収納家具は「高さ」で考えて選ぶ
2023.7.17
新築・建替・リフォーム・リノベーション…。
引越しも含めた住み替えなどのタイミングで、よく伺う相談のひとつに「収納家具」のご相談があります。
住み替えしたのちに、事前に想定していたものが上手く収まらない、または思っていたより収納場所が小さい、といったところから出てくる話です。
ダイニングテーブルやTVボードとは異なり、設置する場所を確保できれば使用できるという訳ではなく、家族の持ちものを収めて、初めて収納場所とモノの量を把握できる収納家具では、引越した後に気付くことが多いのも頷けます。
その他にも収納の方法がイマイチわからない、子どものモノの置き場所や収納方法など、収納の悩みは皆、意外に多いものです。
「見せる」と「隠す」のそれぞれの収納が美しくまとまる、それ自体を行うことが上手になるといった、「高さ」を活用するメリットも多くあります。
今回はそのような収納方法の中でも余り意識されない「高さ」を活かした収納に関してまとめてみました。
「高さ」を考慮した収納物
クローゼットやキッチン、押し入れなど収納場所により収納物は異なります。
ただ、ベースとなる考え方は共通しているのがこの「高さ」です。
自宅の収納場所をどのように融通していこうか検討する際にはこういった観点を取り入れてみるのはいかがでしょうか?
●収納場所の高さが190cm以上の場合
女性の方などは、踏み台が必要になることも多い高さです。
ここには軽いもので出し入れがし易いもの、使用頻度の少ないものを収めていきましょう。
毛布や季節もの、あるいは日頃使用しないレジャーやアウトドアの用品などを納めるのに適しています。
●収納場所の高さが160cm以上の場合
小柄な方でも少し手を伸ばせば届く、あるいは目線より少し上になる高さです。
ここにも使用頻度の低いもの、軽いものを中心に収納するのがいいでしょう。
普段使わないバックや帽子などの収納がおすすめです。
比較的活用度が高い場所にもなるので、吊り下げ収納を活用してみてもいいでしょう。
●収納場所の高さが144cm以上の場合
小柄な方はいわゆる「目線の高さ」に、身長のある方は少し見下ろすような高さがこの高さ。
引き出しなどの収納ではものが取り出しにくくなります。
この高さにくる収納は基本的に扉タイプのものがおすすめ。
使用頻度の高いものもこの部分に入れてしまいましょう。
●収納場所の高さが60cm~125cm以上の場合
いわゆる「腰高」と呼ばれるもので空間のなかで圧迫感も無く、天板部分は飾り棚としても使用できるので活躍度は非常に高くなります。
日常的によく使用するものや、割れ物などを収納しましょう。
クローゼットの場合はよく使う洋服、キッチンではよく使う鍋、フライパンなど、日々を振り返ると置くものがすぐに思い浮かぶようなものを収めましょう。
●収納場所の高さが39cm以下の場合
多くの場合で膝から下となる高さです。
ものを取り出す際には、かがむ・しゃがむといった動作が必要になります。
重いものや大きいもの、普段使用しないものを収納しましょう。
低い位置にある収納は奥が見にくくなりますので、この部分に引き出しがあると、中のものが一瞥できて便利です。
「仕様」と「高さ」の関係
収納の仕様には大きく分けて、「扉」「ガラス扉」「引出し」「オープン」というような違いがあります。
何を収納するかによって、この仕様も変えていく必要があります。
それぞれの高さに適した仕様をまとめてみました。
収納家具を検討される際には必ずどの仕様にするべきか、ここもしっかり検討してみましょう。
●頭から上の収納
目線より高い収納の場合は、引出しを活用することはできません。
扉(開き戸・引き戸)を使用するのが一般的ですが、オープン棚という方法もあります。
その場合は日常的に手が届かない場所となるので、ホコリの影響や見えてもいいものかどうかなど考慮して仕様を選ぶといいでしょう。
見にくい箇所とはなるものの、ガラス扉にしてコレクションしているモノなどを並べてもいいでしょう。
●胸の位置にくる収納
この場所は取り出しやすく見やすい場所となるため、その活用方法は様々です。
引出しを採用するには少し高い位置となるので、中に収めるモノと高さの兼ね合いをよく検討することが大事です。
それ以外でしたら扉・ガラス扉・オープンのどのタイプでも、その中に収めるものに応じて選ばれるといいでしょう。
- 腰下の位置にくる収納
この場所は引出しの仕様で小物を収めると手が届きやすく、中に入っているものもくまなく見渡せるので、使いやすさや収納のしやすさも高くなります。
もちろん扉仕様を活用されてもいいでしょう。
腰下からガラス扉を活用される場合は、日常の中でぶつかってしまうことも想定される場所(=割れてしまうことがある)なので、ご家族の年齢や動線なども考慮されてからの採用がお勧めです。
●膝下の場所
この場所は日常的な開閉には、いわゆる「屈む動作」が必要になる箇所です。
扉、引出しが一般的に利用されますが、扉の場合は奥の物が見づらく取りづらいので、頻繁には使用しないようなものを収めるのがいいでしょう。
引出しの場合は奥のものもしっかり確認することができます。
便利に活用することはできますが、引き出しの仕様の場合は扉の仕様に比べると材料や製作の手間が多くかかりますので、どうしてもコスト面では上がってしまいます。
置くものや頻度のことを考慮しながら、家具全体のコストも考慮したいものです。
ご自宅の収納家具の全体の高さに応じて、その場に一番いい仕様を選択することで、さらに使い勝手が良い状態になります。
しかし、なかなかこのように収納場所に応じて適切な収納を行うのは難しいもの。
一度生活が始まってしまうと、良くも悪くも「慣れ」が生じてしまうからです。
ただ、この「慣れ」が知らず知らずのうちに毎日のクオリティを下げているかもしれません。
どこから手をつけてよいのか分からない、どうすれば使い勝手がよくなるのか?
そのような悩みをお持ちであれば、お気軽に家具蔵各店にてご相談ください。
専任のスタッフが丁寧にご相談をお伺いいたします。
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