カウンター下収納は「ここ」をポイントに検討する
2023.8.21
今では日本の70%以上の住まいで採用されているともいわれるキッチンカウンター。
オープンスタイルのキッチンがスタンダードともなっている昨今の住宅事情においてはさもありなんといったところです。
キッチンカウンターとは、キッチンとダイニングスペースの間にカウンターテーブル(もしくはそれに準ずる天板)が設置されているものの総称です。
今回はダイニングスペース側にキッチンが向いている状況で手元が隠れるような腰壁のみが実装されているものや、カウンター「テーブル」と呼ぶには少々奥行きが浅いようなもの含めて、キッチンカウンターと総称します。
オープンスタイルのキッチンはリビングダイニングとキッチンを一つの空間としてくれるので、家事や空間の効率性向上、あるいは家族や来客と話をしながら家事ができることでコミュニケーション性の向上を図ることができます。
様々なメリットを擁するオープンスタイルのキッチンですが、同時にキッチンカウンターの下、あるいは前方がデッドスペースとなっているケースは少なくありません。
カウンター下収納はダイニングスペースを美しく保つことに役立つ
キッチンカウンターはキッチンで作った料理を配膳する、あるいは食事が終わった後の食器を片付ける場でもありますが、本来はそこにカウンターチェアなどを配置して、そこで簡単な食事をとることなども目的とされています。
ただ、現実的にはカウンターそのものの奥行が狭く食事や作業をするには不向きである、あるいはカウンターチェアなどを配置するとその他の家具配置の余裕が無くなる、そもそもカウンターで食事をするニーズは無い…、などの事情から、あくまでオープンスタイルのキッチンの付随しているものとなっているケースもあります。
そこでそのスペースに収納家具を配置するのは、場の有効活用という意味で最適でしょう。
ダイニングスペースはとかくものにあふれています。
気が付くと日用品や郵便物・送付物の類がテーブルやカウンター上に山積みになっているということは決して珍しいことではありません。
しかしそれでは空間の美観を損ね、同時に探し物などが増えて無駄な時間を費やす、場合によってはそれがどこに行ったかわからなくなる、といったリスクもはらみます。
ダイニングテーブル周辺に日常のこまごましたものなどを収納しておける「ものの住所」があると常にダイニングスペースを美しく保つことができ、何かの際に余計な時間を費やすことも少なくなります。
その収納家具の配置場所に「カウンター下」が有効になるのです。
どのようなものが使い易いものになるか
では、どのようなものがいわゆる「使い易いもの」となるのでしょうか。
先ず条件としては総高が腰高であることが挙げられます。
これは当たり前ですが、カウンター「下」収納なのでカウンターの下に入らないと意味は無く、その高さはおおよそ「腰の高さ」というわけです。
次にその「腰高」はどの程度に持ってくるか、という点においては「カウンター下ギリギリまでの高さにするか」あるいは「カウンター下天板と収納家具の高さにある程度の余白を持たせるか」ということがポイントになります。
いわゆるオーダーメイド家具ではなく、市販品で探すなら後者になる可能性は高く、これはこれでメリットが多々あります。
まず、腰高収納、つまりリビングボードとして適切な高さを持つ市販品なら他の場所でも使用できる可能性が広がります。
また、天板下と収納家具の間に余白があることで、収納家具の天板上を飾り棚的に使用できるなどのレイアウトの幅も広がります。
これは奥行きについても同様で、カウンター天板の奥行きと収納家具の奥行きを揃えるかどうか、という点においてはカウンターの奥行きがあまり広くない場合、収納家具の内寸、つまり収納性に影響してくるため、リビングボードとして販売されている市販品をそのまま持ってくることで使用範囲の拡大や収納性の向上につながることもあります。
実際にオーダーメイド家具の製作においてもサイズ自体はそのように今後の使い勝手に目を向けて、あえてスペースには合わせずに設計することもあります。
一方、自宅のカウンター下のサイズとピッタリのものを配置したい、造作家具のように一体感が欲しいといった場合はオーダーメイドという方法をとるのがベストです。
後にも触れますが、サイズだけでなく、素材や何をどのように収納し、見せるかといった点まで考慮したものが置かれることで使い勝手も美観も間違いの無いものとなります。
事前に何を収納したいのか明確にしておく
そこでまず必要なことは「事前に何を収納したいのか明確にしておく」ことが大切です。
収納家具はカウンター下収納に限らず、基本的に「扉」「引き出し」「棚」をどのように組み合わせるかでその見え方も使い勝手も変わりますが、事前に「何を(あるいはどのような類のものを)収納したいのか」をしっかり想定しておくことで扉のみで良いのか、引出しがたくさんあると良いのか、その位置や配列は、など家具の全体像が浮き彫りになってきます。
また、そうすることで、実際に収納を使用する際にこんなはずではなかったという行き違いを無くしていくことができるようになります。
これはカウンター下収納だけではなく、収納家具の検討の際全般に言えることでもあります。
正確なサイズを把握するために
そして、ありがちな失敗である「実際に置いてみたら大きすぎた(小さすぎた)という失敗を防ぐためには正確なサイズを理解することがあります。
自宅のカウンター下の高さ、幅、奥行きだけでなく、カウンター天板の下に補強の金物はないか、コンセントの有無と位置壁面の足元の幅木の高さや厚みなど細かな点も確認すると良いでしょう。
自身の計測に自信が無ければ家具販売店のスタッフによる訪問での採寸を依頼することも一つです。
私ども家具蔵でも地域の縛りこそありますが、無料で訪問採寸を行っており、そこからカタログ掲載のものでも十分に対応できるのか、セミオーダー品をご提案するのか、フルオーダーとするべきなのかなどをお客様の希望をお伺いしながらご提案させていただきます。
カウンター下収納をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。
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