノ」や「無垢材チェストダンⅡ」などでは、フレームは住空間に合わせて4樹種の無垢材を選べるようになっていますが、引き出し内部は桐を使用しています。
外部フレームがウレタンクリア塗装の仕様でも、引出しの内部材は調湿効果がより見込まれる自然素材系の塗装を施して、収納した衣類などをカビから守る工夫がされています。
このような工夫は、同じく湿気が籠りやすいベッドフレームの床板にも施されています。
このような無垢材家具が室内に沢山あれば、空間内の湿度が下がりカビの発生を抑えることは十分に考えられます。
ただ、室内の湿度が高すぎる環境、つまり無垢材の許容範囲を超えるような状況では、無垢材家具の調湿機能だけではカビの発生は抑えきれません。
特に湿気の多い時期などに大切な家具にカビが発生しないように、対策をすることも必要となります。
無垢材家具をカビから守る
家具を置く際には「壁にぴったりとくっつけて置きたい」という人もいるでしょう。
収まりも良く、家具と壁の隙間に物が落ちるといったことも防ぐことができます。
実はこれはカビ発生の大きな原因のひとつです。
家具を壁にぴったりと着けてしまうと、そこに空気の滞留を招きます。
また、家具が壁の中から湿気を吸い込んでしまうため、カビが発生しやすい条件を作ってしまうことにもなるのです。
特に北側の壁面や窓から近い場所に家具を設置する場合は、できれば壁から3センチほど離して設置することをお勧めします。
空気の滞留を防ぐことができ、カビの発生率を下げることができます。
また、収納の内部については引き出しの底に除湿シートを敷いて、その上に衣類を乗せて収納することも効果的です。
その他にベッドフレームの下を物置場所にしないことは有効なカビ対策です。
ベッドフレームの下は寝ている間にかいた汗などによって湿気がこもりやすく、ホコリも溜まりやすい場所なので、なるべく何も置かず、空気が滞留しにくい環境にしましょう。
もしカビがついてしまったら硬く絞った布などでカビを取り除いて、あとは乾拭きし、家具の中に入っているものを取り出した状態で、壁から離して乾燥させます。
その際は窓を開けて風通しをよくし、扇風機やサーキュレーターを使って、出来るだけ家具の中の湿気を取り除くようにしましょう。
お気に入りの大事な家具をカビから守ることは、住まいの中でより快適に健康的に過ごすためのひとつの方法です。
そして、無垢材家具ならそれ以外にも多くの健康的な影響を享受できます。
お近くの家具蔵各店舗で実際に見て触れて確かめてみてください。
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