チェリー材の特徴と魅力を再確認!
2023.8.8
正式名称は「アメリカンブラックチェリー」
家具材としても非常に人気が高く、一度使い始めるとその魅力の虜になると言われるのがチェリー材です。
その人気の理由は多岐にわたりますが、長きにわたって多くの場所で愛され、そして、親しまれてきています。
普段は「チェリー(材)」といわゆる略称で呼ばれていますが、その実名は「アメリカンブラックチェリー」というバラ科の樹木です。
アメリカンブラックチェリーの生まれ故郷は、おもにアメリカ東部全域ペンシルバニア州、バージニア州、ニューヨーク州、ウエストバージニア州などの広範囲に及んでいます。
家具材としての人気はもちろんですが、古くからパイプ材として使われ、パイプの愛好家の間でも使い込んだチェリー材のパイプを自慢し合うなど人の暮らしに深く根付いた樹種でもあるのです。
チェリー材がそこまで愛される素材となった魅力はどこにあるのでしょうか。
経年と共に変わりゆく色合いが大きな特徴と魅力
アメリカンブラックチェリー(チェリー材)の最大の魅力は、その色合いにあると言えるでしょう。
暖かみと深みを感じる得も言われぬその赤褐色の色味が世界中で多くの人を魅了し続けています。
ですが、チェリー材は最初からそのような色合いを持っているわけではありません。
チェリー材は、製材直後、そして家具として仕上がったあとしばらくは、淡い薄桃色をしているのです。
それが、時間の経過と共にお馴染みのともいえる深い赤褐色に変化していきます。
そしてその進度は「劇的」と言えるほどに早く、数か月でもその違いを感じることができます。
その色合いの変化はさながら、チェリー材の家具が家族や家とともに成長していくかの如くです。
そして、暖かみのある色合いは、見る人の心を和ませてくれます。
暖色系の色合いは料理を美味しそうに引き立たす効果や、食欲をかき立ててくれる効果もあると言われ、ダイニングシーンにはピッタリの樹種でもあるのです。
きめの細かい滑らかな肌触り
チェリー材で作り上げられた家具の表面は、肌触りがとてもきめ細かく、滑らかなことでも有名です。
これもチェリー材を人気素材にしている特徴の一つと言えるでしょう。
これはチェリー材の持つ構造に秘密があります。
チェリー材はいわゆる「広葉樹」の一種です。
広葉樹には、地中から得た水分や栄養分を体中に運ぶために道管という組織があります。
この道管が無垢材家具の触り心地を左右しています。
広葉樹材は道管の配列によって大きく「環孔材」と「散孔材」の2つに分類されるのですが、チェリー材は散孔材に分類されます。
散孔材の特徴は道管が比較的細く、年輪とは関係なく散らばって存在している点です。
そのことから、手で触れた際にすべすべと滑らかな肌触りに感じるのです。
無垢材家具の触り心地は表面の仕上げの仕方や塗装が同じであれば、どの樹種でも同じ触り心地ではありません。
塗装が分厚ければ、どの樹種を触っても同じ触感になってしまうこともあるでしょう。
実際は樹種によってもその手触りは大きく変わります。
その質感の違いが視覚にも影響し、その家具や樹種の雰囲気をも左右するとすれば、塗装も家具材の保護だけではない重要な役割を担います。
私ども家具蔵では、専門の職人が熟練の技術を駆使して最終的な仕上げ塗装を行います。
そうすることで、しっかりと樹種の違いを触感で認識することができるのです。
チェリー材は特徴的なキャラクターマークにも注目する
木というものは言うまでもなく自然の中で生きています。
その環境は日々変化し、その中で過ごしてきた痕跡が数々の「キャラクターマーク」となり、その材を彩る表情となります。
そして、チェリー材はその「キャラクターマーク」が非常に分かりやすく、特徴的に発生する樹種でもあるのです。
例えば「リップルマーク(さざなみ紋)」と言われる紋様は、チェリー材の特徴的なキャラクターマークの一つです。
風の強い場所や地面の振動、雪の重みなどの影響によって生まれた波のような紋様は、天板を見る角度によって模様が変わって見えるような不思議な趣きがあります。
朝の自然光で見る姿と、夜に照明光で見る姿が違って見えることでいわゆるそこにあること、使い続けることに対して「飽きがこない」ものになると言えるでしょう。
「ガムポケット」もまたチェリー材の特徴的なキャラクターマークの一つです。
外界からの影響や他の生き物による損傷を自身の樹液で埋めた痕であり、このガムポケットが多いものやこれから枝が生えようとしていた痕跡である「ピンノット」は、多ければ多いほど、そのチェリー材の基になった木の生命力の強さを表しています。
これらのキャラクターマークの多寡には少なからず好みもあるはずです。
ですが、チェリー材についてはこのキャラクターマークはいわゆる「欠点」にはなりません。
チェリー材を語るうえでは「有って当然のもの」という認識が共通してあり、むしろそれらが多いもの程、よりチェリー材らしいともいえるのです。
チェリー材はその色味や質感から高いインテリア性を誇り、そのことが人気の大きな理由です。
また、家具材としてもたいへん優秀なものであることが、その人気に拍車をかけています。
見て良し、触って良しのチェリー材は、キャラクターマークの由来を知ることでより魅力を増してきます。
チェリー材をブランド創設以来の定番材としている家具蔵各店でも、多くのチェリー材の無垢材家具を展示していますので、ぜひその魅力に触れてみて下さい。
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